『アンパンマン』は
家事・育児を助けてくれるヒーロー
―映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』の出演オファーがあったときのことは覚えていますか?
「『アンパンマン』のお仕事が……」と言われて「やるやるやる!」と即答ですね。やっと掴めたという気持ちや子どもたちの好きなものに参加できる喜びが大きかったですね。いちばん上のお姉ちゃんは今年で9歳になりますが、2番目、3番目はまだ映画館に行ったことがないので、この作品で映画館デビューしたいなぁと思っています。
―今回のストーリーについて、どういう部分に魅力を感じましたか?
私も『アンパンマン』で育っているので、やっぱりばいきんまんが主役になるというのは衝撃的で歴史が動いたなと。すごい回でお仕事をさせていただいちゃったなと思って、嬉しかったです。ばいきんまんは悪役といえば悪役で、アンパンマンの心の広さと憎めないキャラがあるから子どもたちにも愛されていますけど、この作品でもっと愛されちゃいそうですよね。今までとのギャップがあってとても可愛かったです。
―今回演じたのは森の妖精・ルルンというキャラクターですが、アフレコはいかがでしたか?
ルルンをパッと見たときにすっごく可愛らしいキャラクターで、きっと声もものすごく可愛くてトーンは高くてというイメージだったんですけど、当日現場に行ったら「上戸さんの地声で、いちばん楽な声でお願いします」と言われて。でも自分の声は低いので「じゃあ2パターン録って自分でも聴いてみたいです」とやってみたら「中間で」と言われたんです。ちょっと油断すると声が低くなったり高くなったりしちゃうから、その中間を狙っていくのは難しいというか、気を付けましたね。
―お子さんたちはどういうふうにこの作品を楽しんでくれると思いますか?
いちばん上は想像つきますね、「いいんじゃない」みたいにアイコンタクトしてくれそうだなって。2番目の長男は、どんな顔をして観るのかが楽しみです。その子どもたちを撮りたいけど、映画館じゃ写真を撮れないので心にしまっておきたいなと。あとは途中で寝ませんように(笑)。
―子どものときと親になってからで、『アンパンマン』を見たときの感じ方に変化はありますか?
自分が小さいときは『アンパンマン』を夢中で見ていて、今はそれを見ている子どもを見ることが幸せであり、見せている間に家事をやっているので「アンパンマン、ありがとう」という感じです。オモチャもそうですけど、夢中になってずっと遊んでくれるので、家事・育児を助けてくれるヒーローでもありますね。
“ながら”にならないように、
ひとりひとりとの時間をつくりたい
―上戸さんが子育てやお子さんと向き合うにあたって大切にしていること、心がけていることはありますか?
心がけていることは“ながら”にならないようにすることですね。結局そうなってしまうので、なるべく子どもがママを欲しているときにちゃんと向き合えるような時間をつくること。家のこと、仕事、きょうだいそれぞれのことでひとりひとりとちゃんと向き合う時間がなかなかなくて、昨日も2番目とすごろくをしたり、いちばん上のお姉ちゃんと原宿デートをしたときに「こういう時間ってやっぱり大事だよな」と思いました。
―3人いらっしゃると、その向き合い方も難しいですよね。
まず0歳の次男から離れることができないので「できるだけ長く寝てください」と思うんですけど、誰よりもかまってちゃんでなかなか手が離せなくて、2番目が「抱っこしてよ〜」とぐずることがちょこちょこありますね。
赤ちゃんが小さければ小さいほど手が離せないと分かっているから言わないんですけど、今はちょっとお座りできるようになって抱っこから降ろせるようになったのがわかっているから、「赤ちゃんを降ろして僕を抱っこしてよ」と言うようになってきて。起きたときも隣にいないと「なんで起きたときにいなかったの!」とその日の朝がグダグダなんですよ。うちは朝ごはんをつくったり、用意してくれるのは旦那さんなので、私はなるべく子どもたちが起きるタイミングに隣にいるようにしています。
―お子さんとの時間やお仕事で忙しいと思うのですが、ひとりの女性としてリラックスできる瞬間や力を抜く方法はありますか?
「(リラックスを)したいしたいしたいしたいしたい!」という感じです。ちょっと前に時間がポッと空いて友だちのママさんとランチに行ったけど子どもの話ばっかりで、「このあいだ、こんなことがあってさ〜」みたいな楽しい時間というよりは、メモをするくらい真面目な話になっちゃって。なのでママさんとのリラックスする時間も、お休みもほしいですね。今は時間が足りなくて、こうやって仕事をしているときのほうが自分の時間になっています。
映画『アンパンマン』の魅力や、お子さんと向き合う時間の大切さについて話してくれた上戸さん。仕事に家事と忙しさに追われるなかでそういった時間をつくるのは簡単ではないかもしれませんが、『アンパンマン』をきっかけに劇場で親子時間を過ごしてみませんか? きっと楽しく、かけがえのない時間になるはず。
「愛と勇気の戦士ばいきんまん、助けにきて!」という声に導かれ、絵本の中に吸い込まれてしまったばいきんまん。森の妖精・ルルンと出会い、すいとるゾウによる森の危機を救うため、アンパンマンと力を合わせて立ち向かう〈絵本の世界〉での大冒険を描く。声のゲスト出演としてルルンを上戸さんが、すいとるゾウを岡村隆史さんが演じる。
6月28日(金)より元気100倍!全国ロードショー
配給:東京テアトル
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2024