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    【父親から見た子どもたち vol.3】フォトグラファー松木宏祐さん夫婦が続ける写真館とこれから。

    【父親から見た子どもたち vol.3】フォトグラファー松木宏祐さん夫婦が続ける写真館とこれから。

    パパ写真家が、自身の子ども写真とともにわが子の成長を振り返り、思い思いに綴る連載企画。第3回目に登場いただくのはフォトグラファーの松木宏祐さん。雑誌や広告、ムービーなどの撮影で幅広く活躍するのと並行に、同じくフォトグラファーである妻・川越まどかさんと夫婦で『杜写真館』を続けています。そんなフォトグラファー夫婦が家族で取り組む写真館を続けながら思うことと、これからの未来のことをお話しいただきました。

    夫婦で一緒に何かやってみたい。
    フォトグラファー夫婦が営む写真館

    僕と同じフォトグラファーの仕事をしている妻と、一緒にできることは何か?と考えたときに、思い浮かんだのが「写真館」でした。

    僕も妻も共通して、“街にある昔ながらの写真館”という文化が好きで、「いつか」と思っていたことが初めて形になったのが2018年12月のこと。

    学芸大学の『BOOK AND SONS』でのフリマイベントに誘われて、小さなスペースで出張写真館をやったことが『杜写真館』の始まりです。

    杜写真館の“杜”は、長男の名前から取りました。

    歯磨きをしてもらう兄弟。二人とも笑顔でこちらを見ている。

    妻まどかさん、長男トキくん、次男シキくん。

    今の杜写真館は、イベントなどで記念写真を撮り下ろす出張写真館と、個人のオーダーを受けて七五三などの行事で出張撮影する2つの軸で活動しています。

    リクエストがあればデジタルで撮るときもありますが、ふたりともフィルムで撮るのが好きなので、出張写真館では基本的には35mmのフィルムで撮り下ろしています。

    黒い壁を背景に家族三人で記念撮影。パパが子どもを抱っこしている。

    次男妊娠中のときの家族写真

    データのほかにも、1枚プリントをつけて渡しています。

    もしスマホが壊れてしまったら、せっかく撮った写真のデータはなくなってしまいます。

    ネガやプリントは、災害などが起きても残る可能性が高いです。ものならなくなりづらいなと思って、プリントをつけることに決めました。

    家族で写真館を続けることと、喜び。

    写真館をやっていて、お客さんに僕たちが撮った写真が届いて喜んでもらえることが何よりのやりがいです。

    その家にずっと飾られるような、大切な写真を撮れることがいいなと。

    毎日目に留まるような場所にその写真が飾ってあって、写真を見たときに「家族っていいな」と思える1枚を撮りたいと思いながらやっています。

    海岸沿いでお散歩をしている風景。ママと男の子と赤ちゃん。

    以前「マタニティから撮ってもらいたい」と依頼をしてくれたお客さんに子どもが産まれて、「七五三を撮ってほしい」と頼まれて、撮影をしながら一緒に成長を感じることができることも最近嬉しく思いました。

    親戚の子どもじゃないけれど、それに近い距離感で見守れること。

    そのまま成人式まで撮って……とか、10年20年撮り続けることができたら、と思い描くだけでも楽しい。

    僕たちも『杜写真館』のイベントのときは、合間に自分たちの家族写真を撮るようにしています。定点観測のような、自然と家族の成長を感じられるものになっているのもおもしろいです。

    白い背景の前で家族4人で写真を撮る。パパはお兄ちゃんをママは赤ちゃんを抱っこしている。

    出張写真館のイベントの合間に家族写真を撮影するのが恒例。

    子どもに働く両親の姿を見せられる

    写真館をやっていてよかったと思えるもうひとつのことが、子どもたちに僕たち両親がどういう仕事をしているか見せられること。

    子どもが大きくなるにつれて、出張写真館のイベントにもついてくるようになりました。

    長男が使わなくなったオモチャを持って、お客さんの子どもをあやしてくれたり、子ども同士で心開いて仲良くなっていることもある。

    家の一角でレゴして遊ぶお兄ちゃん。

    息子には決してカメラマンを目指してほしいわけじゃない。

    けれど、物事に対して、何か発見できることをやらせたいなと思って、習い事も工作をやっていたり。

    写真は周りを見渡してから撮るので、発掘力が身につくと思います。カメラマンになってほしいというよりかは、そういう力が育ってほしいなと思っています。

    でも、長男は撮影するのが好きみたいで、持っているカメラはもう3台目くらいです。

    僕たちが撮影する姿を見て、「僕も撮ってみたい」と、最初は子どもカメラから渡してみて、今は中古で買ったコンパクトデジカメを使っています。

    あとは、2020年に次男が生まれて4人家族になったことで、長男が下の子を見て気づくことも多いみたいです。

    「今のシキくん(弟)と同じ年齢の僕の写真を見たい」と頼まれたり、当時の写真を見て、僕もこんなに小さかったとか思っているのかな。

    お兄ちゃんの上に乗って喜んでいる赤ちゃん。

    妻は3人兄弟、僕もふたり兄弟と、どちらも賑やかな環境で育ったので、ひとりだけじゃ気づかないことに気づけることは嬉しいですね。そして、写真が時間を超えたコミュニケーションツールになっていることも。

    移住と、これからのこと。
    多くの人に愛される写真館を目指して

    今は都内に住んでいますが、来年葉山に引っ越しをします。

    葉山の家をつくっている最中で、お客さんが来て記念写真を撮れるような、自宅兼写真館にする予定です。家のなかに写真を撮れるちょっとしたスペースをつくろうと思っています。

    さらに引っ越しを機に、夫婦で撮りためた家族の日常写真を集めて、写真集にまとめたり、都内で展示をしたいなと思っています。まだ妻には話してないですが(笑)。

    家の前で家族4人で記念撮影。車も一緒に写真撮影。

    子どもの写真でいえば、僕が多く外に出て仕事をしている分、どちらかというと妻の方が子どもの日常写真を撮ることは多いと思います。

    写真は現場にいないと撮れないので、僕の方が見れてないなと思う瞬間が少しだけ多い。保育園の送り迎えでこんなことがあったんだな、と写真を介して日常を共有し、僕も気づきをもらっています。

    妻と僕の写真を比べて細かい違いはわからないけれど、まとめているうちに何か見えてくるものがあるかもしれません。それぞれで違いが見えてきたら面白いなと勝手に思っています。

    夫婦それぞれで個性が浮き出てくるような気もするし、仕事の作風より違わない気もしています。普段ずっと一緒にいるし、子どもたちが僕らに見せる表情は違わないので。

    どんなものになるのか、今はそれが楽しみです。

    電車の席に兄弟で座っている。お兄ちゃんは赤ちゃんの頭を撫でている。
    PROFILE
    松木宏祐さん
    フォトグラファー
    5歳と1歳の男の子のパパ
    1983年生まれ、大阪府吹田市出身。東京都在住。大阪芸術大学写真学科卒業後、バナナプランテーションに勤務。スタジオ在籍中にMOTOKO WORKSHOP2008に参加。富士フォトサロン新人賞2008 奨励賞(姫野希美選)など受賞。2009年から木寺紀雄氏に師事し、2012年に独立。広告、CF、CDジャケット、MV、雑誌を中心に、さまざまな写真や映像を手がける。

    ★2022年夏に『杜写真館』のイベントを開催予定。日時・開催場所の詳細はインスタグラム(@morishashinkan)にて発信。ぜひチェックを!
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    杜写真館
    edit/Riho Abe
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