池袋アートMAP
町は発見のジャングル
アートと建築、歩いて発見
1日の利用者数が約258万人という巨大ターミナル駅・池袋。買い物に映画鑑賞と、とかく便利な街ですが、子連れママ・パパにとって人混みはちょっとしたハードル。
ですが子ども目線で歩いてみると、案外フレンドリーかつファンタジックな街でもあるのです。駅構内の「いけふくろう」を発見したら、東口駅前「フクロウ交番」に驚いてください。あちこちに潜むフクロウを道先案内人に、ゴールの鬼子母神まで歩けば親子で池袋の達人だ!
ART SPOT #01
『コニカミノルタプラネタリウム満天
in Sunshine City』
雲シート? 芝シート?
頭上に広がる満天の星空
近年さらなる進化を遂げ、アートメディアに接近するプラネタリウム。星の知識を学ぶだけの場所だと思っている人はもういませんよね!? 特にここ『満天』のスクリーンは段差のない水平型ドームを採用。引き込まれるストーリーと、アッ! と声を上げそうになる臨場感たっぷりな映像で、しばしの宇宙遊泳を味わいましょう。夏休み期間は、キッズ向けのプログラムも用意されているから予約のうえで訪れて。夜空に興味を持ってくれること請け合いです。
開館時間:10:00~21:00(土日祝は~22:00)
休館日:ご来館前に上映スケジュールをご確認ください。
TEL:03-3989-3546
料金:上映作品、シートによって異なる
ART SPOT #02 『豊島区役所・豊島の森』
区役所で憩う
荒川水系のビオトープ
隈 研吾設計チームがデザインを監修した豊島区庁舎は、集合住宅や庭園を内包したエコロジカルな建造物。10階の空中庭園『豊島の森』からは、たどって来た池袋の街並みはもちろん、スカイツリーや富士山も見えます。雨水を利用して育つ木々や小川は武蔵野台地の自然を再現しているとか。メダカやヤゴの観察も楽しめる。『イケバス』の停留所も目の前に。
開園時間:9:00~※閉園時間は季節によって異なる
休館日:年末年始、土日以外の祝日※荒天時は閉園
TEL:03-3981-1111
入園料:無料
ART SPOT #03 電気バス『IKEBUS』
10のきらめく車輪は
池袋の新しい足
都内ならどの区でも定着した「コミュニティバス」。ですが豊島区の『イケバス』は何もかもが規格外。10個の銀色の車輪が音もなく道を滑る様を最初に目撃したときは、目を剥いた。乗ってみると、超カラフルなインテリアに二度びっくり。“この異空間はもしや……”とその場で検索したところ、やはり九州新幹線でお馴染みの水戸岡鋭治氏によるデザイン。屋根の上と停留所のフクロウもお見逃しなく。
ART SPOT #04 レストラン『タカセ』
包装までおいしいベーカリー
装飾まで味わえるレストラン
駅前でひときわレトロな雰囲気を放つ『タカセ』。1階のパンと洋菓子の店は“池袋の顔”と言ってしまえる有名店ですが、ビルの上階にも落ち着いた「コーヒーラウンジ」や、パフェやあんみつを出す「喫茶店」が。子連れにおすすめなのは3階「レストラン」。自然光が爽やかな広いホールで定番のお子さまランチやオムライスがいただけます。さて、令和生まれのキッズは昭和のノスタルジー・デザインをどう受け止めるかな?
営業時間:パン・洋菓子コーナー/9:00~21:00、 レストラン/11:00~16:00(L.O15:00)、17:00~21:00(L.O20:00)
定休日:無休
TEL:03-3971-0211(代表)
ART SPOT #05 『南池袋公園』
裸足で走り回る
公園は町のリビング
池袋駅から雑司ヶ谷まで向かう道すがらに位置する公園。入り口にはベビーカーがずらり、たくさんの家族連れがカフェ『ラシーヌ』で手に入れたおいしいワッフルやドリンク片手に思い思いの時間を過ごしています。「キッズテラス」に設置された人造大理石の滑り台はシンプルな形ながら、だからこそ縦横無尽に移動でき、ベビーからキッズまで大人気。公園のあり方ひとつで町への親近感も深まる。
ART SPOT #06 『雑司ヶ谷 鬼子母神堂』
子育の神を参り
木漏れ日になごむ
池袋駅から一駅。歩くと15分〜20分ほどのところにある『雑司ヶ谷 鬼子母神堂』。子育(こやす)の神がまつられた立派なお堂をお参りしたら、700歳の巨大銀杏にごあいさつ。「あの枝にきっとトトロが住んでるね」と子どもとよく言い合いましたが、実際、何かが宿っていそうな生き生きとした造形をしています。雑司ヶ谷は、お寺と住宅と公園が点在する落ち着いた環境のなかに路面電車が走る、東京のなかでは珍しくほのぼのとしたエリア。
ART SPOT #07 駄菓子『上川口屋』
会話もまた楽し
懐かしさが漂う駄菓子店
娘が5歳のときに「ここ懐かしいね」と言って驚きましたが、実際経験していないことでも懐かしさを感じる心が人には生まれついているようです。実際、鬼子母神堂の境内にひっそりとある木造平屋の佇まいを見ているだけで胸がポカポカに。それは子どもも大人もきっと同じはず。駄菓子の製造工場が年々減り続けるなか、ところ狭しと商品の並ぶ『上川口屋』は東京の宝、もはや存在が奇跡。楊枝に赤い印が出たらアタリ! の“きなこ棒”はマストです。
営業時間:10:00~17:00※都合により時間の変動あり
定休日:雨、雪、台風などの日※臨時休業あり
\ ここでちょっと耳ヨリ情報 /
アートさんぽの楽しみかた
①正統派から芸術的な珍建築まで
おさんぽしながら発見!
池袋には東京で、いや、日本国内でも指折りの名建築があります。それはフランク・ロイド・ライトが設計した『自由学園 明日館』。HPに告知される見学日には、喫茶付きで名建築が楽しめますからぜひとも親子で訪れて。背筋の伸びる厳かな雰囲気は子どもの美意識にも響くはず。また、武蔵塗料の色をテーマとした虹色の『グリックビル』、日本のガウディと名高い梵寿綱による『ルボワ平喜南池袋』は南池袋公園へ訪れる道すがら見つけてみて。
②池袋の番人、“いけふくろう”を探して!
渋谷駅のハチ公や東京駅の銀の鈴のように、池袋にもシンボルを! と発案された駅構内のフクロウ像。イケブクロとフクロウに掛けたダジャレですが、すっかり定着し、また周辺にもフクロウキャラクターが広がっています。雑司ヶ谷の鬼子母神周辺では、ススキでつくられた「すすきみみずく」も。とにかく渋いものからポップなものまでフクロウ科の鳥が無数にアレンジされているから、バードウォッチングし放題です。
遠くまで行かなくても
途中下車で満足時間
いかがでしたか? 池袋に子どもが遊べるところなんてある? なんて思っているファミリーにこそ巡っていただきたい。丸一日かけて池袋ツアーしてもよし、ピンポイントで訪れてもよし。私は池袋と、庶民的な雑司ヶ谷までが徒歩圏内の近さと知ってから、このエリアのことが好きになりました。今回は、リニューアルのため紹介できませんでしたが『西武百貨店』の屋上や、ちんちん電車でお馴染みの『さくらトラム(旧都電荒川線)』もおすすめです。