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    コンプレックスを受け入れるには?【子どもとルッキズム│持っておきたい声かけ手札vol.1】

    コンプレックスを受け入れるには?【子どもとルッキズム│持っておきたい声かけ手札vol.1】

    読者ママへのアンケートによると、子どもの口から「整形したい」「体毛が気になる」といったトピックが出ていることがわかりました。小さな子どもたちがこれから社会をサバイブしていくにあたりさまざまな場面で出会うことになるであろう「ルッキズム」。親として何ができるでしょうか? 美容をメインにフェミニズムやジェンダーなどに関する発信を行うライターの長田杏奈さんを迎え、読者から寄せられたモヤエピソード・お悩みにアドバイスをもらいました。
    教えてくれた人
    長田杏奈さん
    ライター
    大学卒業後、ネット系企業の営業や週刊誌の編集を経て、フリーランスの美容ライターに。「美容は自尊心の筋トレ」をモットーに、女性誌やWebメディアなどで多くの記事を執筆。著書に『美容は自尊心の筋トレ 』(Pヴァイン)がある。ふたりの子どもを子育て中。
    Instagram

    “子どもとルッキズム”のリアル
    読者ママにアンケート調査!

    お子さんは、自身の見た目について気になることや悩みがありますか?

    この質問に、42%のママがYESと回答。気になり始めた年齢は「5歳(年長さん)くらいから」がボリュームゾーンで、次いで「6〜11歳(小学生)から」が多い結果に。今はまだ小さくて見た目を気にする様子がなくても、いずれ悩んでしまう日が訪れたら、親として何ができるでしょうか? 美容をメインにフェミニズムやジェンダーなどに関する発信を行うライターの長田杏奈さんにASK。

    人はなぜ容姿を気にするのか?

    まず、大前提として、社会はめちゃめちゃルッキズムに溢れていて、ルッキズムにとらわれずにいる方が難しいということを、親が心得ておくといいのかなと思います。親がどれだけ気をつけていても、親戚や先生、周りの大人たちが、人を外見で判断したり、外見で優劣をつける発言などをして、子どもに影響を与えている場合がありますし、インターネットやSNS、テレビ、広告などの影響も大いに関係しています。また、容姿に注目を集めることが経済的価値を持つ仕組みもあり、ルッキズムの問題は社会に深く根付いているのは事実です。

    そもそも人はなぜ、容姿を気にするのか。以前、脳科学者の先生に取材したとき「人間は自分の顔を見るとドーパミンが分泌される」とおっしゃっていました。逆に、自分の魅力がダウンしたと感じると、ストレスを感じる扁桃体が刺激されるとも。生き物として本能的に見た目を気にしたり、とらわれるのは仕方のないこと。また、成長の過程で自分の見た目が気になることは悪いことではなく、他者を意識したり、社会に適応しようと試行錯誤するひとつの段階とも言えるので、「見た目のことばかり気にしていてはダメ! 」と責めたり、「子どもがルッキズムにとらわれている……」と必要以上に悩まなくていいと思います。

    ただ、子どもが過度に外見を重視するようになって、自己肯定感が下がったり、人の価値を容姿で判断したり、「見た目がすべて」にならないように、幼いうちからルールづくりはしてもいいのかなと思います。

    私が大事だと思うことは3つ。

    「見た目の悪口を言わない、見た目を比べない、見た目で決めつけない」

    まず、1つめの「見た目の悪口を言わない」についてですが、自分の外見を気にすることと、人の外見について悪く言うのはまったくの別のことで、してはいけないということを教える。
    百歩譲って心のなかで思うことは仕方ないとしても、口に出さないということを約束するといいと思います。

    2つめの「見た目を比べない」については、無闇に誰かと誰かの見た目を比べて優劣をつけないことを伝える。「お姉ちゃんは色が白いのに、妹の◯◯ちゃんは肌が黒いんだよね」とか「お友だちの中で◯◯ちゃんだけ地味」など、悪意なく言ったとしても、その言葉が人を傷つける可能性があることを教える。また、「◯◯ちゃんより背が高くてかっこいいよね」と相手を褒めているつもりで言ったとしても、居心地悪く感じる人もいるので、人の見た目を比較して優劣をつけて口にしないように徹底するといいと思います。

