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    【うちの子いつもお口が開いてる?お口ポカンが招く健康被害】知っておきたい子どものこと Vol.14

    【うちの子いつもお口が開いてる?お口ポカンが招く健康被害】知っておきたい子どものこと Vol.14

    ふと気づくと子どもの口が開いている、鼻で息ができるのになぜか口で呼吸をしている……。このお口がポカンと開いている状態、実は自然に治すのは困難なのです! 放っておくとさまざまな影響が出るため、気づいたときに適切に対処してあげることが必要。口が開いてしまう理由から予防方法まで、歯科医の浜野先生にお聞きしました。
    教えてくれた人
    浜野美幸先生
    千葉歯科医院
    院長・歯科医師
    東京歯科大学卒業後、大学院で小児歯科学を専攻し、歯学・小児歯科学の博士号を取得。矯正治療や口腔外科をはじめ、歯科全般を経験。公益社団法人日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医指導医であり、同学会常務理事を務め、子どもの歯の健康に尽力。著書に「診療室で今日からできる!子どもの口腔機能を育てる本」(医歯薬出版)がある。
    CONTENTS
    1. 子どもの3人に1人がお口ポカン 自然に治らない厄介な症状
    2. 鼻で呼吸ができるのに口が開く その原因は?
    3. 放っておくと大変! お口ポカンが 子どもの健康に大きな与える!?
    4. お口ポカンを予防するには ていねいな生活を心がけることが大切

    子どもの3人に1人がお口ポカン
    自然に治らない厄介な症状

    日常的に口がポカンと開いている……。実はこの状態、口唇閉鎖不全と呼ばれ、口腔機能発達不全症のひとつ。何らかの理由で口が開いてしまい、それが習慣化してしまった状態で、2021年の 疫学調査によると、3~12歳の子どものうち、3人に1人の割合で発症していると報告されています。口を閉じることなんて簡単。そう思われがちですが、一度習慣化すると自然に治すのは困難だと言われています。 

    鼻で呼吸ができるのに口が開く
    その原因は?

    原因はさまざまですが、口呼吸もそのひとつ。風邪や花粉症で鼻が詰まって口で呼吸をするようになり、そのまま口呼吸が習慣化してしまったり、コロナ禍のマスク生活で、息苦しさからマスクの中で口が開き、その状態が定着してしまったり……。ほかには猫背などの姿勢の悪さも関係していると言われています。口が開くと必然的に舌が下がりますよね。舌が下がると喉のところの空気の通り道が狭くなって息がしづらくなり、息をしやすくするために、首を前に出して顎を上げる。姿勢が悪くなり舌が下がる……。この悪循環に陥ると、閉じた状態をキープするのが難しくなってしまうのです。

    放っておくと大変!
    お口ポカンが子どもの健康に大きな与える!?

    風邪を引きやすくなる

    鼻毛は異物の侵入を防ぐフィルター。鼻呼吸をすることで、自然と細菌やウイルスの侵入を防いでくれています。口で呼吸をすると細菌やウイルスが体内に入りやすくなりますから、風邪もひきやすくなるのです。 

    むし歯や口臭の原因に

    口が開いていると唾液が蒸発しますよね。唾液には洗浄・抗菌・保護の効果がありますから、口の中が乾燥すると、むし歯や歯周病のリスクも高まります。口臭の原因にもなるので、口の中は常に唾液による潤いで満たしておきたいところです。 

    歯並びが悪くなる

    歯並びには、口周りの筋肉や舌の位置が大きく関係していますから、口を閉じて舌の位置が正しい状態であれば、歯並びも整いやすくなります。口が開いた状態では上あごの成長が妨げられることがあるため、永久歯が生えたときに上あごに収まりきらなくなり、歯並びが悪くなってしまうことも。 

    食べることや顔立ちにも影響

    口が閉めにくくなると咀嚼にも影響します。噛む回数が少なくなったり早食いになることもありますし、口を開いているとよく噛めないため、食べるのに時間がかかったり、口の中にため込んだりと、食事のトラブルにもつながります。また、口周りの筋力低下にもつながり、噛む筋肉と表情筋の一部は一致していますから、表情筋の筋力も低下します。 すると表情が乏しくなったり、間延びしたような顔立ちになってしまうことも。 

    口が開いている!
    お口ポカンに気づいたときの対処法

    まず口を閉じた状態で鼻で呼吸ができるかどうかを確認します。苦しそうだったら、鼻や喉といった、空気の通り道が狭くなっているかもしれません。その場合は耳鼻科や小児科を受診しましょう。口を閉じて息ができるのに開いてしまう場合は、舌や口周りの筋力が低下していたり、歯並びによって閉じにくくなっている可能性が。その場合は歯科を受診しましょう。口腔機能発達不全症の検査と治療には保険が適用されるので、気になる場合はすぐに相談するのがおすすめです。 

    お口ポカンを予防するには
    丁寧な生活を心がけることが大切

    冒頭でお伝えした通り、口唇閉鎖不全の原因はさまざまですが、日常生活の中に潜んでいる場合も多くあります。舌や口周りの筋力低下を防ぐために、生活の中で少しだけ意識をしてみましょう。 

    よく噛む

    噛むことは口周りや舌の筋肉の運動に。3回噛んで飲み込む場合と30回噛んだ場合では、10倍も違いますよね。よく噛むことで味わって食べられますし、ごはんなどの炭水化物は、唾液の消化酵素によって、甘みを感じるようにもなります。よく噛むことは、口周りの筋力低下を防いで食事も楽しくなる一石二鳥の効果があります! 

    姿勢を正す

    冒頭でお伝えした通り、お口ポカンには姿勢も影響します。猫背になりがちな子どもは、背筋をピンと伸ばして、姿勢を整えることから始めてみましょう。 

    ぶくぶくうがい

    歯磨きシーンでのぶくぶくうがいも効果的。1~2回ぶくぶくしてペッと吐き出すのではなく、 口の中に水を含んだら、10回程度ぶくぶくぶく……。1~2回で吐き出すよりも、10回ぶくぶくした方が、10倍も筋肉を使うことができます。 

    にらめっこ

    口周りの筋力を鍛えるという点においては、「にらめっこ」のような昔遊びもおすすめ。「あっぷっぷ」の状態をキープすることで、表情筋だけでなく、口周りの筋肉も自然と使われます。子どもとのコミュニケーションにも! 

    口周りの筋肉を鍛える専門的なトレーニングもありますが、続かなければ意味がありません。姿勢をよくしたり早食いせずによく噛んで食べたり、丁寧な生活習慣を定着させることが、 お口ぽかんの予防につながります。 


    口唇閉鎖不全、いわゆるお口ポカンは、子どもの健康にさまざまな悪影響を及ぼします。ですから、早く気づいてあげることが大切。子どもは骨や筋肉の成長期なので、悪い生活習慣による影響が出やすいのですが、裏を返せば成長期であるぶん、日々の心がけよって改善することも可能。骨の発達を考えると、幼い頃に気づいてあげるのがベターですが、小学生や中学生になってからでも遅くはありません。悪い生活習慣がクセになると大人になっても続いてしまいますし、将来の健康にも影響するもの。早く症状に気づいてあげて、生活習慣を改善することが大切。ママパパも一緒に改善に取り組んでみましょう! 

    全国小児歯科開業医会監修!
    口も体も、くまなく動かせる
    「はっけよいアニマル体操」をやってみよう!

    口と全身をしっかり使った動きがバランスよく盛り込まれた健康体操。踊っているうちに、自然に口と体全般のさまざまな機能が向上!

    edit&text/Masayo Okegawa illustration/Chika Osawa
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