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    遊びながら学ぼう! 親子で巡るアート&建築さんぽ〈武蔵野編〉

    遊びながら学ぼう! 親子で巡るアート&建築さんぽ〈武蔵野編〉

    美しい建築のなか読書が楽しめる図書館、建築や暮らしが学べるミュージアム、ユニークな遊具のある公園など、子どもの感性を豊かにするアート&建築。美術作家であり建築好きの岡 美里さんに、親子におすすめのアートスポットをお聞きしました。第3回目は、のんびり豊かな地が広がる〈武蔵野〉をご紹介。親子で文化的さんぽを楽しんでみて♪
    教えてくれた人
    岡 美里さん
    美術作家
    二児の母。女子美術大学絵画科卒業、多摩美術大学版画研究室修了。ソニー・ミュージックにてグラフィックデザイナーを経験したのち、美術作家として活動を開始。横顔のポートレイト制作をライフワークとして、日本各地でオーダー会を行う。趣味は散歩と家の物件検索。Instagram(@misato_oka)にて展覧会の告知や【建築探訪】を更新中。
    私たちが体験しました!
    木村さやこさん&つくもちゃん(5歳)
    建築物を見ることが好きなママ。お子さんたちが小さい頃から美術館や博物館などによく足を運んでいる。最近は、少し遠出していろいろなスーパー銭湯に行くのが家族のブーム。「夫婦の趣味でもあるサウナの影響なのか、子どもたちもお風呂好きになりました!」
    CONTENTS
    1. #01 『武蔵野プレイス』@武蔵野市
    2. #02 『江戸東京たてもの園』@小金井市
    3. #03 『国営昭和記念公園』@立川市&昭島市

    あっという間の1日が
    ずっと忘れない1日に

    今回紹介するエリアは、東西に長く伸びる東京都のほぼ中央に位置する武蔵野。都心と多摩地区を結ぶ東京の「芯」です。新宿駅から車、電車ともに1時間圏内ですが、車窓はどこかのどかな空気が漂い、大きな空に迎えられた到着時には「遠くまで来た」とチル感が得られるはず。
    早起きしてお弁当づくりが不安……というママパパもご安心を! 現地でランチがとれるスポットを厳選しました。朝から気楽に気の向くままに。小旅行気分でお出かけください。

    ART SPOT #01 『武蔵野プレイス』@武蔵野市

    図書館だけじゃない
    わくわく空間を体感

    遠く離れた図書館に出かけることがある。目当ては噂の建築や充実した蔵書。ひととおりパトロールしたあとに、ふといつも利用しているであろうゲストのリラックスした表情に気付く。その横顔はたぶんに誇りも含んでいる。『武蔵野プレイス』もまさにそうした場所。気持ちのいい吹き抜け空間に、自然な明かり、入り口のカフェ……じっくり練られた建築家のプランの延長上に、市民の豊かな生活と、地域の誇りが成り立っていることを実感します。

    日が暮れると楕円の窓から漏れる光が宇宙船のようで、これも見どころ。

    授乳スペースや子ども用トイレも完備。全フロアにエレベーターがあるので、ベビーカーでの移動もラクラク。

    子ども同士や小さい子ども連れの親子が靴を脱いで自由に本を読むことができるスペース。2Fのこどもライブラリーには大型絵本や紙芝居も充実! 同じフロアに料理・子育て・旅行など、ライフスタイルの図書があるので、親子で一緒に読書が楽しめる。テーブルや椅子は北欧家具の『アルテック』のもの。

    地下1Fはメインライブラリー。フロアの吹き抜けからは自然光が入り、本に囲まれた落ち着いた空間に。アールを多様したデザインも甘くならず、むしろシャープなイメージ。

    フロアを繋ぐ螺旋階段も見逃せないポイント。階段で移動しながら本の世界を堪能して。

    図書館内にある『カフェ・フェルマータ』で休憩。つくもちゃんはこどもパンケーキ(¥630/税込)とキッズドリンク(¥250/税込)をオーダー。

    1Fにあるマガジンラウンジ。充実したラインナップで時間を忘れてしまいそう……!

    ママがオーダーしたのは、お店の人気商品の自家製プリン(¥580/税込)とホットジンジャーラテ(¥590/税込)。

    ママ:ユニークな形で目を惹く外観は圧巻! 館内はアーチの垂れ壁や天井の吹き抜け、丸い照明など、どこも温かみを感じるデザインで図書館とは思えない素敵な空間でした。併設されているカフェも図書館の中にあるとは思えないクオリティでおいしいメニューばかり。カフェだけでの利用者も多いのは納得です。キッズメニューがあるのは子連れに嬉しいポイントでした!
    つくもちゃん:あんなにおっきい絵本ははじめてで楽しかった! パンケーキがおいしかったよ。
    CHECK
    【ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス】
    住所:武蔵野市境南町2-3-18
    開館時間:9:30~22:00 ※カフェは10:00~20:30(FOOD L.O.19:30/DRINK L.O.20:00)
    休館日:水曜(祝日にあたる場合は開館し、翌日休館)
    TEL:0422-30-1905 ※カフェ080-3447-3825
    武蔵野プレイス HP
    カフェ・フェルマータ Instagram

