1. 今アツい“南山梨”の魅力とは?

南山梨とは、「峡南(きょうなん)地域」と呼ばれる南部町、身延町、早川町、市川三郷町、富士川町の5つの町に南アルプス市を含めた“5町1市”のこと。温暖な気候と澄み渡った川、美しい緑に恵まれたエリアで、自然や伝統を大切にしながら今の時代に合った新しい価値を生み出し続け、最近注目を集めています。都会の喧騒とは無縁な自然を楽しめるスポットのほか、ローカルな魅力と掛け合わせた個性的なカフェなども充実。そんな南山梨を楽しむなら、美しい光に包まれながら自然を満喫できる「朝」がおすすめと聞きつけ、編集部も「朝活」をメインに南山梨をたっぷり堪能してきました!
2. 宿泊は身延町の宿坊「窪之坊」へ

今回の旅では、2日目にお寺の朝のお勤めなどを見学させてもらうことから、参詣者が泊まることのできる宿坊に宿泊。私たちは、「窪之坊」にお世話になりました。

計12部屋の宿坊なのですが、私たちは離れの2部屋を使わせてもらいました。素敵な佇まい!

1階に1部屋、2階に1部屋のつくりで、なかはこんな感じで広々。畳に縁側……まるでおじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに来たような安心感があります。

窓の外に広がる豊かな自然に子どもたちも興味津々。

夕食はこんな感じ! お刺身もメニューに含まれていたので、完全な精進料理というわけではなさそですが、素材の味を楽しむことができる心にも体にもやさしいお料理ばかり。

ちなみに、キッズ用メニューもあり。シチュー、フライドポテト、タコさんウィンナーなど、子どもが喜ぶラインナップ!

こちらは、専用の鍋にたっぷり入ったお豆腐。お豆腐も湯葉も、素朴でやさしい味わいが本当においしかったです。
3. 「久遠寺」で早朝5時から鐘つき&朝のお勤め見学

さて、今回のツアーの目玉となる「久遠寺」での朝活をご紹介。2日目は、全員4時前には起床しました……! 外はまだ真っ暗。
朝5時の鐘つきを目の前で見学!

お寺の鐘は、朝と夕の2回、一日の始まりと終わりを知らせるために鳴らされるのが一般的。身延町にある「久遠寺」では、朝5時と夕5時に鐘をついています。今回、朝5時の鐘つきを目の前で見学。

この躍動感、伝わりますか……!? 鐘を鳴らす「撞木(しゅもく)」はとっても重たいので、鐘木を動かすのにかなりの力が必要となり、お坊さんは全身を使って鐘をついていました。ゴーンと響く渋い低音で、シャキっと背筋が伸びた編集部一同。鐘の音はなんと、4キロ先まで聞こえるそうです。
続いて本堂で朝のお勤め見学を

鐘つき見学を終えたあとは、5時半から本堂でお坊さんたちのお勤めを見学。

本堂のなかはこんな感じ。天井からぶら下がる天蓋や吊灯篭が金色に輝いて厳かな雰囲気。

お坊さんたちがズラリと一列になり本堂に入場するシーンは、かなり迫力満点で編集部キッズのなかには泣いてしまう子も(笑)。それもまたいい思い出。


お経が配られ、お坊さんたちと一緒に読経。

ふりがなが振られているので、小学5年生になる編集部キッズは、一緒になって一生懸命読経していました。

お焼香もできます。子どもたちも見よう見まねでトライ!
子どもがぐずったら休憩室で待機もOK!

朝のお勤め見学は6時過ぎまであります。小さなお子さんがぐずってしまった場合は、本堂近くの総受付がある報恩閣内に休憩所があるので、そちらで待機も可能。ちなみに敷地内には授乳室も完備されています。
4. 朝食は喫茶室「園林」で絶品湯葉丼を

お待ちかねの朝食は、久遠寺から車で3分、徒歩17分ほどの場所にある喫茶室「園林」で。

宿泊施設ですが、食事だけの利用もOK。山梨名物の「身延杜露里湯葉丼(みのぶとろりゆばどんぶり)」をいただきました。濃厚クリーミーな湯葉がやさしい味わいで、いくらでも食べれちゃう。薬味をプラスするとさらに絶品で、編集部一同ほぼ言葉も発さずペロリ。南山梨に訪れた際には、ぜひとも味わってほしいです。

湯葉丼は正直大人向けのお味なので、お店の計らいで子ども用にミートソーススパゲッティも用意してくださいました。ありがたい……!
5. 「南之坊」で子どもも一緒に写経体験

お腹が満たされたところで次に向かったのが「南之坊」。こちらで、写経体験をしました。

用意されていたものは、書道具、お手本のお経、写経用紙。お手本の上に写経用紙を重ねて、お経を書き写していきます。

お坊さんの修行、そして祈願や供養のために行われる写経。無心でお経を書いていると精神が研ぎ澄まされる感じがするので、心身ともに癒されたい人におすすめ。

小学5年生のキッズ。上手に書けました!

