月刊コラム、65回目。
4月になりました。
今回は、普段イギリスの小学校に通っている娘が約2週間だけ、日本の小学校に体験入学した話。
きっかけは、在英歴の長い先輩に薦められて知ったのですが、娘のように海外に住んでる子が日本に一時帰国した際、短期で学校に通うことを受け入れてくれる制度があるそうです(もちろん地域や学校によって違いますが)。
娘はもし日本に住んでいたら、この4月で1年生になる年齢。イギリスでは5歳から小学校 (Reception Class) が始まっているので、すでに2年目というところなのですが、9月始まりという事もあり春休みも長いので、その期間を利用して体験する事を決めました。
実は結構前にその話を聞いていて、本人も「毎日ちがうメニューの給食がでる!」という情報に目を輝かせていたので(イギリスは7パターンくらいのメニューのローテーションが1年中続きます……笑)、いつにしようか?と考えていたのですが、1年生の入学式から学校の雰囲気や文化を学ぶほうが、他の生徒と同じくゼロからのスタートで本人も学びやすいだろうな、ということでこのタイミングに。
流れとしては、
まず小学校に直接連絡し、受け入れ可能か問い合わせる (今回の場合は学区内に祖父母や、身分を証明する人がいればOKという回答でした)
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アポイントを取り、年末に帰国した際に娘と学校へ足を運び、見学や書類の手続きを済ませる。
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3月末の帰国後、再びパスポートをもって事前の手続き(私の地域では、本人のパスポートの入出国記録のスタンプが必要でした)と、入学に際して必要なものの確認。
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入学式当日を迎える。
という感じでした。
そんな感じで今回は、ロンドンから羽田に着いてそのまま地元の広島へ。
広島は、夏は海水浴、冬はスキー場と、四季を感じられる街。買い物にも困らないし、瀬戸内の素晴らしい気候、ご飯もおいしい、ということで、とっても愛している地元です。
この日は 街の中心部から路面電車で20分くらいで、宇品の海岸沿いに到着。
ランチを食べて、ちょっと買い物。このエリアにはカフェ、家具や雑貨のお店、ベーカリーが並んでいます。4月で街は桜満開、海沿いはもう初夏の雰囲気も感じられました。
さて、入学の準備。
考えてみると、イギリスでは入学式がありませんでした。学校の初日というのはあったけど、セレモニーは特になかった。入学式に着ていく服を選ぶ、というのも初めてで、若干焦る。
「入学式」「服」で検索。スーツやコサージュは勿論ない。結局、実家にあったモノトーンの服で着地。スニーカーはだめそうなので、母のヒールを拝借……。
それはよいとして、娘の入学に必要なグッズがまぁなんとたくさん!
色鉛筆1本1本、そのすべてに名前を書くというワクワクのタスク付き。意外とその作業好きかもしれない。小さくて可愛い名前シールはこれのためにあるのだね、たのしいぞ。前に、ロンドンの友達に、日本のお名前シールを注文してお土産にしてあげたらすごい喜ばれた。
イギリスでは、ノートや教科書は持って帰らず、今のところ週1で出る宿題はオンライン上で済ませるか、アプリでのPDF送付なので、持ち物は「筆記用具」と「水筒」のみという、ほぼ手ぶら状態で通っており、すべてが新しい日本の学校の持ち物について、何度もプリントを読み返し。
さしあたり、体育館シューズ、室内上履き、ペンケース(四角いやつ推奨)、下敷き、教科書は日によってプリントに記載あり、体操着、算数セット、給食着、などが必需品な様子。
短期通学になるので先生とお話して、1度しか使わない物などは、学校の予備を貸し出していただけることになりました。
ピンクの上履き、可愛い。
日本の小学校を、過去の思い出ではなく、新たに親の目線でみてみると、新しい発見が多く、知らないことも多かったので勉強になりました。
今のところの1年生に関しては「子どもだけでやること」「親だけでやること」が分かれているなという印象を持ちました。
例えば、イギリスでは11歳までは大人が付き添って外を歩く事が法令で決められているので、学校にも一緒に通うのですが、日本では1年生からひとりで通う子もいる。
さっき言ったように宿題も、親のアプリに直接送信されるので、PC画面を開くなりPDFで印刷するなりが必要で、結局一緒に終わらせなければできないことが多いのですが、日本ではプリントで渡されるので、自分でやってみることもできる。(自分が小学生の時は、ランドセルの奥でぐちゃぐちゃになったプリントを数日後に発見したという経験があるが……)
ランチも、イギリスではシェフがサーブしてくれるのでランチホールで食べるだけなのですが、ここでは給食当番がいて、子どもたちが食事の準備をして、片付けもする。娘はそれを喜んで「今日は机をふくJobがあるの!」と張り切っていました。
その他にも、上履きへの履き替えや体操服への着替え(イギリスでは体育がある曜日は最初から制服ではなく体操着で登校)、おじぎをしながらの丁寧な挨拶などを習ってきて、とてもよい経験をさせてもらい、本当に感謝です!
