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    【父親から見た子どもたち vol.1】家族写真を撮り続ける写真家・浅田政志さんの子ども写真。

    【父親から見た子どもたち vol.1】家族写真を撮り続ける写真家・浅田政志さんの子ども写真。

    パパ写真家が、自身の子ども写真とともに我が子の成長を振り返り、思い思いに綴る連載企画がスタートします。第1回目は家族全員で消防士やレーサーなどなりきった姿を撮影した写真集「浅田家」が代表作の写真家・浅田政志さん。2014年に息子の朝日くんが誕生してから4歳まで、縁起の良さそうな人やモノと一緒に撮った写真集「まんねん」も話題になりました。日常の家族写真として、写真家の作品として、日々息子の撮影に向き合い続ける浅田さん。“家族写真”をライフワークとする浅田政志さんから見る、子ども写真とは。

    子どもが生まれたら、
    みんな人生でいちばん写真を撮る

    自分の家族写真で作品集デビューしたり、そこから他人の家族写真も撮らせてもらったり。
    たくさんの家族写真を撮ってきて、自分なりに“家族写真”を追い求めてきました。

    そのなかで「子どもが生まれると、人は人生でいちばん写真を撮るんじゃないか?」と思うようになりました。
    誰に撮りなさいと言われているわけでもないのに、みんな自然とたくさんの写真を撮る。

    赤ちゃんが生まれることはとても神秘的なもので、人生でも大きな出来事になるわけで。
    本当は見ているだけでも充分なのかもしれないけど、止まらない時間を止めたい、いいなと思った時間を切り取って、写真で残したいと思う。

    もしいつか自分の子どもが生まれたら、写真家として赤ちゃん写真、子ども写真という大きなテーマと向き合いたいなと思っていました。

    初めて息子の姿を見たのは
    ファインダー越しでした

    写真集「まんねん」で最初のページになっている、誕生した瞬間の息子の写真です。生まれてからわずか1秒くらい。

    妻の出産をそばで見守るなかで、いざ生まれる!というときに、ファインダーを覗いて待ち構えていました。

    シャッターを切ったあと、そこから肉眼で息子を確認して。本当は逆の方がいいんじゃないか? と思うけど、
    早く撮りたい気持ちが出てしまった瞬間。

    僕も初めての赤ちゃんだったので、育児にも戸惑いながら、写真を通して息子と向き合い続けました。

    そんなところから、息子との写真集「まんねん」はスタートしました。

    息子の健やかな成長を願って
    制作した写真集のこと

    息子が健やかに育ってくれるように、誕生から4歳まで縁起のよい人やモノと一緒に撮った作品集「まんねん」。

    縁起がよいものが○○にある、と聞けば、息子を連れて撮影しに行きました。全国どこでも車を飛ばして。

    茨城県に大きな獅子舞があることを知って、これは行くしかない! と。
    獅子舞に頭をかまれる縁起かつぎ。11ヵ月の豆粒みたいな息子です。

    これは写真集の表紙にもなった、101歳の長寿のおじいちゃんと4ヵ月の息子の写真。

    101歳の長寿の方が老人ホームにいるというのを聞いて、すぐに会いに行きました。
    その日初めて会った方ですが、快く受け入れてくれました。息子もすごい笑顔(笑)。

    これは2018年に家を建てたときの棟梁さんと。
    そのとき、大工さんの働きぶりを身近で見て、息子が「大工になりたい」と言っていたこともよく覚えています。

    この2枚は縁起がよさそうな素敵な人に、息子を抱っこしてもらったシリーズです。

    よく、お相撲さんやオリンピック選手などに「うちの子抱っこしてください!」って頼んで抱っこしてもらう光景ってあると思うんですけど、それって“わが子にもパワーをもらいたい!”という親心からですよね。
    あの行為を指す言葉がないけど、それがいいなぁと思ったんです。

    初めて会ったような人も多いんですが、素敵だなと思う人に頼んで、一緒に撮らせてもらいました。
    なかには息子が大泣きしている写真もありますけど、「抱っこさせてもらっていいんですか?」とみんな笑顔で応じてくれたのもいい思い出です。

    その写真が輝くのは、
    ずいぶん先の未来だと思うから

    僕もみんなと同じように、毎日iPhoneや息子撮影用のフィルムカメラで写真を撮り続けています。
    相当数撮っていると思います(笑)。

    “なんで撮ってるか?”を考えると、いつかその写真を見返したいから。
    2、3年後とかではなく、成人したり、結婚したり、子ども産んだりしたときの、ずいぶん先の未来。
    そのときに「君はこんなふうに育っていたんだよ」って伝えたい。
    息子本人だけではなくて、自分たち親や周りの人も写っていて、写真がみんなにとって「こういうこともあったな」と振り返れる宝物になる。
    そういう思いでシャッターを押しています。

    かつて配達を担当してくれたヤマトの配達員さんと、配達の合間に一瞬で撮影。働きぶりがとても素敵だった。

    写真を見ながら深い感傷に浸る瞬間というのは、人生でそんなに多くないかもしれない。

    人生でいろいろなことを経験した自分の現在地から昔の写真を見ると、当時の親の大変さだったり、親がどれだけ自分のことを思っていてくれたことだったり、そのときに気づかなかったことがわかったりする。
    そういう意味で、その写真が輝く瞬間は今からずいぶん先の未来なんです。

    未来にその写真が輝くためには、ちゃんとプリントしたり額装したりして、見れるように残しておくことが大切だと思います。

    今、スマホで簡単に写真が撮れるから、データだけ残している方が多いと思いますが、これを読んでくれている方には、ぜひプリントして欲しいです。
    プリント写真は100年先まで残ることが証明されているので。
    あんまり難しく考えると大変なので、冷蔵庫にお気に入りを貼るところからでもいい。

    親の世代から受け継いだ“家族のアルバム”という文化を次の世代に残せるか、僕たちにかかっているかもしれません。

    4ヵ月のとき、三重県の伝統的なしめ縄と一緒に。三重県では1年中しめ縄を飾り、新しいものに買い替えたときの記念に。

    子育ては、楽しくて、穏やかなことだけではなくて、思い通りにいかないこともたくさんある。
    そんななかでも生活は続いていくわけで。
    「楽しかったな」とか「この笑顔好きなんだよな」とかそういう瞬間をたくさん残したいし、残して欲しい。
    みんな言うけど、子どもが大きくなるのは本当にあっという間です。

    息子も、今は撮影に楽しんで参加してくれていますが、これから思春期が来て、恥ずかしい! と言われる日が来るかもしれない。

    この日が来るのは寂しいような、成長の過程だから仕方ないような。
    彼も大人になっていくんでしょうから。そういう過程も撮れたらいいな。
    いつか笑い話になるはずだから。

    PROFILE
    写真家・浅田政志さん
    「家族」をテーマに写真を撮り続ける写真家。日本写真映像専門学校研究科を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立。家族写真を収録した写真集「浅田家」(赤々舎)が、第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在は地元である三重県津市に戻り、変わらぬ活動を続けている。5/8(日)まで水戸芸術館にて展覧会「だれかのベストアルバム」が開催中。Web:http://www.asadamasashi.com/Instagram:@asadamasashi
    edit/Riho Abe
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