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    「イギリスのルッキズムと多様性」MEGの英国式・子育てレポートvol.87

    「イギリスのルッキズムと多様性」MEGの英国式・子育てレポートvol.87

    イギリス・ロンドンで暮らすシンガーソングライター、デザイナーのMEGさん。8歳の娘さんと過ごす日々を紹介する人気連載87回目。今回は、昨今注視されているルッキズムや多様性、それにともなう子どものスマホ事情について綴ってくれました。お友だちと比べて体が小さい娘さんに、MEGさんが伝えたこととは?
    シンガーソングライター、デザイナー さん
    シンガーソングライター、デザイナー
    MEG

    こんにちは。
    あっと言う間に3月。

    やっと暖かい日もチラホラで、たまに浮かれて出かけては、風邪をひいたり花粉にやられたりしております。

    今年の娘の誕プレは、電話ボックスのレゴ

    そんな風に鼻が終わってるなか、いくつかのニュースをみていたときに、親子で向き合うルッキズムという日本の記事を見つけました。

    最近はよく言われるようにもなってきたので、あえて説明は不要かと思いますが「ルッキズム」とは、見た目に基づいて人を評価したり、特定のタイプを「美」と決めつけることで、多様性を否定したり差別をしたりする考え方や言動のこと。

    つまり、外見を気にしすぎることで、自己肯定感が下がってモチベが下がったり、周囲との関係が悪化したりするという影響がSNSなどを通して、今は小学生にも広がっていると。

    うちの黒猫くんも来月で19歳、元気にいてくれてありがとう

    思い返してみると、自分だって10代の頃は多くのコンプレックスを持っていたように思う。

    今はもう昔すぎて、一つひとつを思い出せないけど「もっとこうだったら……」というのは常にあったと思うし、今みたいにSNSがなかった時代だったのがせめてもの救いで、当時流行ったプリクラでも、写りを気にしていたタイプだった。

    今でも自撮り文化は苦手で、写真にはできるだけ写りたくないと思っている。

    記事を読んで、私は日本で子育てをしたことがないので、小学生の現状がいまいち掴めてないのが申し訳ないのだけど、フラットホワイトのおいしい珈琲屋さんで、自分が見えてる範囲でこっちの現状を書いてみる。

    数年前に引っ越してきた今住んでいるエリアは、当時、住民の中でアジア人の占める割合が2%とカウンシルのデータベースに記されていた。

    確かに娘が通うナーサリーの中で、ひとりだけ日本人の子に会って、お互いに驚いたくらいだった。

    その後、小学校に進むと、クラスにはさらにたくさんのバックグラウンドを持つ友達がいることがわかった。

    インド、フランス、スイス、アメリカ、ドイツ、イタリア、スロバキア……英語以外の母国語を持っているのも普通で、宗教もさまざま。もちろん見た感じも違うので、誰にどういうルーツがあるのか、わからない。

    給食時間を例に挙げると、

    宗教やアレルギーによっても食べられない食材があるので、それに対応したメニューを食べている子もいたり、ビーガンやベジタリアンの生徒にもそれぞれ別々のオプションがあったりするので、ランチホールのなかでも結構違うものを食べている。

    (ちなみにメニューにバリエーションはほぼなく、毎日、フライドポテト、ジャックポテト、マッシュポテト……と形をかえた芋がでてくるのはイギリスの定番。しかも、金曜日はほとんどの公立学校でフィッシュ&チップスと決まっていて、これは冗談じゃなく、学校に通い始める5歳からずっとそうなっている。※本件とは関係ないが、これは重要な補足として…笑)

    数人のムスリムの子どもたちはラマダンの時期は断食するので、ランチホールにいないときもあるそうだ。

    例えば、そういう話を聞くまで、それぞれの宗教や家庭のバックグラウンドのことを、親同士でもあえて聞くことがないので、会話のなかのエピソードで相手が話せば知ることもある、という感じで、何年も一緒のクラスでもお互いのことをたぶん想像でしか理解してない。

