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    シングルマザーの友人と共同生活を開始! 新しい暮らしのかたちとは。

    シングルマザーの友人と共同生活を開始! 新しい暮らしのかたちとは。

    文筆家・セラピストの林 理永さんと養生家の鈴木沙苗さんは、お互いがシングルマザーになったことをきっかけに、神奈川・葉山で2家族の共同生活をスタートしました。同い年の母ふたりと4人の子どもたち。幸せを分かち合いながら、6人で日々の暮らしを紡いでいます。しなやかで自由な“新しい家族のかたち”を実践するふたりの母に、今の暮らしを選んだ理由や実現するまでに大変だったこと、一緒に暮らしてよかったことなどをお聞きしました。
    profile
    林 理永さん
    フリーランスの編集者・ライターを経て、文筆家/セラピストに。現在は、神奈川・葉山を拠点とし、心と身体を調える施術を行う一方、2025年、文筆家としてのキャリアもスタート。7歳、4歳の姉妹の母。
    Instagram:@riehayashi
    note:https://note.com/rieh
    profile
    鈴木沙苗さん
    泥療法士/セラピストを経て、現在は養生家/養生料理家としての活動を重きに置く。養生を季節とともに学ぶ料理教室『季(とき)-養生教室』、身体のバランスを知るためのグループ、パーソナルセッション『rhythm』を主宰する。 8歳女の子、6歳男の子の母。
    Instagram:@sanae_suzu

    共同生活を選んだ理由

    ―まず、おふたりの関係性を教えてください。

    理永さん:沙苗さんとは2020年に出会いました。私が2018年に立ち上げた、お母さんのための共同保育・共同教育を目指したコミュニティ『88PROJECT(ハハプロジェクト)』に参加してくれたことがきっかけです。当時、活動の一環として、お寺やオフィスを拠点に、子連れで集まり一緒に仕事をしたり、交代で子どもを見ながら仕事の時間を確保したりしていました。今の暮らしのベースになった考え方は、きっとこのときに育まれたものだと思います。

    沙苗さん:理永さんと出会い、共同保育というものを知ったとき、「楽しい!」という感覚がありました。理永さんが東京から葉山に引っ越したあとも、定期的に家族で遊びに行っていたんです。それで、私たちふたりが食事の準備や片付けで動いていることが多かったのですが、あまりにスムーズすぎて……。

    理永さん:冗談みたいに「私たち、一緒に住んだほうがいいかもね」なんて言い合っていたんです(笑)。

    ―そのころから心地よさを体感していたのですね。一緒に暮らすことになった経緯を教えてください。

    理永さん:私が2024年に離婚することが決まりました。それを沙苗さんに打ち明けたら、沙苗さんも同じようなタイミングだったみたいで……。

    沙苗さん:実はずっと葛藤していて。理永さんに相談したこともありました。

    理永さん:これからの暮らし方を模索しているなかで、沙苗さんと未来の話をするうちに、“一緒に住む”という選択肢が現実味を帯びてきました。私たちはお互いがシングルになる以前から、子育てのことだけでなく、生い立ちや生活のこと、仕事、社会に対する価値観、そして未来のことまで、たくさん対話を重ねてきた深い関係性。共同生活のイメージも、ごく自然に、少しずつ固まっていったような感じです。そこから新生活に向けて、ひとつずつ準備を整えていきました。

    ―共同生活をスタートさせるまでに大変だったことはありますか?

    理永さん:今、私たちが住んでいる家は賃貸で、知り合いを通じて紹介してもらいました。それぞれの家族の空間が確保できるうえ、私たちの活動であるセラピーや養生のセッション、料理教室やワークショップなど、多目的に使えるようなつくりになっていて、まさに理想的な間取り。とはいえ、シングルマザーが家を借りるのは、まだまだハードルが高いというのが現実です。ギリギリまで審査が通るかわからなかったのですが、不動産屋さんが頑張ってくださって、無事に借りることができました。

    ―それ以外に、葛藤や不安はありましたか?

    沙苗さん:確かな信頼関係を築いていたので、お互いを尊重し合えて、気を張らずにいられる相手だということは間違いありませんが、家族としての背景は違うので、そこについてはたくさん話をしました。ママとしてじゃなくてひとりの人間として、理永さんを応援したい、大切にしたいと思っているから、この暮らしを始めることに大きな抵抗はなかったのかなと。

    理永さん:そうなんです。私にとって沙苗さんはママ友というより、ある一定の期間、人生を共にする同志のような存在。不安というより、課題はありましたし、今もあります。ふたりで一緒に乗り越えている最中だと思っています。

    母ふたり+子ども4人の日常

    ―共同生活について、最初お子さんにはどう伝えましたか?

    理永さん:私は離婚のとき、子どもたちには「お家がふたつできるよ」と伝えました。共同生活をスタートするときも、「あの家に、みんな(沙苗さんと沙苗さんのお子さん)で住むの、どう思う?」と聞いたら、「楽しそう!」って。意外とすんなり受け入れてくれていたような気がします。

    沙苗さん:離婚のことも、東京都内から葉山に引っ越しすることも、ストレートに伝えました。もともと息子も「海のそばに住みたい」と言っていたくらい、うちの子どもたちにとって、葉山という場所はとてもポジティブなイメージだったんです。子どもたちは柔軟に受け止めてくれたように思います。

    理永さん:今では、子どもたち4人で新しい遊びを生み出したりして、仲よく遊んでいるんですよ。きょうだい同士だとすぐ喧嘩になりそうな場面でも、クッションのような関係性ができているみたい。また、親子関係も同じで。娘たちについ感情的になってしまう場面でも、沙苗さんが間に入ってくれることで、私も冷静になれる気がします。一緒に住んでいるから家族だけど、二世帯だからこそのいい距離感が生まれているのかもしれません。

    沙苗さん:以前までは感情のままに怒ってしまい、ぐったり疲れてしまうことも。今は子どもたちとも落ち着いて話ができるようになり、心に余裕ができた気がします。とにかく4人のキャラクターと私たちの個性が濃ゆくて! 毎日コントみたいなんです。

    ―日々のスケジュールはどうやって調整していますか?

