子どものスポーツ活動を
支援する助成プログラム
『KARADAKARA』とは?

ナイキと読売巨人軍が、特定非営利活動法人 日本NPOセンターの協力のもと、子どもたちがもっと楽しく、自由に体を動かせる環境づくりを応援する新しい助成プログラム『KARADAKARA(カラダカラ)』を始動しました。
「未来に必要な力は、“体”から育っていく」という想いのもと、主に東京都内で活動する非営利の子ども向けスポーツ団体をサポートするというもの。
スポーツ庁の調査(2024年度)によると、週に1時間も体を動かしていない小学生は男子9.1%、女子は16.0%。中学生になると男子9.7%に対し、女子は21.8%と、女子の運動不足はより深刻な問題に。また、途中でスポーツをやめてしまう子どもの割合も、女子は男子の約2倍にのぼるというデータもあります。
また「女の子が楽しくスポーツを続けられる場所が少ない……」などの声もふまえ、『KARADAKARA』では、特に女の子たちがスポーツに親しみやすく、無理なく続けられるような環境づくりを目指しているそうです。
スポーツといっても、競技だけでなく、ストレッチやヨガ、ウォーキング、ゲーム感覚でできるような運動など、さまざまな活動を含むところもポイントです。
そんな本プログラムに賛同するのは、さまざまな分野で活躍している4名の女性たち。読売ジャイアンツの田中美羽選手、パリ五輪金メダリストでブレイクダンサーのAMI(湯浅亜実)さん、人気タレントのイモトアヤコさん、レストラン「été(エテ)」オーナーシェフの庄司夏子さんがロールモデルとして参加しています。
「まずはいろんなスポーツに
触れてみることが大切」
ロールモデル3名にインタビュー

2025年3月28日に行われた日本プロ野球の開幕戦には、ロールモデルのイモトアヤコさん、田中美羽選手、庄司夏子さんの3名が登場し、ファーストピッチを行いました。始球式後に、3名にインタビュー。
―これまでのスポーツの経験が、今のご自身にどんなふうに役立っていると感じますか?
イモトさん:「中学時代は陸上部で短距離をやっていたのですが、それが今の仕事につながっていると感じます。仕事では過酷なことや大変な場面も多いのですが、小中高と厳しめの運動部に所属していたことで、自分を鼓舞する力が身につきました。体的な強さだけでなく、精神的にもとても役立っていると思います」
田中選手:「ひとつは、スポーツを通して“できなかったことができるようになる喜び”をたくさん感じられたことです。諦めずにチャレンジし続けて目標を達成する、そんな成功体験はスポーツから学びました。もうひとつは、野球を通じて多くの人に出会えたことです。チームで目標を達成する喜びを分かち合えたこと、そしてその出会いのひとつひとつが、今の自分につながっていると実感しています」
庄司さん:「私は中高時代、テニス部に所属していました。部活動は目上の人と接する最初の場でもあると思っています。特に運動部は上下関係が厳しいところも多いですよね。将来、社会に出たときに求められるのは、上司やお客さまとのコミュニケーション力や交渉力など『人と関わる力』だと思います。それは、自分の目標を実現するうえで欠かせないもの。私は、部活動の人間関係のなかで多くのことを学びました」
―「KARADAKARA」について、皆さんの今のお気持ちをお聞かせください。

イモトさん:「とても素晴らしい取り組みだと思います! 運動とひとことで言っても、そのスタイルや楽しみ方は本当にさまざま。野球やテニスのような球技もあれば、陸上競技もありますし、ダンスも運動ですよね。それぞれまったく異なる魅力があります。だからこそ、ひとつの競技で『運動が苦手……』と思い込まずに、まずはいろんなスポーツに触れてみることが大切だと感じています。『KARADAKARA』は、そうしたスポーツと触れる機会を後押ししてくれる、とてもよいきっかけになると思います」
田中選手:「率直にとても嬉しい気持ちです。私はたまたま出会ったのが野球でしたが、『楽しい!』と思えるものであれば、どんな競技でもいいと思っています。そして、スポーツを始めたからといって『選手にならなきゃいけない』『たくさん練習しなきゃいけない』と心配する必要はありません。もっと気軽に、ハードルを下げて、『ちょっと歩いてみようかな』くらいの感覚でいいと思うんです。小さな一歩でも、まずは体を動かすことを楽しんでみてほしいです」
庄司さん:「学校生活や受験など、勉強に集中しなければならない時期はきっと誰にでもあると思います。だからこそ、こういうプロジェクトは運動と出会うきっかけにもなります。しばらく離れていた子にとっては、運動を再開するいいタイミングにもなるのかなと思います」
―「運動が苦手」という子に対して、どんなふうにサポートをしたらいいと思いますか?

