ポンタとポコタは本当に仲良し
見ていてとても気持ちがいいんです
―『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』のオファーが来たときの心境を教えてください。
福徳:僕たちはタヌキのポンタとポコタという、仲良しブラザーズを演じるんですが、本当に僕たちが「プリキュア」の世界に入っちゃって大丈夫なのかなというプレッシャーがありました。なにより、声優の経験がなかったので、すごく難しかったですね。
後藤:僕もすごく難しかったです。監督からは「今ちょっと元気がなかったですね」「もうちょっと声のトーンを上げましょう!」など、逐一アドバイスをもらいながら、調整しつつ演じていきました。
福徳:共演した長縄まりあさん(キュアワンダフル/犬飼こむぎ役)に、「声優って難しいですね~」と話したら「いやいやいや!」って言っていて! そのときに、僕たちも「よくコントのセリフを覚えられますね」と言われたときに、「いやいやいや!」と同じリアクションをしていることに気づいたんです(笑)。改めて、職業ごとにプロフェッショナルがいることに気づきました。これからは「コントって難しくないですか?」って聞かれたら、「そう! 難しいでしょう!?」って言うようにします(笑)。
後藤:長縄さんの声の出し方は、本当にすばらしくて、改めて僕たちがちゃんとできているか心配になったんです。でも監督さんから「今のバッチリでした」と言ってもらえたものを使っているので、それでいいんだと無理やり納得しています(笑)。
―おふたりが演じたポンタとポコタの魅力はどんなところにあると思いますか?
福徳:ポンタとポコタは(ふたりの親分である)ムジナ様のために奮闘するんです。もし師匠がいて、弟子がふたりいたとしたら、師匠により気に入られるためにお互いバチバチしそうなものなのに、このふたりは本当に仲が良くて、出し抜こうなんて考えてもいないんです。しかも目的が一緒なので見ているとすごく気持ちがいいんですよ。
―やはり弟子同士はバチバチするんですか?
福徳:これまでいろんな世界を見てきて、バチバチする方が多いような気がします。
―おふたりにとって、ムジナ様のような師匠はどなたなのでしょうか。
後藤:僕たちが通っていた関西大学の講師として来てくれていた桂文枝師匠は、常々声をかけてくれますし、僕たちの名前もいろんなところで出してくださっていて。そのたびにすごく嬉しい気持ちになるので、僕たちもいつか師匠のような存在になりたいとは思うんですが……。
福徳:いかんせん、貫禄がないんですよね(笑)。今僕たちは、子どもの頃に見ていた文枝師匠の年齢に近づいているのに、ずっと若手のような感覚なんですよ。
後藤:やっぱり、Tシャツ短パンはやめないとダメかもしれないですね(笑)。
福徳:着物を着たら、なんとか風格が出るかもしれない!
後藤:確かにな~。いつかポンタやポコタのような可愛い後輩ができたら嬉しいですね。
子どもの頃の映画館体験は一生の宝物。
僕も映画の帰りの売店で買ってもらった
下敷きを大切に持っています
―おふたりが思う今作の魅力を教えてください。
後藤:敵も味方も関係なく、みんなでがんばるシーンがあるんですが、そこでポンタとポコタは、自分の気持ちに忠実に、本気でがんばるので、すごく可愛いんです。
福徳:それに、今作が映画館デビューとなる子どもたちもたくさんいると思うので、ワクワクしながら見てもらえたら嬉しいですね。僕も、小さな頃に親と映画館に行ったことをすごく覚えているんです。やっぱり映画館に行くのはすごく特別ですし、一生覚えているんだろうなと思っていて。その時は『ドラゴンボール』を観たんですが、帰りに買ってもらえたグッズの下敷きは今も実家に大切に保管してあります。
―素敵なお話ですね! プリキュアは、みんなを助けてくれる存在ですが、こんなヒーローがいたらいいなと思う人はいますか?
福徳:電車の中で泣き止まない赤ちゃんを抱っこしながら必死にあやしているママさんを見かけたんです。そしたら、赤ちゃんの視界に入る場所に座っていたおじいさんが、マスクをずらしてベロベロベロって舌を出してあやし始めたんですよ。赤ちゃんはそれを見て、恐怖なのか驚きなのか、ピタッと泣き止んだんです。不思議に思ったママさんが振り返ると、おじいさんはマスクをして知らん顔をしていて(笑)。あんなさり気ないおじいさんがいっぱいいたら、街は平和なんだろうなと思いました(笑)。
―福徳さんもそんな状況に立ち会ったらできますか?
福徳:いや~! あのおじいさんのベロベロは、百戦錬磨感があって、これまで何人もの子どもを泣き止ませてきたと思うんです。これは僕も練習していかないといけないなと思いました(笑)。
後藤:僕は寝る前に、布団のなかで子どもにオリジナルの物語を聞かせているんです。ただ、1話目がおもしろすぎて、2話からどうしても尻つぼみになってしまっているんですよね。子どもも、“1話のおもしろさは超えられない”みたいな雰囲気を醸し出しているので、どんどんおもしろくなるオリジナルの物語のつくり方などを教えて欲しいです(笑)。
―お子さんが自分に似てきたなと思うことはありますか?
後藤:この前、子どもが「小学校ではすごいおもしろいっていわれるのに、家ではそのおもしろさが出せない」とボロボロ泣いていて……。
福徳:すごい貪欲やな。
後藤:その泣き顔を見て、もっと笑ってあげないといけないなと思いました(笑)。
―では最後に読者にメッセージをお願いします。
後藤:今作を見るのは女の子が多いとは思いますが、関係なく、男の子も見に来てほしいですね。絶対におもしろいですし、そこでクラスの女の子とばったり会って、気恥ずかしい小話が生まれたり……(笑)。思い出をつくりに、見に来てもらえたら嬉しいです!
映画のカギとなるキャラクターであるポンタとポコタを演じたジャルジャルのおふたり。見るほどに愛らしく、可愛らしいポンタとポコタが力を合わせてがんばる姿を、ぜひ映画館で応援してください!
現在、絶賛放送中の大人気テレビアニメ『わんだふるぷりきゅあ!』の劇場版。人気ゲーム『ドキドキ・タヌキングダム』で遊ぶために集まったこむぎたち。みんなが仲良くゲームで遊んでいたところ、突然あやしいタヌキがいるゲームの世界に吸い込まれてしまう。ジャルジャルのふたりはゲームの世界に登場するポンタとポコタを演じる。9月13日(金)公開。