そもそも「自己肯定感」って何だろう?
ありのままの自分を肯定できる。
それが自己肯定感
まずはじめにお伝えしておきたいのが、自己肯定感とは、自分の存在を無条件に肯定できる感覚のことを指します。何かを達成できたときに褒めてあげると、それによって自己肯定感が高くなる、という捉え方をされている方もいらっしゃいます。もちろんそういう面もあるのですが、何かを達成するしない以前に、自分は存在していい、できないこともあるけどありのままの自分でいいんだ、そうやって自分の存在を無条件に肯定して認められる感覚、それが自己肯定感なんです。
自己肯定感が高いとどのようなメリットがあるの?
積極的にチャレンジできる。
人間関係もスムーズに!
自分自身を肯定できるようになると、自然と前向きになれるんですよね。何か新しいことに取り組むときでも「なんとなくできそう」「楽しそう」と感じることができ、積極的にチャレンジすることができます。たとえ失敗したとしても、「なんとかなる」「頑張ればできる」そう思えるので、レジリエンス(回復力)が高く、立ち直りが早い。他者に叱られたとしても、自分のことを思って叱ってくれているんだ、と肯定的に捉えられるようになります。また、無条件に自分を肯定できる子どもは、他者をも肯定し信頼できるようになりますから、信頼関係が育まれ、親子関係や友人関係が豊かになります。
子どもの自己肯定感を下げる
やってはいけないこと
存在や人格を否定するような言葉をかける
叱り続ける
「いなければよかった」「本当は産みたくなかった」のような、子どもの存在まるごとを否定するような言葉は絶対にかけてはいけません。それと同時に「本当にダメな子だね」「ずるい子だね」のような、人格や能力を否定する言葉も、子どもの心に深い傷を残します。また、10年ほど前までは「存在否定や人格否定はいけないけど、物事について叱るのはいい」と言われていましたが、いくら物事でも「片付けなきゃダメ」「もっと勉強しないと」と叱られ続ければ、子どもは「ぼくってダメだな」という結論にいたってしまうので、結局人格否定などと同じことになってしまうのです。ボクシングに例えるなら、存在や人格の否定は1回でノックアウトさせるような強い言葉で、物事の否定は言い続けることによって最終的にノックアウトにいたるジャブのような言葉。子どもにとっては、どちらも同じなんですよね。
子どもの自己肯定感を高める方法9選
【遊び】のシーンで自己肯定感を高める方法
1.嬉しいとき、頑張ったときに
その気持ちを受け止める
上手に絵が描けたとき、砂場で素敵なお山ができたとき、子どもは必ずといっていいほど「みてみて〜」って駆け寄ってきますよね。このときにちゃんと子どもを見て「すごいね」「どうやってつくったの?」と、肯定的な言葉をかけてあげましょう。料理をしていたり仕事をしていたりと、すぐに見てあげられないときは、「忙しいから後にして」と言いがちですが、たとえ5秒でもいいので、受け止めてあげてください。「頑張ったね」「面白そうだね」という一言でいいのです。受け止めたあとで、「これ終わらせちゃうから、ちょっと待っててね」と伝えると、子どもは安心して待つことができます。
2.やりたいこと、好きなことは
満足がいくまでさせてあげる
好きなことをしているときは、幸せホルモンが分泌するため気持ちが安定しますし、何かに夢中になっていると、やる気と幸福感を高めるドーパミンが分泌されて、集中力がぐんと高まります。暇さえあれば絵を描いている、動物の図鑑をいつも読んでいる、音楽が流れると必ず踊るなど、子どもをよく観察していると、何が好きなのかが見えてきます。自然にしていることは子ども自身が好きなことですから、遮らずに満足がいくまでさせてあげることで、自己肯定感が高まるのです。また、自分がやりたいことや好きなことを自分で見つけて、どんどんやっていく力、自己実現力も身につきます。
【学習】のシーンで自己肯定感を高める方法
3.部分的に注目して
たくさん褒めてあげる
テストでも宿題でも、できない問題があるとどうしてもそこに目がいき、否定的な言葉をかけてしまいがちですが、そういった言葉ばかりかけていると、誰でも不愉快な気持ちになるものです。本当は学習そのものではなく親の言葉が不愉快なのですが、脳が勘違いして「学習=不愉快なもの」という思い込みが出来上がってしまうことも。できない部分ではなく、できた部分に注目してみましょう。漢字であれば「この字がうまいね」、算数だったら「この問題は式があっているね」のようにです。すると、いくらでも褒められるようになりますよね。どうしても見直しをさせたい問題がある場合は、いくつか褒めたあとで「じゃあここだけ直してみようか」と伝えると、嫌な気持ちになることもありません。
4.学習におけるネガティブな感情に
ときには共感することも大切
