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    【家庭学習のお悩み#02】なかなか学習が始められない……横澤さんに親野先生がアドバイス!

    【家庭学習のお悩み#02】なかなか学習が始められない……横澤さんに親野先生がアドバイス!

    学習する時間は限られているのに、取り掛かろうとしない。ダラダラしている子どもに「早く宿題しなさい!」とつい怒ってしまう……。これでは、親も子どもも学習をはじめる前に疲弊してしまいます。スムーズに学習に取り組める、ちょっとしたコツをご紹介します。
    悩めるママ代表
    横澤夏子さん
    1990年生まれ。2017年に結婚し、2020年に第1子、2021年に第2子、2023年に第3子を出産。3姉妹の子育てをしながら、テレビ番組やCMなど、多方面で活躍中。Instagramで発信する「#今日の連絡帳」が、ママの共感を集める。現在、長女と次女がKUMONで学習中。
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    教えてくれる人
    親野智可等先生
    教育評論家
    長年の教師経験をもとに、子育て・しつけ・親子関係・勉強法・学力向上・家庭教育について具体的に提案し、SNSや書籍などで発信。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園などでの講演会も大好評。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られている。
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    家庭学習のお悩み_02 なかなか学習が始められない……

    「自分から取り組んでくれず、声をかけてもダラダラしているので、つい怒ってしまいます。子どもはもちろん自分もしんどいし、怒られながら宿題をしても集中できず悪循環です。どのような声かけをすればいいのでしょうか?」(puniさん・年長のママ)

    横澤さん:わが家もダラダラしていて、すぐに取り掛かろうとしません。私もどう声をかけていいかわからないので、つい「早く勉強しなさい!」って怒っちゃいます。

    親野先生:あのね、小学生を例にあげると、学校から帰ってきてランドセルを置いて、すぐに勉強する子は少ないんですよ。だいたい横になったり遊びに出かけたりしますよね。未就学児ならなおさら。

    横澤さん:はい、わが家も帰ってきたらすぐに遊んでしまいます。

    『とりあえず準備方式』で
    学習のハードルを下げる

    親野先生:宿題に取り掛かるまでのプロセスって結構あって、それが学習を始めるハードルになっていることも。

    横澤さん:そんなにありましたっけ?

    親野先生:意外とありますよ。そこでおすすめなのが『とりあえず準備方式』。

    横澤さん:『とりあえず準備方式』? 初めて聞きました。

    親野先生:玄関でもリビングでも、帰宅してすぐに向かう場所に広くて浅い箱を出しておきます。帰ってきたらランドセルの中身をすべてそこに出す。学習に必要なものが全部出てくるから、手に取りやすくなる。

    横澤さん:確かに、まず準備するのもめんどくさい! ってときもありますもんね。

    親野先生:教科書、ノート、筆記用具など、必要なものがすでに用意されていれば、手に取りやすいから学習のハードルはぐっと下がります

    横澤さん:わが家はまだ未就学児なので、親が用意してあげてもいいのでしょうか?

    親野先生:もちろん。必要なものをピックアップして、テーブルや机の上に置いておくとかね。その日に学習するページを開いておけば、さらにハードルは下がります。

    横澤さん:あれ? 今のお話をお聞きすると、やり始めるまでに意外とすることがありますね。

    親野先生:そうなんですよ。関門がたくさんある。だから「早くやりなさい!」と言っても、子どもにとっては、まず準備をするのがめんどくさい。

    横澤さん:とりあえず準備をしておけば、遊んだ後にすぐ取り掛かれそうですね!

    『お家時間割』で
    時間の感覚を身につける

    親野先生:ほかには時間を見える化することも大切。それには『お家時間割』が便利ですよ。

    横澤さん:お家時間割?

    親野先生:下校してから寝るまでの時間割です。例えば、ホワイトボードをテープなどで区切ったら、マグネットのプレートにすることを書いて、できたら裏返すような。

    横澤さん:見たことがあります!

    親野先生:この時間は習い事、この時間はゲーム、この時間は宿題のように、子ども自身がいつ何をするかを決めていきます。

    横澤さん:子どもが自分で決めるんですね。

    親野先生:その時間割でうまくいかなければ、宿題はこの時間に移動しようとか、それも子どもが決めます。

    横澤さん:自分で決めたら、やらなくちゃ!って気にもなりますもんね。

    親野先生:「自分で決めたから」という意識がモチベーションアップに直結します。それと、時間割をつくるのは、時間を見える化するという点でも効果的です。

    横澤さん:時計の見方を教えるとか、そういったことでもないんですね。

    親野先生:子どもはね、時間を扱った経験がないし、扱う能力もツールもない。ただ漠然と時間の中を生きています。だから「今勉強しないと後で大変になるよ」とか「早く宿題しなさい!」って言われたとしても、なぜ早くしなければいけないのか、ピンとこない。

    横澤さん:確かに、大人は経験があるからわかるけど、子どもにはそれがありませんもんね。急ぐ理由がわからないから、「早く宿題しなさい!」って言っても取り掛かろうとしないんですね。

    親野先生:何を急ぐのかわからないし、そもそも今やらないと後で困るって発想がない。

    横澤さん:それはまったく理解してなかった……。一方通行だったな。

    親野先生:お家時間割があれば、3歳のお子さんでも時間の流れがわかるようになります。幼い頃に時間の感覚が身につくと、子どもにとっても宝物になると思います。


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    photography/Tomoya Uehara styling(横澤さん)/Ayano Otaki hair&make-up/Sayuri Toyota text/Masayo Okegawa
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