7月も、半ば。
イギリスの私立の学校などは、7月の初旬に休みに入るところもあるので、すると、結構長い夏休み。
新学年は9月始まりなので、この時期は、学校を変わったり、引っ越しをする人も多い季節です。
今回は、日本ではあまり起こることもないかも知れない「ロンドン暮らし、あるある」のひとつ、引越しにまつわるモメごとについて、実際に私の身に起きた出来事を、当時の家の写真とともに書いておきます。

(何度かロンドン内の引っ越しをしたけれど、ヤマトさんがおすすめ。ちゃんと時間に来てパパッと梱包して時間に終わってくれる。日本だと当たり前のことだけど、こっちだとこれは凄いことなんです。。)
5年前、娘の小学校入学の前に引っ越す事にしたので、当時借りていた家を解約しようと大家さんに連絡をしたときの話。
私「退去するね、2ヵ月前だから連絡したよ」
大家「ロックダウン落ち着くまで待てないかね?」
私「ごめん、娘の学校もあるし、出るね」
数日後、
大家「仲介不動産屋が、次の更新までの残り9ヵ月の家賃を一括で払った上での退去になるって言ってるけど、それ了承してるよね?」
……なぜ。
物語はここから始まりました。
契約書には2ヵ月前告知についてきっちり書いてある。
過去に私も周りの友人たちも、不動産屋関連は本当にいろんなことがありすぎて、最初からちょっと警戒してかかっているので、あらゆる疑いをクリアにしながら契約する必要がある……。
なので、こんなこともあるはずだ……モメるのは、だいたい解約のときなのだ。と、予めこの2ヵ月前告知について、契約時と更新時に、それぞれメールで確認して文面で残していた。

もめごとは、シンプルに解決するのがベスト。淡々と、感情的にならぬこと。これは基本。
まず「契約書にこのように書いてあるし、サイン前にわざわざオフィスでそこも確認したよね?」と反論してみたところ、なんとそれには触れず、7項目にもなる自分たちに都合のいいポイントだけを抜き取った長文メールで「我々はポジションを変えない、大家も同意している。早く残りの期間の支払いを認めろ」との返信が。
うむ。
しかし、よく読むといまいち要点がなく、本当に弁護士の仕事なのか怪しい文面。この手口、今までほかのお客さんにもしてきたのでは……という余計な疑いも生まれてくるほど。
遡って考えてみると、私が最初に彼らを疑ったのは、結構序盤からだった。

契約時、無事サインを終え、雑談中『日本人と韓国人は上客だ。きれいに使うし、何より金払いがいい』と笑いながら2回も言った。そのときから (このオッサンは絶対に何かやってくるだろう……) と怪しんでいた。
しかも、また別のときには、何かの用事で彼のデスクの目の前にある書類庫を開けるだけの作業に対して、私から手数料£50(約¥10,000)を取ろうとしてきた前科もある。怪。
なのでこの対応に関しても、さほど驚きはなかった(笑)。やはりだった。
しかし、悪質すぎる。もしひとりでこの国に来て、私みたいに悪徳不動産屋にかかってしまい、普通に退去するだけなのに、弁護士が〜とか書いてある長い英文書で強めに迫られて、払わなくていいお金を払い、せっかくのイギリス生活、最後の最後に心の縮む思いをする子がいたら……それはもう、許せないことだ。
そんなふうに不動産屋がいつも妙なことを言ってくるので、契約時に文面で確認していたメールを証拠として転送した。
相手からのメールの通知が来るたびに嫌な気持ちになる。
しかし、取り乱したら負け。そこはBritishマインドに習って、慌てず荒ぶらず、茶を飲む。(イギリスの人は、大変な状況の人がいると、本当にまずお茶を飲むのだ!)
大家さん、住んでるときはいい人だったけど、お金が関わるとこうなるのか焦っているのか、最後にやはりもめる事になったのは悲しいよね。
ということで、メールの証拠を送信したところ、不動産業者からの連絡は、ぷつりと途絶えた。

食台から見下ろす、家の主。
(この記事の最後に、ロンドンでの賃貸契約で気をつけた方がよい事をまとめて書くので、近々ロンドンに移住する友だちがいたら、ぜひ伝えてください)
そうすると今度は、大家さんからメールが届いた。
かなりアグレッシブな言葉使いで、私の敷金を「凍結(つまり返金しない)」するように不動産屋に指示したと書いてあった。それから、「今から48時間以内に支払いに同意しないなら、残り9ヵ月の家賃プラス、弁護士費用も請求する! 貸主保険でカバーされるから、とことん訴えてやるし」と。
……え、無茶な(笑)。
もちろんそんなので保険、おりるわけないのは私でもわかる。
まぁとにかく納得してくれないので、政府の機関に起きていることの資料送って、公的な返答の書類のコピーをもらい、それが正当な請求ではないことをもう一度、メールで説明。それから「とにかく今は新しい借り手を見つけることに集中しませんか? 敷金の戻しも数ヵ月待てますよ」と提案した。
メールを送信し終わり、これで落ち着くかな、とお茶をいれた。

そしたら……
お湯が沸くのを待っている間にもう速攻で返信が来て、私が日本人であるということにも触れた悪口をぶつけられた。
これは結構、人として、やばい。でもまぁ、そのあたりの建設的でない文脈をスルーすると、ほぼ内容に進捗はなく。
しかも、もう夜なのにも関わらず「明日の正午までに、次の人が入居するまでの家賃を(週割で)支払うと同意しろ! そうじゃないと契約不履行で訴える」と書いてあった。
えぇえ……
またそれ話、変わってきてませんかね。。
普通に考えて、どうして次の人が入るまでの家賃、私が払わないといけないの。そんなシステム初耳なんだが。それこそ、契約書に全く書いてないし、何ルールよ。強引っすね。
しかもね、
また別のメールが届き、24時間前までの物件立ち入り通知事項も無視して、撮影を強引に行おうと不動産屋に指示してるCCが…… 焦る気持ちはわかるけど、やり方、だめすぎないですか。
当時、コロナ禍の真っ只中。
知らない間に家に人が出入りしてるとか、ありえない状況だったので、深夜に娘が寝ついたあと、物件募集用に使えそうな写真を撮って、不動産屋さんに送ってあげた。

(コロナ禍で家から出れないときは、窓辺でこんな風にデリバリーとってピクニックしたり、工作して遊んでいた)
そんなことをしても、先方が落ち着く感じは一向になかった。やりとりする事、2ヵ月。
なんだこの労力は……と思いつつも、ふと、ある事に気づいて、この問題はその後の一手で解決し、追加の支払いなどなく無事にデポジットも返ってきたのでした。
長くなった。ので、
次回「解決編」と、今後イギリスに移住を考えている方々に「来る前に気をつけた方がいいポイント」をまとめて、後編として書きたいと思います。
それではまた来月!
麦茶っておいしいね。



















