教えてくれた先生
モンテッソーリ原宿子供の家、モンテッソーリすみれが丘子供の家 教員/保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作『子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド』(あさ出版)
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。子どもの幸せな自立をサポートする大人のためのプログラムを開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得る。
http://www.heartful-com.org
整理収納アドバイザー。片づけをキーワードに、気持ちのいい暮らし方を提案する「OURHOME」を主宰。家族をまきこみ、気持ちがラクになる片づけが得意。「おかたづけ育、はじめました。」(大和書房)など著書15冊執筆、メディア出演、オンラインショップ、くらしのレッスン運営と、幅広く活動。
https://ourhome305.com
「自分でできる力」が身につくと、
どんな考えや行動ができるようになる?
■挑戦する子になる
「“自分でできる”と感じる子どもには自己肯定感(自分に対する信頼感と自信)が芽生えるので、必要以上に失敗を恐れずに前向きな気持ちで物事に挑戦していけるでしょう。挑戦の機会が多ければ、自分の得意・不得意や興味関心を知ることができるので、何を学びたいか・どんな職業に就きたいかということも考えやすいと思います」(堀田さん)
■未来を切り開いていける子になる
「変化の激しい時代において、今後子どもたちが求められることはより自発的に生きること。彼らには、答えのない課題と向きあって我慢強く対応する能力が求められます。自分でできる経験を重ねてきた子どもは、先が見えない状況においても前進することができます」(菅原さん)
■自分に自信がつく
「自分でできる力がつくと、自分に自信がついてきます。そうすると、人と比べたりせず、自分の昔と今を比べて、自分の成長を喜べるようになります。私たちが子どもの頃と違って、今は情報が多い社会です。つい人と比べそうになるときに、“自分でできる”力は、生きていく上で大きな自信をくれますね」(Emiさん)
“自分でできる力”が身につく ママと子どもの10の習慣
<コミュニケーション編>
1.子どもの自発的な遊びを大切にする
「子どもはさまざまなことに興味を持って遊びます。“面白い・楽しい・ワクワクする”ことなら飽きずにいつまでも続けられますし、もっと知りたい!やってみたい!と考えます。時々思ったようにいかないことがありますが、繰り返しの中で試行錯誤を楽しみ、新しいやり方を発見するかもしれません。こういった遊びのプロセス自体が、学びの源泉なのです。何もしなくても楽しいことを与えられるエンターテイメントも悪くはありませんが、与えすぎはよくありません。むしろ、『足りない』という状態の方が、子どもが自分で工夫する余地が生まれます」(堀田さん)
2.子どもの「なぜ?」にちゃんと答える
「子どもは『なぜ?』の質問を連発します。面倒だからと適当にあしらうのではなく、好奇心に応えて説明しましょう。親の説明が、子どもが考えるための基本知識となります。知識、言葉こそが考えるときの道具なのです。知識や言葉を増やす方法は、日常のコミュニケーションにもあります。よく会話する家庭において、子どもは言葉を獲得する可能性が高くなります」(菅原さん)
3.子どもの発想に共感する
「『どうして空の雲は浮かんでいるの?』『アリはどうして迷子にならないの?』など、子どもの疑問はとても良い教材です。『空に浮かんでいると、ふわふわ気持ちがいいのかな?』『誰かを待っているのかな?』など、子どもの発想を否定せず、一緒に想像力を働かせてみましょう。思ったことを安心して口に出しているうちに、子どもの創造力がどんどん膨らみます。そういう習慣のある子どもは、現実的な問題に当たった時にも、豊かな発想で解決法を考えるようになります」(堀田さん)
4.興味を持ったことを一緒に調べる
