子どもを寝かしつける時間は、1日の中でもゆっくりと親子のコミュニケーションが取れる貴重な時間。そんな幸せを感じるひと時には、子どもと世界を共有できる、絵本の読み聞かせが最適です。ママのやさしい声で語られる物語に、子どもも心地よく夢の世界へ。
3~5歳の園児は、言葉の意味やつながりがだんだん分かってくる時期なので、ストーリーのあるおはなし絵本がおすすめ。ぜひ、鈴木さんの選書を参考にしてみてください。
きょうはそらにまるいつき
『どこかの国のどこかの街の一夜の様子を丹念に描いた作品。いつも見上げればそこにいるお月さまが、優しく大らかに包んでくれる日々はなんと豊かなことでしょう』(鈴木さん)
それぞれの人が暮らす、それぞれの場所に、同じ月のやさしい光がふりそそぐ、そんな満月の夜のお話。色々な場所で繰り返される「きょうはそらにまるいつき」という言葉に、あたたかな幸福感を感じられる絵本です。
荒井良二/作 偕成社 ¥1,400
まんげつのよるまでまちなさい
『「ちょっと待って」「あとでね」子どもは一日に何回この言葉を耳にすることでしょう。そして大人もついつい口にしてしまっていることでしょう。「待つ」ことの大切さをユーモラスに暖かく描きます』(鈴木さん)
まだ見たことがない“夜”を見てみたいあらいぐまのぼうやは、何度もお母さんに「まんげつのよるまでまちなさい」と言われます。絵本を読みながらぼうやと一緒に「待つ」ことで、いつの間にか上手に「待つ」ことを覚えられる作品。
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 ガース・ウィリアムズ/絵 松岡 享子/訳 ペンギン社 ¥1,000
ねんころりん
『1日の終わり、お布団に入って読むのにぴったりな絵本。なんとも眠そうな動物たちを眺めているだけでついついあくびが出てしまいそうです。心地よく眠りの世界に誘ってくれますよ』(鈴木さん)
様々な生き物たちが、いろいろあった1日の終わりに、眠りにつく様子を「ねんころりん」という心地よい言葉のリズムで描いていく。生き物たちが疲れて眠っていく姿が、自然に眠気を誘ってくれます。
ジョン・バーニンガム/作・絵 谷川 俊太郎/訳 ほるぷ出版 ¥1,300
お問い合わせ先
偕成社 03-3260-3229
ペンギン社 03-3440-0598
ほるぷ出版 03-5291-6781