はじめまして。
今回から月刊コラム、書かせて戴くことになりました。
三十代の半ば、十七年間住みなれた東京から英国に引っ越して来て
今年一月にロンドンで出産、娘は来月で1歳となります。
妊娠や出産も初めての経験だったので、それだけでも戸惑うことの連続でしたが、
子育てを通してまたこの国の文化に触れ、新しい発見と驚きの連続です。
このコラムではそんな風に、私が実際に体験したエピソードを少しずつ、
書き留めていけたらと思います。
最近つかまり立ちをするようになってきて、だいたい一日中つかまられています。
ロンドンはよく「乾燥してる」と言われますが、
雨も降るし、そうでもないなぁと思っていました。
古い建物は全体的に空調がありません、私の家もそう。
壁についているヒーターからは温風は出ず「ここに直接洗濯物をかけるのだよ」と教わった時、
お湯が通っている事で温かい仕組みと聞いてびっくりしたけど、
どこの家でもそうみたいで、うちでもタオルをかけたりしています。
部屋のヒーター。このタイプは一番どこにでもあるタイプのやつ。
が、今年はすごい。乾燥してる、なんででしょう。
雨があまり降ってない気もします。
なんとなく 喉がおかしい… む… 寒気…?
わたし… 熱あるわ!
マジか。
という事で、風邪をひいてから湿度が29%って事に気づいたのでありました。
やばい、加湿、加湿!!
それから授乳中なので、やさしい解熱剤をのむ。
この国には日本みたいに日常的にマスクをする習慣がないので、
娘にうつさない為に、残っていた数少ない飛行機用のマスクと、
寝るときは口にテープを貼ってしのぎました。
そして3日後、私の熱が下がり、その夜に娘が発熱。
油断してマスクをやめた途端でした。
非常に申し訳ない気持ちになる…ゴメン。
娘、38.6度、生まれて初めての病気。
薬局のカルポルという超メジャー解熱シロップをバナナに混ぜてあげてると、
2日目に熱が下がりました。
Calpol。イチゴ味の解熱鎮痛剤。英国人は何が起きてもほとんどの不調には、大人はパラセタモール、子どもはカルポルと決まっている。その他、鼻がススっとするブレンドオイル等、薬局にあるやや効くかもなラインナップ。
1週間後、まだ少し咳がでるので、近所の診療所に連れて行きました。
長引いてるから何か処方薬とか貰えるなら、楽になるだろうなと思って。
胸の音を聞き、喉の奥を見る。
Dr「あぁ、よくあるね」
「でも薬は要らないね、6週間くらいすれば治るよ。まだ1週間やそこらでしょ」
…え!
6週間?!
6週間もあればだいたい治ってるとは思うけど…
なるほどね… わかりました帰ります、と来て3分でコートを着る事となった私。
帰り際に、
Dr「あ! あと、スチームがいいよ」
あぁ、お風呂にゆっくりめに浸かるとかの事よね。ノドに良いもんね、やってるよ。
Dr「いや、もっと高温の。高温スチームで10から15分…」
んぁ、もっと高温って?
Dr「ほら、ジムとかスパにあるじゃん」
ハッ、もしかしてそれ、サウナのこと言ってる?!
えっ。
そんなん聞いた事ない。しない、しない。
どうやら、熱で一緒に菌が蒸発するみたいな事を言っていた。
…疑わしい。
娘、10ヶ月!
という事で、サウナせずして、現在3週間目。
自然治療中。
「治るまで安静に」といっても6週間も外出しないわけにもいかないので、暖かくして出かけてる。
夜とか、稀にまだ咳もでるけど、回数は減って来たような気がします。
ベイビークラスの先生曰く、
「赤ちゃんの生まれて初めての病気は皆ちゃんと治るまで長くかかる、
けれど、2回目はその半分で治るようになる赤ちゃんが多いわよ」と。
なんとなく、納得。
イギリスは本当に滅多なことがない限り、大人でも抗生物質とか速攻で効く薬は処方されない。
そのおかげで、毎回超長引くけども、薬を飲むより「体にダメージがない」というメリットを薬局でも推される。
なのでもし、お子さんの風邪が思ったより長引いていても、
お医者さんに特に問題がないよと言われたのなら、あまり神経質になって
早く治らない事を悩みすぎず、ひたすらあたたかくしてその時を待つという
英国式パターンもあるなぁと思い出しつつ、穏やかな年末年始をお過ごしくださいませ。
それでは、また来年。
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