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    子連れデンマーク旅【後編①】ヘアメイク・村上 綾さん“学びの旅”

    子連れデンマーク旅【後編①】ヘアメイク・村上 綾さん“学びの旅”

    お子さんを出産して、日本の子育てや環境について考えることが増えたというヘアメイクの村上 綾さん。それならば、子育てがしやすいというデンマークで実際に生活してみようと思い立ち、約1ヵ月間にわたって2歳の息子さんと旅に出ることに。後編①は、森の幼稚園一日体験入学、ホームステイについて綴ってくれました。
    CONTENTS
    1. ■森の幼稚園一日体験入学
    2. ■ホームステイについて

    子連れデンマーク旅【前編】はこちらから!

    森の幼稚園一日体験入学

    まずは電車とバスを乗り継いで行った自然豊かなシュタイナーの森の幼稚園。
    着いた瞬間から、可愛くて私はとてもテンションが上がりました。

    入ってすぐの子どもたちの荷物置き場。ハンガーが枝でできていて可愛い。ライトも。

    早速園庭に出てみました。

    あちらこちらにあるリンゴの木、5月は花だけでリンゴはなっていませんでしたが、リンゴがなっている季節は好きな時間に好きなだけ自分でとって食べていいようです。すばらしい……!

    息子と同じくらいの歳の子も好きに登っています。それに関しては先生は見ていましたが年中さんくらいの子たちに関してはどれだけ高い木に登っていても、先生はまったく見ていません(笑)。
    預けている以上、常に親の自己責任の環境なんだなと感じます。

    園庭の真ん中には大きな砂場、そのまわりに敷き詰められている木のチップ。
    ふかふかで転んでも痛くないですし、いろんな公園でも木のチップがたくさん敷き詰められているのを見ました。

    お昼ごはん、「焚き火をしてみんなで囲んでピザを食べるよ」と言われたけれど息子は入っていかず、離れた場所でみんなの様子をチラチラ見ながらひとりでお砂クッキング。ずっと観察をしていました。
    すると先生が「ピザ焼けたから食べる?」と持ってきてくれました。

    このピザが本当においしくて感動、そして生パプリカと生キュウリのおいしさを知る。
    おかわりまでして、ここから息子は心を許し始めます。
    このパプリカとキュウリ、本当においしかったなぁ。これのおかげで生の野菜を日本に帰ってからも食べるようになりました。子どもの順応性ってすごいですね。

    幼稚園のお部屋の中も可愛い。

    そしてお昼寝は外で寝ていると聞いていたので、見てみたかったお昼寝の場所。
    レストランやカフェ、床屋でも外にベビーカーが出ていて、その中に赤ちゃんが寝ている光景を何度か見てはじめはびっくり。でも外の空気を吸って寝ることが健康とされていて、とても共感できるしおもしろくて可愛い光景でした。

    お庭を散策していると、「なんか誰かの泣き声が聞こえてくるねー」って行ってみたら、5歳くらいの男の子が芝草の上に座って、悲しそうな顔をしてひとりで座って泣いていました。
    そしたら息子が芝草を両手に持って、すごい笑顔で走ってその子に投げつけにいった。
    するとその泣いていた男の子は「何この子?」みたいな感じで笑顔になって、急にふたりで遊びだしました。その子は最後も笑顔で「バイバーイ!」ってドアの方まで来てくれて、デンマーク語でなにか言ってくれたけれど分からず……
    このふたりのやり取りを見ていて、仲良くなることに言葉も人種も年齢も関係ないなぁと改めて心が温かくなる光景でした。

    そしてこの芝草のクッションで埋めつくされた場所は、メディテーションができる、ひとりになれる場所なのだそうです。
    真似したいと思えるところがいっぱい、とても豊かな時間を過ごせました。

    ホームステイについて

    そして2週間お世話になったアパートを離れて、コペンハーゲンの首都からKogeという郊外へ。
    ホストファミリーのLeneとJesperがお迎えに来てくれて、車で向かっている途中から変わっていく景色。Kogeという町に着いたときからこんなところに住みたいと思いました。

    家に着くと可愛いベットメイキングが。そしてふたりの子どもたちが昔使っていたオモチャを出して迎え入れてくれました。そのオモチャも新品かのような状態で、ずっと大切にされてきたことを感じます。

    ふたりのお家はもう素敵が詰まっていました。
    結婚した当初から住んでいるお家だそうで何年か前に自分たちでフルリフォームしたらしく、その完璧ぶりにも驚きでした。

    そしてLeneとJesperはものすごく料理上手で、おいしすぎるごはんをフルコースで朝、昼、晩用意してくれました。そして息子にもまったく同じものを。

    もう毎度感動で、「うちはシェフがふたりだから♡」なんて言いながら準備してくれて、なんて素敵なんだと思いました。

    夜はロウソクを灯しながら毎晩一緒にワインを飲み、たくさん話しながらごはんを食べました。
    「毎日昼から飲んで、こんなおいしいごはんつくってるの?(笑)」と聞くと、「お客さんが来たときだけだよ!」となんだか安心しました(笑)。

    滞在中お天気にもずっと恵まれていて、お庭のテラスでランチをしたりも。
    もうずっと飲んでますね(笑)。

    これはデンマークの伝統料理、Frikadelle。
    もうおいしすぎてすべての料理、先に帰ってしまった旦那にも食べて欲しかったな。
    後日レシピを送ってくれたRene、ありがとう♡
    そしてJesperにベッタリの息子。

