月刊コラム、60回目。
今回は、胃腸炎になったときの話。
食文化の違いもあり、なかなか大変でしたが興味深かったので、書いておこうと思います。
あ、その前に。
先日、娘とイギリスで公演されている『となりのトトロ』の舞台を観に行って来ました。何度も観た名作アニメがどう表現されるのだろう……ととても楽しみにしていました。
会場はこんな感じ。
バービカンシアターは、初めて入りましたが席の傾斜が結構ついてて、どの席でもきっと観やすいんだろうなぁと思いました。座席もやわらかくてソファみたい。
演出の内容はネタバレになるので、あまり多くは書けないのですが、ネコバスもトトロももちろん出てきたので、娘は、舞台をみてさらにこのお話が好きになったようでした。やはり子どもにとっては立体でキャラクターを体感することは、大きな経験なのだな。日本語&英語を織り交ぜながら演奏される音楽もよかった。
映画と比べると、より各キャラクターの感情の動きは大きく描かれていたように思いました。
メイとサツキと一緒にお父さんが神木に祈るシーンなども、そうか、そういう感情もあるよね、と気づかされたり。
日本の『いただきます』や『ごちそうさま』にあるように、あらゆる物や事柄に神のようなものが宿るという感覚が、黒衣で表現されていて、違う文化圏の人がみたときにどのように感じるんだろうというのにも興味が湧きました。
総じて、楽しかったです!
日本での公演があるのかわかりませんが、改めてこのオリジナルストーリーの凄さを感じました。
という事で、話はタイトルに戻って。
そうです、イギリスで胃腸炎になりまして。
はい……
実はまだこの記事を書いているときも回復中ではあるのですが、通常に近い生活が送れるようになるまでも約10日以上かかっていて、なかなか大変でした。
原因にいくつか、心当たりはあるんです。
前の週に、娘がいわゆる「タミーバグ」というこっちの学校でたまに流行る腹痛のようなものにかかって、一晩だけ腹痛と高熱がでたときがありました。そのときは私はなんともなかったのですが、もし感染によるものであれば、これもあるかなと思います。
あとは、たぶんこっちだろうと最初に思った原因は、普段ポテトチップスを食べないのですが、その日に限って妙においしく感じて食べてしまい。その夜から、胃がなんかもたれてるなぁという感じがあったのですが、翌朝起きてもそれが治ってなくて。
あれっ?と思っている間に、夕方には胃が重く、歩くのも立ち上がるのもつらい状況に。
1日中、エビのような体勢で床にころがっていました……
すると愛猫がそれに驚いて、
『おぉい、しっかりしろ! 気は確かか!!』と、焦って全力で噛んできて、手も負傷する始末……
ただ胃が痛いだけで、食欲がなかったわけではないのですが、何か食べるとその夜、というか明け方まで眠れないほど胃の中で消化されてない感じが残って、どの体勢でいても気持ちが悪い。つまり、食事をするとそれが12時間くらい胃の中にあるような感覚で、痛みの原因でもあり。
という事で、
まずは消化のいいメニューを検索。
まず、野菜をゆっくり煮て味噌汁をつくってみたのですが、これでもまだ胃がついてこれずもたれてNG。だめか。こうなったらば、基本に立ち戻り……
『重湯』。
重湯、つまりお粥よりも少ない米を大量の水で煮たお粥の煮汁?のようなもの。ビジュアルはこちら。これならいけるだろう……!
というか、胃もたれが怖くて何も食べられなくなっていたので、この若干のお米の甘さもめっちゃおいしいと感じて、日本の定番メニューに恐れ入りました。
もちろん、ノー胃もたれ!
お粥、お米、おいしいな……
日本だとお米やうどんって言うけど、隣の家のイギリス人のママ友に、こんなときは何たべるの?と聞いてみたら、帰ってきた答えは、
『トースト、ジャムもバターも何もつけないトースト』
とのこと。
そうか、こちらの人はお粥じゃなくてトーストなのか……と。
そんじゃぁ、それも食べてみよう。
という事で、はい、こちら。
特に写真に撮ることもないほど、普通のパンです。
パンもお腹に違和感でず、セーフ。
さすが、食事の定番は強し。
とはいえ、
よくならないのでファーマシー(薬局)へ。
イギリスは日本と医療システムが違うので、体調を崩したときはこれらの選択肢があります。
↓
1、相談窓口111に電話をして、必要と判断された場合GP(近くの登録している診療所)か NHS(病院)の予約がとれるので、診察を受ける。診察や手術などの処置は無料、薬は有料。ただ、混み合っているので早くて2週間後だったりする場合もある。その間、悪化したら救急車に電話してと言われる。
2、私立病院へ行く。すぐ診てもらえるが有料、だいたい£250(=40000円)くらいかかるかも。
3、近く薬局の薬剤師さんに相談しにいき、市販薬を買って自宅で様子をみる。
4、自力での治癒を信じ、しばらく様子をみる。
だいたい、風邪くらいなら4のパターンの人がほとんどのような気がします。私調べ。
無料で診察が受けられるのですが、すぐに診てもらえる可能性は低く、待ち時間も長かったりするので、病院にかかるというのが日本ほど身近な事ではないかもしれません。子どもの場合もほぼ同じですが、赤ちゃんや妊婦さんだったりすると優先してくれます。
旅行保険に入って観光で来られている場合や、別途医療保険に加入している場合は2のプライベートの病院に行けば費用負担も少ないと思います。
ということで、とりあえずファーマシーで購入した定番の胃薬「ガビスコン」。効果は、やや効きでした。
それでも、動けないのには変わりなかったので、やはり先ほどのオプション1を決行。
相談窓口で問診を受け、奇跡的にその日に診察を受けられることになりました。とはいえ、空きがあったのは家から片道1時間ほどの病院。とりあえず向かい、効く薬をゲット。写真の下のやつです。
これが効いた!
翌日から回復に向かい、今に至ります……
コーヒーは刺激が強いので、おやすみ。
今は日本で買った「ごぼう茶」を飲んでいます。むくみにもいいらしい。
少し食べられるようになってきたので、消化にいい食材リストのものを混ぜて鶏団子のスープをつくった。鶏肉、豆腐、ニンジン、ホウレンソウ。
これも胃にはセーフ。
まだ消化に時間がかかるものの、不快感はなく、体もあたたまりました……。
固形物がいけるようになってきたと判断し、次。
マッシュルームと鶏ササミのゴルゴンゾーラチーズ煮。ササミは消化にいいらしいです。
じゃがいも、リーク、魚(Basaという柔らかい種)などなど消化にいいものを購入。
療養食は続きます……
リークをスープで柔らかく煮込んで魚を加えて、マッシュポテトで蓋をしてオーブンに入れたフィッシュパイのようなもの。
20分ほど焼いて完成。
おいしかった……
ということで、食事も元に戻りつつあり、回復中です。
まだ胃の消化機能が弱っているのか、すっきりするまで時間がかかるので、娘と食事の時間を少しずらし、夕食は4時までに終わらせていて、ついでに朝は8時以降に食べるルールでなんとなく16時間ファスティングを続けていて。きっかけではあったので、この習慣はしばらくやってみようかなと思っています。
出産を経て、40代、食も含めていろんなところを見直していかねばなりません……。
何でも好きなだけ食べていい時期は終わったのだ……!
いたわってこ。
ロンドンは秋が深まり、クリスマスのムードが始まりつつあります。
それではまた、次回!