CONTENTS
1.離乳食の全体的なスケジュール
2.離乳食初期(ゴックン期・生後5〜6ヵ月頃)とは?
3.1回の量と増やし方。食材ごとの量の目安
4.離乳食初期の1日のスケジュール
5.離乳食初期のポイント・注意点
6.べっーとされない離乳食初期のゴックンレシピ
7.離乳食を上手に進めるコツ
離乳食の全体的なスケジュール
まずは離乳食のスケジュールをチェックしましょう!
■離乳食初期(生後5〜6ヵ月頃・ゴックン期)
「トロトロ」から「ベタベタ」へ
「トロトロ状のものから始めて、ベタベタ状まで進めていく時期です。10倍がゆからスタートし、1日1回、ひと口ずつ増やしていき、徐々に7倍がゆに移行します。離乳食をはじめて1ヵ月後くらいから2回食をスタート!」(管理栄養士・清水季代さん、以下同)
■離乳食中期(生後7〜8ヵ月頃・モグモグ期)
「ツブツブ」から「みじん切り」へ
「ゴックンにすっかり慣れたところでツブツブ状へ。舌を上下に動かして、モグモグする練習です。おかゆは5倍がゆ、野菜は舌で簡単につぶれるツブツブ状にし、パサつく魚や肉にはとろみをつけて食べやすくしましょう」
■離乳食後期(生後9〜11ヵ月頃・カミカミ期)
「粗みじん切り」から「コロコロ」へ
「モグモグの次は、歯ぐきでカミカミに挑戦! 粗みじん切りからコロコロ状まで進めていきます。後半からは3回食に進んでいきましょう。この時期から母乳やミルクよりも離乳食からの栄養が上回るので、鉄分補給を意識してくださいね」
■離乳食完了期(生後1歳〜1歳半頃・パクパク期)
「半月切り」から「輪切り」へ
「カミカミすることに慣れてくると、やわらかく茹でたニンジンの輪切り程度なら、前歯で噛み切れるようになります。半月切りから輪切りくらいまで少しずつ段階を上げていきます。食材による味の違いやかたさの強弱を経験させてあげましょう」
離乳食初期(ゴックン期・生後5〜6ヵ月頃)とは?
離乳食をスタートし、2ヵ月の間を言います。離乳食を始めるのは、以下のようなサインが出てきてから。
・首がしっかりと座る
・支えてあげると座れる
・よだれの量が増えてきた
・生活リズムが整ってきた
・食べ物を目で追う
……など
「最初は1日1回、授乳時間のどこかに離乳食を加えていきます。母乳やミルクを飲むことしか知らなかった赤ちゃんにとって、水のようにトロトロの10倍粥でも、びっくりするもの。ママもはじめはドキドキするけれど、笑顔とやさしい声かけで、赤ちゃんを安心させてあげましょう。3日目くらいから2さじに、5日目くらいから3さじへ……というように、赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ増やして。5日目ごろから、潰してトロトロにしたカボチャやニンジンなどのビタミン・ミネラル源にもチャレンジ! これも最初は1さじから、ちょっとずつ増やします。10日目くらいから、タンパク質源のお豆腐にも挑戦していきましょう」
1回の量と増やし方。食材ごとの量の目安
最初の5日はおかゆのみ。6日目くらいから、トロトロ状の茹で野菜を少しずつ足していき、10日目くらいからタンパク質源を加える流れがいいペース。
「離乳食を開始して1ヵ月くらいしたら、7倍がゆの2回食に入ります。2回食になったからといって、いきなり2倍量ではなく、様子を見ながら量の調整を。どんな食材も最初は1さじから。4~5日は同じ食材を続けて、赤ちゃんが味に慣れるようにしてあげて。おかゆや野菜などは、欲しがる分だけあげてもOK。ただし、体に負担の大きいタンパク質源だけは食品の種類と目安量を守りましょう」
赤ちゃんが好む食材でつくればOK!
