戦後芸術をゼロへとリセットすることを理念とし、大戦によって分断されてしまったヨーロッパの前衛アーティストたちの協働・連帯を強く促す原動力となっていた「ゼロ」は、1958年、ハインツ・マックとオットー・ピーネによってデュッセルドルフに立ち上げられ、やがてヨーロッパに広がり、アーティスト・ネットワークに展開しました。1960年代には草間氏も幾度となく「ゼロ」主導の展覧会に参加し、注目を集めていました。
草間氏の作品や当時の映像・写真資料とあわせて「ゼロ」の作品や運動を紹介するこの展覧会。「ゼロ」と「インフィニティ」という両極の探求によって、大戦の傷を乗り越え、新しい芸術の持つ可能性を示そうとした前衛芸術家たちの軌跡をご覧ください。国内においてあまり紹介がなされていない「ゼロ」の活動を知るきっかけになるはず。