ちなみに、子ども用にこんなに可愛いイラストも用意してくれました。普段握ることのない筆ペンに、子どもたちも嬉しそう。

3歳と6歳の子どもも、最後まで集中して取り組むことができました!
6. 「花火資料館」で線香花火づくり&お土産購入

写経体験のあとは、<線香花火づくり体験>と<中ノ倉峠ハイキング>の2コースに分かれました。まずは、線香花火づくりからご紹介。会場となったのは「花火資料館」。

「花火資料館」では、花火の歴史を学ぶことができるほか、実際に使われている花火玉の模型などを見ることができます。
想像以上に難しい! 線香花火づくりのワークショップ

子どもたちも一緒に線香花火づくりをさせてもらいました。写真のカラフルな紙を使ってつくっていきます。

火薬を包んだら、紙をねじるのでは縒(よ)っていくのですが、それが本当に難しい……! 実際にやってみたらわかると思うのですが、初心者が売り物のような美しい線香花火をつくるのはほぼ不可能だと思います(笑)。

つくった線香花火は、その場で火をつけてみることが可能。上手に形にならなくても、美しい火花を咲かせることができました。

子どもたちも、自分がつくった線香花火からきれいな火花を咲かせることができて大喜び! つくった線香花火は持ち帰ることもOKです。
まるで駄菓子屋のような「はなびかん」で買い物を!

花火資料館のすぐ側に「はなびかん」という花火専門店が。写真の通り、さまざまな種類の花火がズラリ……! まるで駄菓子屋のような景色に子どもも大人もテンションアップ。

カラフルで可愛い花火を1本から購入可能。見た目が可愛いだけでなく、それぞれに職人さんのこだわりが詰まっているので、説明書きも要チェックです。

手持ち花火だけでなく、置くタイプの噴出花火もたくさん!

テンション上がりまくっていた編集部員Sの購入品はこちら! 1本あたり数10円のものもあったので、たくさん購入していました。花火がキティちゃんに見えるメガネや、グリルされた食べ物デザインの花火など、ユニークな商品も。
7. 逆さ富士が望める「中ノ倉峠」でハイキング

ここからはハイキングコースのご紹介。編集部員が挑んだのは、旧千円札に描かれる“逆さ富士”が望めることで有名な「中ノ倉峠」。こちらの案内図がある麓には、駐車場、お手洗いが完備されています。

いざ、頂上を目指して出発! ご覧の通り、ハイキングとは言え登山要素も強いため、体力に自信がない方や小さなお子さんは参加が難しいかも……?

麓から中間地点までは急斜面が多く、体力のある男性でも息があがるほど。登山ほどの距離はないけれど、登頂したときに達成感を得られること間違いなしです。

こちらが中間地点で撮影した写真です。すでに美しい景色! ここから頂上までは、比較的なだらかで登りやすいのであとひと踏ん張り。

麓から20~30分かけて頂上に到着。見てください、この見事な逆さ富士……! 富士山はもちろん、それを映す本栖湖も美しい。

旧千円札に描かれている“逆さ富士”と全く同じ景色が広がっており感動必至。ただし、天候によって見え方が変わってくるのでご注意を。中ノ倉峠を登る際は、ぜひ旧千円札のご準備をお忘れなく!
8. 最後は「道の駅 富士川」で昼食&買い物を満喫

二手に分かれて線香花火づくりとハイキングを満喫した編集部員たちは、最後に「道の駅 富士川」で合流。5町1市のなかの“富士川町”にある道の駅です。
野菜直売所には新鮮な野菜がたくさん!

この地域で生産された採れたての新鮮な野菜の直売所が併設されています。青々とした葉物野菜が本当にフレッシュ!

写真にはありませんが、トマト、ユズ、ラフランスが富士川町の特産品なので要チェックです。

大粒イチゴもおいしそう……! 編集部キッズが釘付けでした(笑)。
“5町1市”の名産品もズラリ!


冒頭で紹介した、南部町、身延町、早川町、市川三郷町、富士川町の5つの町に南アルプス市を含めた“5町1市”の名産品コーナーも。

各エリアの名産品が紹介されていますが、こちらの道の駅で購入できないものもあるのでご注意を。

ギフトにしたいおしゃれなパッケージのものや体によそそうなものなど……気になるものばかり! 最近健康に気を遣っているので、南部町の「まむし粉末」がとても気になります(笑)。
ウッドデッキテラスで休憩するのがおすすめ!

2階にはこんなに広々としたウッドデッキが。景観を邪魔する高い建物もなく、最高! 子どもたちも楽しそうに走り回っていました。

昼食は、旬の山梨県産食材が食べられる和食店「寿司・和食 おかめ」のお弁当をいただきました。まず開けた瞬間に編集部一同大歓喜……! 彩り豊かで「目にもおいしい」という言葉がぴったり! 本当にすべての食材がおいしくて、南山梨の魅力にどっぷりハマってしまいました。
ここまで、南山梨の魅力をたっぷりお伝えさせていただきましたが、まだまだ知らない素敵なスポットや料理がありそうで、編集部員も口を揃えて「また南山梨行きたいね!」と話しています。早起きをしたり、子どもが難しい内容の体験があったり、正直子連れで楽しめるかな……? という不安もありましたが、結論めちゃくちゃ楽しめました! 都会では味わえない体験がたくさんできて、編集部キッズも大満足だった模様。ぜひみなさんにも一度、南山梨の魅力に触れていただきたいです♪