「共感」は肯定語のひとつでもあります。「今日は宿題多いから嫌だなあ」「疲れたから宿題やる気がしないな」と子どもが学習を渋ることはよくありますよね。そのときに、「何言ってんの、やらなきゃダメよ」と言うのではなく、「そうだよね、宿題多くて大変だよね」「今日は疲れたよね」と共感してあげましょう。自分のネガティブな感情を肯定してもらえると、気持ちが安らぐもの。大人だってそうですよね。ほっとするし、穏やかな気持ちになる。「自分のことをわかってくれる」「理解してくれたんだ」と、大人に対する信頼感も高まります。
5.学習を渋っているときは
取っ掛かりのハードルを下げる
子どもが乗り気でなくても、どうしても学習させたいときはあります。そのときは、取っ掛かりのハードルをぐっと下げてみましょう。疲れているときはとくに、子どものやる気スイッチは入りにくいもの。そのうえ脳科学的には、やる気スイッチはやり始めてから入ると言われています。それではどう解決するのかというと、“とりあえず1問方式”。漢字ドリルを例にあげると「じゃあ1字だけ書こうよ」とか、算数プリントであれば「1問だけ解いてみようか」という風に。1字や1問なら、ハードルはすごく低い。「それくらいなら」とはじめると、自然とやる気スイッチが入るものです。
6.苦手なことは分析的に見ると
解決の糸口が見つかる
苦手な学習に直面した際、「うちの子は割り算が苦手なの」「数字に弱くて」で終わらずに「なぜ苦手なんだろう」と分析的に見ることが大切です。いちばんいいのはノートを見ること。ノートを開くと、その日の学校でのつまずきや、苦手なところがわかるものです。例えば「105‐8ができてなかった→繰り下がりがわからないんだ」「割り算が苦手→九九が不十分なんだ→九九の中でも7の段が苦手なんだ」と分析的に見ていくと、何でつまずいているかがクリアになります。つまずきに気づけば、そこを徹底的に教えてあげればいいだけ。算数はとくにちょっとしたつまずきが後々影響してきますから、より分析的に見てあげることが大切です。
【暮らし】のシーンで自己肯定感を高める方法
7.条件つきではなく
無条件に肯定を
冒頭でもお伝えした通り、自己肯定感とは、自分の存在を無条件に肯定できる感覚のこと。ですから、自分をまるごと肯定する言葉をかけられたときに、子どもの自己肯定感は大いに高まります。「生まれてきてくれてありがとう」「大好きだよ」「あなたはパパとママの宝物だよ」のように、無条件に肯定する言葉がけです。もちろん頑張ったときやできたときに褒めることも大切ですが、ある意味条件つきなので、それだけでは十分ではありません。ぜひ、無条件にその子の存在を肯定する言葉を日頃からかけてあげてください。
8.寝る前に肯定する言葉を
たくさんかけてあげる
寝る直前の感情は、就寝している間中ずっと続くことがわかっています。つまり、寝る前に子どもが幸せに感じる言葉をかけてあげれば、ハッピーな感情が何時間も続くということなのです。これは自己肯定感を高めるうえでとても重要。日本人は「愛してるよ」「大好きだよ」といった、自分の感情をストレートに伝えるのが苦手ですが、子どもと一緒にお布団に入り、前述したような言葉をどんどん伝えると、子どもはもちろん、大人もきっと幸せな気持ちになれるはずです。
9.自己肯定感を高める
「ほめ写」にトライ!
「ほめ写」とは、子どもや家族の写真を飾り、それを見ながらコミュニケーションをとる習慣のことです。勉強しているところや、トロフィーを持っている場面といった、頑張っているところや達成したときの写真を繰り返し見ると、「自分は頑張れるんだ」「達成できるんだ」という気持ちが自然と高まります。さらに大事なのは家族写真を飾ることです。「大切にしてくれる人がいる」「こんなに愛されているんだ」という、無条件に愛されているという実感が湧きます。そういう写真をスマホに眠らせておくのではなく、ぜひプリントアウトして日常的に繰り返し見られるようにしておきましょう。子どもと一緒に写真を選び、生活の動線上など、自然と目に入るところに飾っておくことをおすすめします。
最後にお伝えしたいのは、自己肯定感が高い低いには、生まれもった資質も影響しているということです。そこをきちんと理解したうえで、子どもの資質を、無理に変えようとはしないことです。無理に変えようとすると、ますます自己肯定感が下がりかねません。例えば用心深い子に対しては「慎重派でよかった」と思うところからはじめ、親が肯定的な言葉がけに徹しましょう。資質は生まれ持ったものですが、ポジティブな言葉を日常的にかけていくことで、自己肯定感は自然と養われていくものです。
INFORMATION
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