【エネルギー源】
・10倍・7倍がゆ……1さじ〜40g
・うどん……1さじ〜30g
・ジャガイモやサツマイモ……1さじ〜10g
・バナナ……1さじ〜20g
【ビタミン・ミネラル】
・カボチャ、ニンジン、ホウレン草、ブロッコリー、ダイコン、トマトなど……1さじ〜10g
・リンゴなど……1さじ〜10g
【タンパク質】
・絹ごし豆腐……1さじ〜25g
・豆乳……1さじ〜大さじ2
・きな粉……ごく少量〜3g
・しらす・白身魚(後半から)……1さじ〜10g
・黄身(固茹で、後半から)……ごく少量~1さじ
離乳食初期の1日のスケジュール
1日の授乳と離乳食のスケジュールは、規則的なペースを心がけて。
「午前中ならば10時前後に、午後ならばお昼寝前の14時くらいがベスト。この時間帯なら、ママもゆっくりと準備が進められるはず。離乳食からとれるエネルギーや栄養素はまだ少ないので、離乳食の後には母乳やミルクを欲しがるだけあげましょう」
※1回食のときの一例
06:00 母乳またはミルク
10:00 離乳食と母乳またはミルク
14:00 母乳またはミルク
18:00 母乳またはミルク
22:00 母乳またはミルク
※2回食のときの一例
06:00 母乳またはミルク
10:00 離乳食と母乳またはミルク
14:00 母乳またはミルク
18:00 離乳食と母乳またはミルク
22:00 母乳またはミルク
離乳食初期のポイント・注意点
離乳食初期の流れがつかめてきたところで、ポイントと注意点を。
「以下の6つのポイントをおさえ、少しずつステップアップをしていけばOK。『おいしいね〜』『これは○○だよ〜』などと、たくさんお話しながら、食べる楽しさを教えてあげて♪」
1)スプーンは水平に
「離乳食を自分で口の中に取り込めるようにしてあげたいので、上唇にこすりつけるのはNG。スプーンでちょんちょんと下唇に触れ、自分で口を開けたら水平にスプーンを下唇に置き、上唇が自然に下りてきたら、まっすぐにゆっくりとスプーンを引き抜きます」
2)食品の数は少なくてOK
「初期は様子を見ながら離乳食に慣らすときなので、たくさんの食材を経験させてあげる必要はありません」
3)離乳食のあとの授乳は欲しがるだけ
「この時期の赤ちゃんが離乳食からとれる栄養は、必要量の10〜20%ほど。残りは母乳やミルクから栄養を摂取しているので、離乳食後は欲しがるだけ、母乳やミルクをあげましょう」
4)生後6ヵ月中には離乳食をスタート
「生後7ヵ月を過ぎると赤ちゃんの体内に貯蔵されていた鉄分が減少し、母乳やミルクだけでは栄養不足に。また、遅いスタートにより離乳食の進みが順調にいかず、咀嚼の力に影響が出ることもあるので、遅くとも生後6ヵ月中に始めましょう」
5)味付けとお肉はまだ早い
「この時期の赤ちゃんは、内臓が未発達。調味料は腎臓に負担をかけるし、最初は素材の味を感じさせてあげたいので、調味料はまだ何も使わないで。また、肉は脂肪分が多く、消化の負担がかかります。アレルギーも出やすいので、もう少し待って」
6)衛生管理を徹底!
「赤ちゃんは大人よりも抵抗力が弱いので、食中毒を起こしやすいもの。調理前に髪はまとめ、キッチンや調理器具は消毒して清潔に。手と食材洗いは念入りにし、食材は必ず加熱を。冷凍や冷蔵保存をすみやかに行い、衛生管理も丁寧にしましょう」
べっーとされない
離乳食初期のゴックンレシピ
離乳食初期におすすめの3つのレシピをご紹介。10倍がゆにつぶした野菜や豆腐をプラスします。食べやすくする工夫も合わせてチェック。
基本の<10倍がゆ>のつくり方
【材料】約12回分
ごはん……100g
水……500cc
【つくり方】
1. ごはんと水を鍋に入れてほぐし、中火にかける。
2. フツフツとしてきたら、蓋をして弱火で15〜20分加熱する。
3. 火を止めて10分蒸らす。
4. 1〜2食分以外は製氷皿などに入れ、冷凍保存する。
すぐに使う分以外は、蓋付き製氷皿で凍らせ、ひとつずつラップに包んでチャック付きビニール袋での冷凍保存をしましょう
離乳食初期レシピ01.