イモトさん:「母には『15分でいいから歩こう!』と声をかけて、歩くことを習慣にしています。でも、スポーツって体を動かすことだけじゃなくて、試合を観戦してみるということもひとつのきっかけになる気がしています」
田中選手:「“できない”という記憶は、スポーツから遠ざかってしまう原因のひとつ。だからこそ、何よりも楽しむことが大切だと感じています。難しい動きができなくても大丈夫です。『あとでおいしいものを食べるために、ちょっと歩いてみよう』とか、ハッピーになれる体験を重ねていくことで、少しずつ苦手意識がなくなっていくのかなと思います」
庄司さん:「特にウォーキングは、初期投資もいらず気軽に始められます。『この前歩いたら気持ちよかったから、今度は走ってみよう』と、ランニングに発展することもありますよね。自分の生活の延長線上で体を動かしてみるのが、いちばん自然で続けやすいと思います。また、友だちや身近な人と一緒に始めることも、運動を続けるためのいいきっかけになるのかなと」
―ご両親や先生など、周りの大人からの心に残る応援やかけられて嬉しかった言葉はありますか?
イモトさん:「高校時代はハンドボール部に所属していました。顧問の先生はとても厳しい方だったのですが、今でも忘れられない出来事があって。夏休みに、若気の至りで髪を茶色に染めてしまったんです。当然学校では問題になったのですが……あれだけ怖かった顧問の先生が、『イモトは毎日一生懸命練習していた。きっと日焼けで髪が脱色しただけだ』と、ひとりだけ私をかばってくれたみたいなんです。先生がかばってくれたことを知って、とても反省して、すぐに髪を染め直しました(笑)。先生がそんなふうに味方でいてくれたことが本当に嬉しくて、今でも心に残っています。また、両親はいろんな面でサポートしてくれました」
田中選手:「私はこれまで、女子野球を続けるべきか、それとも他のスポーツに挑戦すべきか、という選択に何度も直面してきました。そんなとき、両親はいつも『自分がやりたいことをやったらいいよ』と背中を押してくれました。その言葉があったからこそ、私は今もこうして野球を続けられているのだと心から感謝しています。また、両親は今でもたくさん試合を見に来てくれます。私が出場していない試合でも応援に来て、チーム全体を見守ってくれていることが本当に嬉しいです」
庄司さん:「私は割かし自由にさせてもらっていたので、あまり応援されていたという感覚はありませんでした。けれど今振り返ると、そうやって好きにやらせてもらえたこと自体がひとつの応援だったのかなと思うんです。もちろん、親御さんが子どもの学びや習い事に積極的に関わることも、素敵な応援のかたちです。その一方で、子どもを信じて見守ることも応援。今の私はありがたいことに、料理の仕事をしながらファーストピッチの機会をいただくなど、さまざまな経験を積ませてもらっています。両親のそんな応援があったからこそだと感謝しています」
―最後にイモトさんにお聞きします。息子さんにどんなスポーツをやらせたいなど、今のスポーツに対する気持ちを教えてください。

イモトさん:「実は今日、息子も試合を見に来てくれました! ファーストピッチを投げる私の姿を見せられたことも、きっとよい経験になったのではないかと思います。息子が何に興味を持ち、どんなことが向いているのかはまだわかりません。だからこそ、いろいろなことに触れさせて、自分で好きなものを選べるようになってほしいと思っています。できるだけたくさん、一緒に体を動かす時間を持てたら嬉しいですね」
上手にできるかどうかよりも、まずは心から「楽しい!」と思う気持ちがいちばん。お気に入りのスポーツに出会えることは、心の成長や自信にもつながります。そしてその時間は、友だちや家族との大切な思い出にもなっていくもの。
子どもたちの健やかな成長を願って生まれた本プロジェクト。「わが子の初めてのスポーツ体験を応援してあげたい!」そんなママたちの気持ちにも、きっと寄り添ってくれるはず。
「KARADAKARA」の応募方法や詳細などについてはHPから。ぜひチェックしてみては。
応募受付期間:2025年3月28日(金)〜5月15日(木) 17:00締め切り
(問)KARADAKARA助成プログラム 事務局
(特定非営利活動法人 日本NPOセンター 担当:上田・千代木)
メール:karadakara.josei@jnpoc.ne.jp
電話:03-3510-0855(平日10:00~17:00)