( 村口さん邸 DATA )
FAMILY:3人家族(パパ・ママ・長女1歳)
HOUSE TYPE:一軒家/注文
BUILDING AGE:築4年
HOUSE SIZE:100㎡/3LDK
AREA:神奈川県鎌倉市
国内外の暮らしのアイディアを
自分たち流に落とし込む
『オンとオフをきっちり切り替えられるライフスタイルを送りたい』。そんな思いで横浜から鎌倉へ移住を決めた村口さん家族。「引っ越す前の休日は仕事場に近い原宿や青山に出かけることが多く、どこか仕事モードが抜け切れずにいたのですが、鎌倉に引っ越してからはほぼ近所で過ごすようになりました。朝は逗子の方までランニングしたり、近所の市場へ野菜を買いに行ったり、昼は季節問わず娘と海で思いっきり遊ぶ。今はとにかく休みが待ち遠しいですね!」
家族で暮らす時間を大切にしたいという思いから、家づくりにも全力で取り組んでいるという村口さん。趣味の旅行や出張先で出会う、見たことのないものやその土地ならではのライフスタイルに触れることで、自分たちの目指す住まいをより確かなものへとしていった。「家を一から建てるとき大きな影響を与えてくれたのが、ニューヨーク出張の際に訪れた〈The Apartment by The Line〉というお店。ここは、雑居ビルの3階にあって、内装はリビング、ダイニング、キッチン、寝室、バスルームと分かれていて、ニューヨークで暮らす人のライフスタイルがリアルに表現されていました。まさに、素敵な友人の家を訪れたという感覚。わが家の内装を白壁、モルタル、黒い鉄サッシで統一したことや、あえて建物をL字型にして気持ちのいい中庭をつくったのも、このニューヨークのお店からインスピレーションを得たものです」
家族みんなが心地いいと思えるアイディアを上手に編集した家は、国内外問わず自分たちが好きだと思えるものが自然と溶け込むニュートラルな空間に。ものはしまわずに、あえて“見せる”というのも村口さん宅のこだわりのひとつ。「わが家には、扉のついた収納棚がほぼありません。家にあるものは日用品も含めて好きなものばかり。だからこそ、見える場所に置きたくて。また、見せる収納を心がけると無駄な買い物が減って、妥協せずにもの選びができるようになりました。娘もいいものに触れることで、豊かに感性を磨いてくれたらいいなと思います」
家電やキッチン道具は、できるだけすっきりとしたデザインのものを。パッケージの気になる調味料は、海外製の保存ビンに詰め替えて。
4日に一度は近所の鎌倉市農協連即売所(通称:レンバイ)で、地元・鎌倉で採れた野菜を購入。「とにかく安くて、たまらなくおいしいんです!」
細々とした乾物や調味料類は、鎌倉の〈もやい工藝〉で購入した小鹿田焼の壺に入れて可愛らしく収納。
植物は南アフリカやオーストラリアなど、珍しい国のものがたくさん。庭と室内のプランターは同じモルタルで統一感を持たせている。
村口さん宅の顔ともいえる大きな食器棚には、やちむんや、益子焼、砥部焼など、旅先の民芸店で購入したという日本各地の器が飾られている。「食器以外にも小さなオブジェなどを一緒に並べることで、よりインテリアの一部として楽しめるはず」。食器棚はもともと小学校の靴箱だったもの。ヤフオクで8,000円で手に入れたそう!
子どもの絵本を収納している青い棚は、経堂のヴィンテージ家具屋〈Rungta〉で購入した、インドのヴィンテージもの。庭の植物でつくったドライフラワーとの相性も◎。天井から吊るしているヒンメリも子ども部屋にやさしい空気を運んでくれる。
当初物置きだったという8帖の部屋の一角は、最近子ども部屋に。ネイル勉強中の奥さんの作業スペースとしても活用しているそう。コンパクトな空間に合わせて、テーブルは〈アルヴァ・アアルト〉の半円デザインをチョイス。
ついついコレクションしがちだという木のオモチャ。写真のオモチャは、ニューヨークで購入したもの。「子ども用というより、これは僕が眺めて楽しんでいますね(笑)」
寝室と子ども部屋を仕切る壁には、圧迫感が出ないように室内窓を取り付け。正面に見える寝室の大きな飾り棚は枠のサイズをカスタムできる〈無印良品〉のもの。国内外問わずさまざまな土地で見つけたオブジェたちが並ぶ。「ものが大好きなのでついつい増えてしまうのですが、できるだけ置きすぎないことを意識しています」
デンマークの古いはしごを活用したディスプレイも見どころ。普段使うハンカチやバンダナも色ごとに並べることでインテリアのアクセントに!
〈ビームス〉でも多く扱っているインディアンジュエリー。ロサンゼルスへ旅行に行った際、車で13時間ほどかけて訪れたというニューメキシコで購入したもの。
夫婦のアクセサリーはインドのヴィンテージキャビネットに入れて、ひとつひとつ見えるようにディスプレイ。「以前はカゴに入れて収納していたのですが、それだと同じものを使いがちになってしまうので、よく見えて取り出しやすいように工夫しました。毎朝ここで支度する時間が楽しみです!」
帰ってきたらすぐに着替えられるように、玄関横に設けたウォークインクローゼット。夫婦で〈ビームス〉に勤めているだけあって、服は圧巻の量ながらお店のように美しく収納されている。
中庭には村口さんが大のお気に入りだという〈ルイスポールセン〉の背の高いライトが。「デンマーク出張へ行ったとき、道路に立つ〈ルイスポールセン〉の街頭の下で現地の人たちが何の気なしに話している姿がなんともかっこよくて。夜はこのライトを照らして、近所の友人たちとお酒を飲むのが楽しみです」
入り口の郵便ポストはなかなか国内でいいものが見つからず、ドイツで歩き回って見つけ出した思い出の品。