10倍がゆ+カボチャミルク
10倍がゆ+カボチャミルク
離乳食初期から使いやすいカボチャに、母乳やミルクを足して馴染みの味わいへ。「カボチャミルクは4〜5さじ分になります。赤ちゃんの離乳食の進み具合であげる量は調整してください」(料理家・みないきぬこさん、以下同)
【材料】1回分
カボチャ……10g
水……小さじ1
母乳または湯で溶いた粉ミルク……適量
10倍がゆ……大さじ1(15〜20g)
【つくり方】
1. 耐熱容器にカボチャと水を入れてラップをし、600Wのレンジで50〜60秒加熱する。熱いうちにマッシュし、様子を見ながら、母乳や湯で溶いた粉ミルクでトロトロ状になるまで伸ばす。
2. ひと肌くらいに冷ました10倍がゆに1のカボチャを適量(2〜3gから)トッピングすれば完成。
Point>>>
「搾乳した母乳や馴染みの粉ミルクを湯で溶いたものを少しずつ加えながら、混ぜ合わせて」
「カボチャの水分量や離乳食の進み具合に合わせて、適したペーストの状態に調整しましょう」
離乳食初期レシピ02.
10倍がゆ+トマト
10倍がゆ+トマト
ミニトマトをつかったトマトがゆ。「ミニトマト1個が10g程度なので、離乳食初期の量での調理にぴったり! トマトの皮は湯むきしましょう」
【材料】1回分
ミニトマト……1個(約10g)
10倍がゆ……大さじ1(15〜20g)
【つくり方】
1. ミニトマトは湯むきし、横半分に切って種を出す。すり鉢に入れて、すりつぶす。
2. ひと肌程度に冷ました10倍がゆに1の全量を混ぜる。
Point>>>
「10秒ほど湯にくぐらせたミニトマトを水に取り、ヘタ部分から指で皮を引っ張れば、簡単にむけます」
「横半分にカットし、軸部分にティースプーンの柄を当てると種が取りやすいですよ」
離乳食初期レシピ03.
10倍がゆ+豆腐
10倍がゆ+豆腐
初めてのタンパク質源は植物性の豆腐から。「舌ざわりのなめらかな絹ごし豆腐は、離乳食初期から使いやすいタンパク質源です」
【材料】1回分
絹ごし豆腐……1個(約10g)
10倍がゆ……大さじ1(15〜20g)
【つくり方】
1. 小鍋に湯を沸かし、絹ごし豆腐を入れてひと煮立ちさせる。
2. 1の絹ごし豆腐をすり鉢に入れてすりつぶしてトロトロ状にし、ひと肌に冷ました10倍がゆに全量をのせる。
Point>>>
「離乳食で使う食材はすべて加熱して殺菌するので、絹ごし豆腐もひと煮たちさせてから使いましょう」
離乳食を上手に進めるコツ
初期は特に、食材や道具の衛生面に配慮が必要なとき。煮沸消毒がしやすく、少量でもつくりやすい小さな専用の調理道具を用意するのがおすすめ。
「直径9〜12cmくらいの小鍋やミニゴムベラ、小さい乳鉢と乳棒があるとつくりやすいです。10倍がゆの上にのせたペーストは、すぐに混ぜ合わせてしまうのではなく、まずはそれぞれの味がわかるような形ですくってあげて。器の中を赤ちゃんに見せながら『これはカボチャだよ〜、甘くておいしいよ』などと語りかけてあげるのもいいですよ。目で見て、匂いを感じて、ママの声、舌ざわり、味と、五感を刺激するように進めていきましょう」
離乳食は、母乳やミルクしか飲んでいなかった赤ちゃんが、食べ物を口にするという成長の上でとても大きなステップ。妊娠発覚からここまで、あなたの体からの栄養で、赤ちゃんはこんなに大きくなりました。すばらしい! さあ、次のステップです。新鮮で味の濃い旬の野菜や豆腐を手に入れて、ママの五感もフルに生かして、離乳食づくりを楽しみましょう。