そんなふうに「いちねんせいはじぶんでやるの」という空気感を捉えたのか、娘も「じぶんで行くの!」と不安ながらも、いつもみたいに手を繋いで並んで歩かず、ちょっと前を歩いてみる娘 ↓ (笑)
最初の3日間は慣らしのような感じで、3時間ほどで終わったので、一瞬のコーヒータイム。
とはいえ、学校からの連絡と手続きがすべてプリントで渡されるので、大量の紙と文字に目を通して、記入しているだけでタイムアップ。。日本の空港の入国手続きなんかもそうですが、ペーパーレスというのはなかなか難しいのでしょうか。これがいちばん驚いたことでした。
クーピーやクレパスなどの教材費も、子どもに直接請求書を渡し、その封筒に数千円の現金を入れて学校に持ってきてねと言うシステムも、確かに、昔からあったとは思うのですが、すごいことだな!と。
そして、先生がめっちゃ丁寧。ファイルブックに連絡カードが入っていて、何かあったら書いてくださいね、と書いてあったのだけど、何もなかったから書いてなかったら、娘「マミー。マミーだけこのピンクの紙、書いてないよ!」私「え?!そうなの?」
じゃあ一応……「もろもろ貸し出しの件、よろしくお願いします」と書いたら、その日わざわざ先生からお電話をいただいて「ご心配おかけして、申し訳ございません! 問題ありませんので、他にもしご心配なことはありませんか?」と。
ひえぇーー わざわざ……丁寧。だけど、逆になんかゴメン……!
これは、親もだけど、学校の先生は本当に大変だなぁ……プリントだったり連絡手段だったり、このあたり、一気に変えることは難しくても、もっと事務的なことはさくっとオンラインに移行するとかできたら、先生も余裕できるんじゃないか、と何もわからず勝手なことを思ったり。こちら側からしたら、過剰なくらい丁寧ですヨ! ありがとうございます。
娘は、と言うと、
入学式から友達ができて楽しくやっているようで、給食も初日から「2回もおかわりをした!」と言っていて、広島弁もマスターしつつあり、非常にたくましいばかりです。新しいことが多くて楽しいと言っているので、本当よかったなぁと。
小学校終わりに、学生時代の友人のお店に立ち寄り、和みの時間。落ち着いた街の雑貨屋で、とても癒されるのでおすすめです。
木村兄弟雑貨店(広島市中区東千田町2丁目13-7・日月定休)
このね、お店のオリジナルのレターセットがめっちゃ可愛い。彼女のことは10代の頃から知っているけど、長年のカープのファンでもあり、アツい。最近、こういう広島グッズが大好きになっている。
名前もいいよね、ひろしまづくし。
娘、お店の空いた時間に工作をさせてもらった。マミーへのサプライズとのことで、何かと思っていたら、ポケモンのおまけのついたハッピーセットだそうだ(笑)。それは君が欲しいやつじゃないか。
そんな感じで、短期の体験入学、楽しみました。最後に、広島のソウルフード「むすびのむさし」を紹介。
(…なぜ!笑)
むさしの弁当のおいしさの半分は「広島人の思い入れ」と思っているんだけど、想像以上においしいので、ぜひ立ち寄った際にはお試しください。これをおさえとかんと、いけんよ。俵むすびには秘伝のたれが。
イートインのうどんもおいしい!
娘は「何が食べたい?」と聞くといつも「うどん」と言う。
と言うことで、小学校体験入学とひろしまを思いっきり楽しんだ春休みでした。それじゃ、また。