    3つめは、「見た目=性格、能力」ではないことを理解してもらう。たとえば、太っている人に対して「怠け者」、「健康に気を遣っていない」といった偏見が持たれることがありますが、体質や生活環境などの影響もあるわけだし、体型だけでどんな人かなんてわかりません。見た目の刺激は強いけれど、すべてがわかるわけではない。

    こうした3つのルールをもとに、人にはいろんな側面があること。いろんな魅力があること。多様な美しさや価値観があり、外見ばかりに偏らず、行動や言葉や雰囲気などもっと多面的に相手を見るようにできたらいいのかなと思います。

    ママ読者の疑問&お悩みに
    長田杏奈さんがアンサー!

    Q.個性として受け入れられるようになるには?

    「成長過程で自身の体に興味を持つのは自然なことだと思うのですが、周りと比較してマイナスなジャッジをするのではなく個性として受け入れる思考を養っていくには、日頃どんなことに気を配るとよいでしょうか」(6歳女の子のママ)

    「今後成長していく過程で気になる部分は絶対出てくると思います。自分を受け入れられる声かけなどあれば知りたいです」(5歳男の子のママ)

    A.ピントを外し、トータルで見る練習を

    一部分にフォーカスせず、トータルで見る練習をするのはどうでしょうか? 「雰囲気があっていい顔だね」とか「髪と顔のバランスがいい! 」など。「こんなに素敵なんだから、一部分を気にしなくていいんじゃないかな? 」と、ピントを外す工夫を。また、子どもが悩みを吐露してきたとき、一度で解決しようとせずに、いろんなタイミングで子どもを褒めたり、「がんばり屋さん! 」「やさしいね」と言葉を積み重ねていくことが、外見以外の魅力について自信を持ったり、自分なりの軸を持つきっかけになるんじゃないかと思います。

    Q.子どもが悩みを吐露してきたら?

    「子どもの悩みに対して『チャームポイントだから気にしなくていいよ!!︎ 』と伝えていますが、ほかにどんな言葉をかけてあげられたら素敵でしょうか? 」(11歳女の子、5歳男の子ママ)

    「歯列について気にしているようで、もしお友だちに何か言われたときのダメージは大きそうで心配です。かと言ってまだ歯が生え揃っているわけでもないので矯正は勧められず、どうにかポジティブな気持ちを保つにはどう声かけするのがよいでしょうか?」(12歳男の子、8歳女の子、5歳女の子ママ)

    A.気持ちをしっかり受け止め、自己肯定感を育てる言葉をかけて

    まず、具体的に気にしていることがあれば「私はあまり気にならないけど、◯◯ちゃんは気になるんだね」などと違う見方があることを伝えつつ、子どもの感情を否定したり、批判せず、寄り添う。もし、他人と比べて自分が劣っているように感じているようだったら、人と比較せず、自分の長所に意識を向けられるよう、具体的にいい部分を褒めてあげる。「◯◯ちゃんの笑いのセンス、ヤバい! 」とか「前向きなところがいいよね! 」とか。もし見た目が気になって、学校に行くのが憂鬱になったり、鏡が見られないようになるようだったら、どうしたら心の負担が減るか、話し合いを。専門家の間では、単なる悩みか病なのかのボーダーラインとして「日常生活に支障をきたしているかどうか」を目安にするそう。日常がままならないほど深刻な場合は、カウンセリングを受けてみるのもおすすめ。

    子どもが見た目について悩んでいるとき、「そんなことないよ、可愛いよ」と言っても「親は自分の子どもだから、可愛いと言うに決まってるんだ」とか「どうして私の悩みをわかってくれないんだ」と感じるかもしれません。ただ、親の声かけがまったく意味がないとは思いません。親のひと言で子どもの悩みをすべて消去できるわけではないけど、意地悪な目で見られない安全な場所があることを子どもに知ってもらうことは大切だと思います。

    text/Mariko Uramoto photography/Toi Kamimura illustration/Kei Nagayama 
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