    沙苗さん:子ども中心のスケジュール管理です。「この日、東京で仕事なんだけど、家にいられる?」みたいに、予定ができたらさっとシェアして、すぐに調整しちゃいます。

    理永さん:どうしてもふたりの間で調整できないときは、パパや近所の友だちにコンタクトをとって、誰か家にいてくれる人を探すときも。これから子どもたちの成長に合わせて、柔軟にライフスタイルを調整していくのかなと思います。

    ―同居するうえで、2家族同士の価値観をすり合わせたことはありますか?

    沙苗さん:私は「衣食住を整えると、心と体も整う」という考えのもと、養生家として暮らしの整え方を伝える活動をしています。起床や就寝時間、食事の時間などの生活リズムをとても大切にしていて、特に子どもたちには、細胞がいちばん活性化して成長できるように、睡眠や食事をしっかり整えてあげたいと思っているんです。理永さんや理永さんの子どもたちも、わが家のリズムにゆる〜く寄り添ってくれています。

    理永さん:私は、仕事に集中するとつい食事や睡眠を後回しにしてしまうタイプ。でも沙苗さんがそばにいると、自然と暮らしのリズムが整っていきます。子どもたちのおやつの時間も決まり、寝る時間も早くなりました。

    ―共同生活で助けられていることはどんなことですか?

    沙苗さん:もちろん、家事や育児を分担できるのもありがたいけれど、それ以上に、日々のできごとや気づいたことをその場でシェアできることに救われています。ちょっと聞いてほしいな、という何げないひと言にも耳を傾けてくれるんです。ふたりとも探求するのが好きなので、正解のないテーマについて延々と話し込んでしまうこともありますね。

    理永さん:暮らしのなかで何か課題が出てきたとき、乗り越えるための解決策を話し合えることが心強いです。生活のパートナーでありながら、仕事仲間のような感覚もあります。お互いの得意・不得意を理解していて、「ここは私がやるね」「こっちはお願い」と、自然に役割分担ができています。

    沙苗さん:たとえば、私は数字を追うのが苦手なのですが、彼女のほうが予算やスケジュール管理が得意だったりして。得意なことでお互いを補い合っている感じです。

    理永さん:それと、私たちは子どもたちのことを最優先にしながら、守りたい生活リズムを大切にしつつ、自分自身のやりたいことについても注力しています。日常の些細なことも、将来のことも、「どうしたら実現できるか?」って、いつも話し合っているんです。その温度感や視線の方向が同じだからこそ、成り立っている暮らしでもあるのかなと。

    ―お互いを尊重して、支え合う関係性が伝わってきました! 共同生活で、好きな時間はありますか?

    理永さん:週末は子どもたちがパパのところに泊まりに行っていることが多いので、土曜日の夜にふたりでゆっくりお酒を飲んだり、友だちを呼んで大人だけで過ごす時間かなぁ。ある日曜日の朝、起きたら沙苗さんがおいしいパンケーキをつくってくれていて感動……! 優雅な朝を過ごしました。

    沙苗さん:私も同じです。あと週末の夜はおばんざいスタイルにして、友だちが子ども連れで遊びに来てくれることも。葉山に引っ越してきてから、そういう賑やかな時間が増えて楽しいです!

    これからやりたいことは?

    ―早くもSNSで注目されているおふたりの新生活。これからチャレンジしてみたいことはありますか?

    理永さん:スタートしたばかりのYouTubeやInstagramで、共同生活の様子を発信していく予定です。あとは、私自身が執筆活動をしているので、この暮らしをエッセイで残していけたらと。まだまだ世のなかには「シングルマザーは大変」というイメージが根強いと感じていて、「こんなに楽しく暮らしているシングルマザーたちがいるよ!」って、たくさんの人に知ってもらえたら嬉しいですね。暮らしだけではなく、私たちは『SHU KA』というユニット名で、心と体にアプローチするためのプロジェクトも始めたので、それぞれで行っていた活動をコラボさせていくのも楽しみです。

    沙苗さん:私たちの存在が、世のなかのお母さんたちの希望になれたらいいなって思っています。もちろんシングルマザーの家庭に限らず、パートナーと協力し合っているご家庭でも、シングルファザーのご家庭でも。私自身、葉山に引っ越してきたとき、「自分の人生をどう生きるか」ということに、もっとフォーカスしようと決めたんです。「こんな選択肢があるんだ」「もっと自由に選んでいいんだ」と、思ってもらえたら。

    理永さん:「どうすれば自分らしく、心地よく暮らせるか?」ということを軸にすれば、当たり前のかたちにこだわらなくてもいいのかなと。自分の人生を大切に考えたときに、もしも理想のかたちがあるのなら、一歩踏み出してみてもいいんじゃないかな、と思っています。


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    photography/Kousuke Matsuki text/Riho Abe
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