月刊コラム、28回目。
子育てコラムですが、今、この話題を避けて書くのは難しいなと思い、
近況として書かせていただきます。
先月も書いたように、年明けに家族で日本に帰省していて、
1月の下旬、ちょうどロンドンに戻ってくるタイミングで母から
「念の為、空港を歩くならマスクをしておいたほうがいいね」という事で、
娘、初めてのマスクを購入してもらいました。
小さなアンパンマンの絵柄を気に入ったらしく、
それのおかげか、ちゃんとつけてくれました。
これ。
すでに空港の人は全員マスクを着用していて、異様な光景でした。
そして、ロンドンに着いて数日後、
日本のSNSやニュースがコロナウイルスの情報でいっぱいに。
私も含め、こんなことになるとは、皆が想像してなかったと思います。
このコラムを書いている3月中旬の段階では、各国で渡航禁止令が出ている中、
イギリスでも、保育園を含む全ての学校の一斉休校が決まり、カフェやレストラン、映画館やジムなどの
レジャー施設のクローズも決まりました。
地下鉄やバスの公共交通機関の運行も減らされ、
医療従業者や緊急救急労働者以外の乗車はできないラインもあります。
政府は、仕事はリモートワークに切り替え、不要な外出を控える事、清潔に保つ事を
繰り返し呼びかけており、これから来るであろう感染のピークに向けて、
毎日、もう一日ごとに新しい情報が飛び交っている状況です。
当初、イギリスよりも感染の広がりが2週間ほど早いと言われていたイタリアの大変な状況が日々伝わるにつれ、
イギリス政府も、当初の予測よりも感染の速度が速いと発表し、その事もあってか、
まず最初にスーパーからトイレットペーパーがなくなり、次に薬がなくなり、パスタが売り切れ…
今日立ち寄ったスーパーでは、野菜やお肉も品切れ。
そんな風にどこのスーパーも棚が空になりつつあり、そんな状況からみても
人々にパニックが広がっているのを感じます。
私はと言えば、いまのところ、健康を保っているので、
娘のナーサリー(保育園)が休校になった以外は、普段と余り変わらない生活を送っているのですが、
大好物のシリアルを食べることを毎朝、楽しみにしている娘のために、
近くのスーパーで売り切れている子ども用のシリアルを買うべく、
さっき近所の小さなオーガニックショップに立ち寄ったら、入店を断られました。
マスクをしたおじさんが閉めていたドアを少しだけ開け「クローズしてるから」と。
でも、中を見ると商品もあるし、白人のマダムがレジでお金を払っている。
おかしいなぁと、思いつつ、まぁいいか、とそれをすぐ近所の友達に話したら、
その子も昨日、その店で同じことがあったと。
話をまとめると、お店側が人を選んでいる? 様子で、
私たちがもし、アジア系だからだったとしたら、それはちょっと
お店のイメージが変わってしまう出来事だなぁと思い、残念に思いました。
私は今まで数年間、このエリアに住んでいて、
そのお店も含めて、まったくそういった人種で区別されることがなかったので、
お店の人も同様に、状況がわからず、パニックになっているのかもしれません。
ママ友の中では、病院が重症化してない患者の受け入れを断っているので、それに対しての不安も広がっています。
実際に断られて体調を崩したままの友達も。
ロックダウンや完全渡航禁止令が出る前に、まだ安全であろう母国に帰ろうか? という人もいるのですが、
もしウイルスを高齢の両親や祖父母のところに持ち帰ってしまったら、、と考えると、
やはり、ロンドンにこのままステイする選択をする人が、私の周りには多いです。
私も同じ理由で、今のところはロンドンに留まり、様子をみる予定です。
私が勝手に感じていたことですが、
イギリスの人、特にご高齢の方々は、毎日、毎週、同じ場所に行き、同じものを食べるなど、
同じ生活を淡々と続けることに、安定や幸せを感じる人が多いように思うので、
70歳以上の人に、外出を控えて家に留まるようにお願いすることは
若者にとってはそんなに難しいことではないかも知れないけど、
いつも通りのことが出来ない、してはいけない、という精神的なダメージは
こういう方々にとっては、体調を崩しかねないほど大きな負担なのではないか…と、
個人的には心配しています。
暗い話題が多いですが、
娘はナーサリーで、手洗いとハンドジェルを更に徹底してやってもらったようで、
謎の、やや覚えかけの手洗いのうたを、家で教えてくれたりするので、こうやって
清潔に保つ習慣が根付くのは良いことだなぁ! と思っています。
イギリスだけに限らず、世界中、もちろん日本もきっと
まだまだ大変な状況には変わりないと思いますが、そんな状況を毎日、共有しつつも、
もし、本当にトイレットペーパーがなくなって困った時には分け合えばいいのと同じで、
助け合おうよ、何かあったらさ! と声を掛けあって、一緒に乗り越えましょう。
普段、SNSに疲れることもあるけれど、
いつも通り変わらないコミュニケーションがそばにあることも、心の支えになるのだなぁと、本当に。
こんな状況だけど、家もあるし、電気も通ってるし、家族もそばにいる、
過去に私たちが乗り越えてきたことを思えば、まだくじけてられない、かも知れません。
来月のコラムでは、きっともっと、明るいお話がお届けできることを願って。
それでは、また!
追伸:会員制のグループを始めました。プライベートな日常の投稿や、コメントで友達同士のように話し合える様なSNSがつくりたかったので。参加自由です。毎日の小さなことについて、一緒に話そう。