近年、カボチャの野外彫刻や、色鮮やかな連作絵画を発表し、幅広い世代に注目されるアーティスト、草間彌生(くさま・やよい 1929年生まれ)。
新潟市美術館は、国内美術館では最初期の回顧展「草間彌生 はじける宇宙」(1992年)や、近新作による個展「草間彌生 永遠の永遠の永遠」(2012年)により、その作品世界を大規模に紹介してきました。また、繊細な色彩が静かに滲み出してくるような初期パステル画《線香花火》(1952年)や、幅8.4m、高さ3.2mの大作《流星》(1992年)といった貴重な作例の収集も進めてきました。中でも、南魚沼市出身の版画刷り師、木村希八と共に取り組んだエッチング59点は、鉄筆で刻み付けた生々しい線描で自伝的テーマを表現し、他の素材・技法にはない「知られざる草間」を味わえる作品群です。
併せて草間と同じくアメリカ滞在により転機を迎えた他のアーティストたちの作品も並びます。
貴重な新潟市美術館のコレクションの数々をぜひご覧ください。
画像:草間彌生《南瓜(黄)》1984年、リトグラフ、新潟市美術館蔵