    お昼ごはんを待っている間は最高な芝生の上で寝転んだり、息子とキャッキャ走りまわりながらゆったりした時間を過ごしました。Leneがたくさん気を配ってくれて、いつだって息子と私を快適に過ごさせてくれ、なんだか天国にいるような気分でした。

    デンマークの芝生はなんでこんなに元気で気持ちがいいのだろう。気候と土ですかね。

    息子がぐずると、すぐにReneがおいしい甘いものを与えてくれました(笑)。
    たまにだからいいのよと。

    朝食の茹で卵、岩塩をかけてスプーンで食べるスタイル。おいしくて可愛くて、卵カップ買おうと思いました。
    食べて飲んでばかり……
    というわけでもなくてふたりは私たちをいろんなところに連れて行ってくれました。

    ここはSkovtarnetというところ。東京までの距離が8,750kmでした! 果てしなく遠い!
    高さ45mの森の中の展望台、タワーを登るスロープは、多様な生物が生息していて周囲の自然環境と調和する設計になっているそうです。息子はとっても楽しそうに登っていきましたが、途中で疲れてお昼寝。
    晩ごはんの残りでお昼のサンドイッチをつくってきてくれて、フォレストタワーの下で一緒にお昼ごはんを食べました。

    帰りにフォレストタワーのミニチュアを買ってくれてお土産に渡してくれました。
    今もリビングに飾っていますが、息子もたまにそれを持ってきて「ここ登ったねぇ」と言います。
    私が言ったことを真似しているのかどちらか分からずですが。

    世界遺産のStevns Klint。
    息子はお昼寝に入ったので、私はReneと母親トークをしました。
    すごく明るくてチャーミングで愛情深いReneを見ていると、そして娘や息子への想いを聞いていると、8年前に亡くした私の母と重ね合わせて思い出して泣いてしまいました。最初に会ったときから感じていましたが、私の母と雰囲気や考え方も似ていたのです。

    このときReneは私に「息子はデンマークへ一緒に来たことはまだ2歳で覚えていないかもしれない。でもあなたと一緒にいたことは覚えてるよ」と言ってくれました。
    今でもその言葉が響いています。

    そして最後に訪れた、またゆっくり行きたいと思った場所、Holmegaard Værk。
    古いガラス工場の敷地内にある北欧の新しい工芸とデザインの博物館。
    とっても素敵でした。

    この景色に何時間でもボーッとしたい気持ちになりました。

    最後にお土産を見ていると、息子が売り物の電車のミニカーを触っています。
    まわりがガラスの売りものばかりなので怖くなって、「触らないで!」と注意をしました。
    するとReneが「みんなきれいなもの、素敵なものを見ると触りたくなるでしょ。子どもも一緒だからいいのよ」と。
    何かやらかす前に止めてしまうクセみたいな、すぐダメと言ってしまうのはよくないなと思いました。

    毎晩、私のつたない英語でたくさんおしゃべりを楽しみました。
    それがなんとも心地よい時間で、デンマークの人たちはこういう時間をとっても大切にしているように感じました。

    「子育てで気をつけていたことは何?」と聞いてみました。
    すると目を見て対話する、とにかく対話する。子ども扱いしない、ごはんだって同じものを食べる。
    そして「デンマーク人はあまりNOと言わないのはなんで?」と聞くと、「信じているから」と止めないんだそうです。
    ここでも学びがたくさんありました。

    日本人は働きすぎであることについても話しました。
    デンマークでは出産後48週間の育児手当付き休暇を取得できるんだそうです。その48週間は両親で均等に分割されて、さらに母親は出産前に4週間の育児手当付き休暇を取得する権利があるそうです。ほぼ全員が取得するそう。
    でも日本は……知らない人も多いと思うのですが、日本の育児休暇制度は実は世界1位とされている。
    男女ともに原則1年取得することができる。
    でも男性の育休制度は世界1位の水準に限らず、実際の取得率は10%と低い状態です。

    デンマークの育児休暇は「してもいいよ」じゃなくて、「しなければいけない」「休まないといけない」義務だとふたりは言います。その話を聞いて思ったのは、決定的な違いは任意であること。
    日本も同じく義務化にしなければいけない。休んでも変わらないキャリアで働ける環境にしなければいけない。それは男女ともに。
    そして子育てに直接関わらない人たちも全員が休みを取ることをマストとする環境をつくらないといけないと思いました。実際に労働時間が短かい国は労働生産率が高く、女性も活躍しているという結果が出ているそうです。
    子育てをしている人、子育てに直接関わらない人、両者の労働環境全体を変えていかないと、と強く思います。

    たくさん甘えさせてもらったホームステイも終わりに近づいてきました。
    前日に手紙を書いていると泣いてしまいました。
    次に行く学校も楽しみでしたが、もっとここにいたい気持ちになってナイーブになっていました。
    ふたりに学校まで送ってもらいたくさんハグをして、また絶対に来るという気持ちとともに泣きながらバイバイしました。

    【後編②】では、一週間の学校&寮生活について綴ります。
    引き続き読んでいただけると嬉しいです。

    PROFILE
    村上 綾さん
    ヘアメイクアップ アーティスト
    大阪生まれ。化粧品会社に入社後、ヘアメイクアシスタントを経て2010年に独立。現在、雑誌や広告、俳優やアーティストなどのヘアメイクを中心に幅広く活躍中。2歳男の子のママ。
    Instagram:@ayamurakami__
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