    というよりも、イギリスの「あまり相手をぐいぐい詮索しない」というような文化もあってか、それぞれ別のカルチャーがあるのだけど、それはそれとして、一緒にコーヒーを飲んだり、同じコミュニティに属している。

    子どもたちは、今のところ一緒に遊べてればいいようで、そんな風にみんなそれぞれ違った環境から集まっていても、『そういうもの』で、逆に、同じキャラクターを好きだったり、同じ靴のサイズだったりするのを発見すると嬉しかったりするみたいだ。

    最近可愛いと思ったスニーカー、購入を検討中

    まだ8歳なので、ボサボサの髪型で学校へ行っても、別に気にしないと言ってたりして「本当に気にしてないな!」と思う瞬間が多いのだけど、それでも、プチコンプレックスが生まれないわけではないらしい。

    娘が去年、クラスのとある男の子から「小さいくせにって言われたーー! (たぶん対等に主張が強いからと予想……) 」ってプンプンして学校から帰ってきた日があった。

    もちろん半分アジアのルーツがあるので、他の子に比べると同じクラスのなかでも頭ひとつ小さい。むしろ、クラスで1番か2番目に小さい。

    なんなら私だってほかの親のなかに混ざると、頭ひとつどころじゃなく身長差があるので、考えてみるといつも誰かを見上げて話している。

    そのことがあってから、なんとなく小さくて「得」なことについて話すようになった。

    そのせいもあって、娘は最近は「小さくてラッキーだ!」と自分でもよく言うようになった。

    具体的には、

    前にも「お小遣いどうしてる?」話のにとき書いたように、うちでは発表会や表彰をされたときなど、がんばったと思ったときに、投げ銭的にその都度、自由に使えるお金をクレジットとして追加してあげる方式にしているので、

    コーラスやクラスの発表会で、私の見えるところに立ちたい娘にとっては、背の順というのはかなり有利に働くらしく、だいたいのときに最前列にいる。

    どうやってセンターをいつもとっているのかはわからないのだけど、私からするといつもよく見える所をポジっていて、オーディエンスとしては非常に助かる(笑)。

    娘がくれた、落ちてた桜。結局このスニーカーを買った

    その投げ銭システムで、ほかによかった点としては、発表会のある自己表現的なスキルを育てるアクティビティには、積極的に参加しているように思えるので、そういう場数も彼女の自信につながっているみたいで、よい経験になっている気がする。動機については追求しない。

    あと、小柄で得した瞬間でいえば、

    カフェやマーケットに行くと、実年齢より幼く見えることで、おまけのお菓子をもらったりして、娘「小さくてほんとラッキーだった……」とか小声で喜んでいる。

    ゆっくり大きくなったらよいよね、って話している。

    自分の個性について認めるというのは、言うよりもなかなか難しいと思うけど、子どもたちの見える世界を広げることで、ポジティブな面についての気づきが増えるのはよいことだと思う。

    身近にいる人に認めてもらうということは、誰にとっても心強いことで、ときには言葉にしてよいところを伝えるのもいいよね。

    今、ロンドンの親たちのなかでは、15歳までスマホを持つのを法律で規制したらどうか?という流れがある。これに関しては大賛成だ。

    SNSが標準になった今の時代、子どもたちの精神的な成長期に、視覚的にしか見えない範囲で、自分や相手に触れることが本当に必要かは、もしかしたら、親がそれを許すかどうかにかかっていて、かなり重要な決断のような気がする。

    最近、iPad で Spotify をよく聴く娘に、画面のないタイプのいわゆる昔の iPod shuffle (スイッチのみ) のようなビジュアルの、新しい音楽プレイヤーが出ていたのでそれをたまたま昨日注文したところ。

    自分もだけど、どんどん情報やデジタルから離れた時間をどうとるか?を考えている。

    PROFILE
    meg
    MEGさん
    シンガーソングライター、デザイナー
    シンガーソングライター、デザイナー。2002年デビュー、ファッションと音楽を結ぶカルチャーアイコン。現在ロンドン在住で日本と英国を行き来しながら、新たなコンテンツや商品の開発、自身のアパレルブランドのディレクターを務める。
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