「子どもが興味を持つことについて一緒に調べたり、参考になる映像を見たりすることで、興味の深め方、広げ方を教えることができます。子どもが興味を持っていることの図鑑や本が身近にあるといいですね。例えば、地球儀が身近にあると世界に対する概念が掴みやすくなります。旅行の話や地名、国名が出たときにすぐに地球儀を使ってその位置が確認できるのと、『ここへどうやって行くの?』と移動方法を話し合えば、点であった知識が線になり面へと広がっていきます」(菅原さん)
<学習編>
5.毎日決まった時間に机に向かう
「習慣づけは繰り返し行うことが重要です。子どもが自ら学習に向かうための習慣づくりのスタートは、毎日決まった時間に机に向かうようにすること。読書でも、パズルでも、お絵かきでも、2~3分からでも、机に向かって何かに集中することから始めます。このとき親は、字の練習とか、計算とか、いわゆる勉強になることをさせたいと思うかもしれませんが、それにこだわらないことが重要です。この時期大切なのは、計算ができることより、自ら机に向かうことを習慣づけることです」(菅原さん)
6.親も一緒に机に向かう
「学習が習慣になる環境づくりは、親が一緒に机に向かうことから始めます。親の役割はコーチです。最初は親が『やろうか』と誘いますが、次第に子どもが決まった時間に座るようになり、子ども自身で支度を始めるようになるといいですね。『座りなさい』『やりなさい』と親主導で進めるのではなく、子どもが自分のペースで取り組むのを笑顔で静かに見守りましょう。また、親も学習習慣を持つことが効果的です。仕事に関わる調べ物をする、資格取得に取り組むなどの姿を見せることで親は子どもの学習のモデルになれます」(菅原さん)
7.ランドセルや習い事バッグを勝手に開けない
「親が子どものランドセルや幼稚園バッグ、習い事のバッグを、勝手に開けてはいけません。子どもの目の前で、親が子どもの鞄を開けるということは、子どもを信用していないことを体で表しているようなものだと思うのです。『あなたのことを信用しているよ〜』と示すためにも、ぐっと我慢して、子どもが鞄をあけるタイミングを待ったり、声をかけたりすることが大事です」(Emiさん)
8.子ども自身が計画を立てる
「この年齢には計画を立てて、運用すること自体が学習になると思います。毎日できそう?どこでする?分量はどのくらいできそう?と大人が問いかけをし、子ども主体で計画を立ててみましょう。子どもが楽しく続けるためには余裕を持った計画が良いと思います。楽しみながら学べる仕組みを取り入れましょう。子どものイラスト満載のすごろく風計画表や、頑張った日にシールを貼れるカレンダー式計画表など、子どもと一緒に思い切りクリエイティブに! 毎日の振り返りも子どもにさせます。上手くいかない時には、叱るより子どもと一緒に計画を見直しましょう」(堀田さん)
<ライフスタイル編>
9.早起きができれば、1日がうまくいく
「“朝を制すものは1日を制す”とも言われますよね。わが家の双子はただいま10歳ですが、保育園に通う頃から早起きの習慣だけは継続しています。朝いつもの時間に起きる。これができればだいたいのことはスムーズに回るはずです。リズムを整えるために、休日も平日と同じ時間に起きるように、そう習慣づけていれば、親子共々時間を有効に使えます。朝起きられない場合は、「好きな曲を目覚ましにする」「子どもに好きな目覚まし時計を選んでもらう」など、子どもが主体的に早起きする仕組みづくりに関われるよう促してあげるのも大切です」(Emiさん)
10.子どもが家事に参加しやすい仕組みをつくる
「家事ができるようになった子どもには、生きる力が身についていると思います。普段から家事に参加していると、子どもも自然と家事ができるようになりますよ。なかなか子どもがやってくれないときは、子どもを責めずに、仕組みを変えて行きましょう。例えば、ご飯をよそってほしいなら、炊飯器の位置を子どもが手の届く位置においておく。お茶碗としゃもじも取れる位置に収納する。手伝ってほしいことを絞って、道具はシンプルにそれだけを集めて置いておくのです。これだけで変わりはじめます」(Emiさん)
Information
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