    After →→→ 時間があれば『はけの森美術館』へ移動してみて。武蔵野の面影が色濃い雑木林と湧水に包まれたアートスポットです。

    ART SPOT #02 『江戸東京たてもの園』@小金井市

    ジブリにそっくり建築あり
    異空間へタイムスリップ

    「食育」「服育」があるのに「建育」がないのはおかしい!? たくさんの建築に触れ、今から美意識を養おう。失われゆく東京の貴重な建造物が移築された『江戸東京たてもの園』はそんなトライにもってこい。
    東ゾーンは架空の町並みがフォトジェニック 。日本のモダニズム建築の巨匠・前川國男邸を含む西ゾーンは、歴史的名建築の住宅展示場さながら。「どの家に住みたい?」なんて親子の会話も弾みます。靴を脱いで間取りを見て回る体験もこちらの売り。一流なものが発するパワーをダイレクトに受け取ってくれることでしょう。デ・ラランデ邸でランチをとれば、将来建築家も夢じゃない!

    建築家・前川國男の自邸。おんぶスタイルで「おじゃまします~」。

    日本におけるモダニズム運動を主導した建築家・堀口捨己が設計した小出邸。

    自然光のすばらしい建築家・前川國男の自邸。外観は切妻屋根の和風、内部は吹抜けの居間を中心に書斎・寝室を配したシンプルな間取り。

    当時オランダで流行していたデザインと、日本の伝統的な造形を折衷した造り(小出邸)。つくもちゃんはあまり見ない和室に大興奮。

    デ・ラランデ邸内の一部は『武蔵野茶房』がカフェとして運営しているので、ランチもばっちり。つくもちゃんはサイダー(¥770/税込)を注文。

    瀟洒な写真館に交番、荒物屋、洋館、などが建ち並ぶ園内を歩いているとタイムスリップしたかのよう。

    カフェとしても利用できる、デ・ラランデ邸。平屋建ての洋館をドイツ人建築家・ゲオルグ・デ・ラランデにより3階建てとして大規模に増築。

    1962年に製造された都電7500形の車両に入って、昔の電車を体験!

    ママ:建築やインテリア好きには有名な前川國男邸。大きな木枠の格子窓から差し込む陽の光と、吹き抜けに吊されたイサム・ノグチのAKARIはかっこよすぎて、忘れまい! と脳に焼き付けました。家具のセンスや配置等、お家づくりのアイディアとしてもとっても参考になりました。デ・ラランデ邸のカフェはシックで可愛いかったです♡ 窓辺で娘とティータイムだなんて、優雅で贅沢な時間でした。
    つくもちゃん:ふかーいお風呂にママと一緒に入れてうれしかった! サイダーがシュワシュワでおいしかったよ!
    CHECK
    【江戸東京たてもの園】
    住所:小金井市桜町3-7-1
    開園時間:9:30~※閉園時間は季節によって異なる ※入園は閉園時刻の30分前まで ※カフェは10:30~閉店時間は季節によって異なる
    休園日:月曜(祝日または振替休日の場合は、翌日休園)、年末年始 ※カフェは修繕工事のため2025年1月15日(水)~2月28日(金)まで休業予定
    TEL:042-388-3300
    観覧料:一般¥400、小学生・未就学児童は無料 ※毎月第3土曜、それに連続する日曜は、都内在住で18歳未満の子を同伴する保護者は観覧料半額
    江戸東京たてもの園 HP

    After →→→「建育」で頭と心をフル回転したあとは、同じ小金井公園内「わんぱく山」のダイナミックな遊具でのびのび遊ぼう。

    ART SPOT #03 『国営昭和記念公園』@立川市&昭島市

    親子二代で遊ぼう
    老舗公園をアップデート

    東京ドーム約39個分にも及ぶ広大な公園ですから、自転車を借りてまずは“こどもの森”を目指すのも手です。「雲の海」を裸足で駆け周ればすぐにお友だちができること間違いなし。活発なお子さんなら「石の谷」で心ゆくまで冒険を。自然、スケール、造形物、神秘性、どれをとってもまたとない昭和・平成時代からの贈り物を活用しよう。園内には「太陽のピラミッド」を始め、伊東豊雄「花みどり文化センター」、隈研吾「オカカフェ」が点在し、建築マニアの興味もくすぐられます。

    こどもの森の巨大なトランポリン「雲の海(ふわふわドーム)」は造形的にも美しく、子どもの食いつきも段違い。

    こどもの森内にある「地底の泉」。大きなすり鉢状の穴の底には、季節によって水の量が変わる不思議な泉が。

    こどもの森内の森の家に併設している『もりのだがしや』。軽飲食やオモチャの販売もあり、子どもたちに人気。

    「こどもの森」に車で行く場合は、砂川口に車を停めてレンタサイクルで向かうのが正解!

    とにかく広大な敷地なので、レンタサイクルがおすすめ。チャイルドシート付き(前乗せ、後ろ乗せあり)や2人乗りのタンデムもあり。

    「みんなの原っぱ」の東側にある『オカカフェ』は、建築界の巨匠のひとり、隈研吾が設計。

    ママ:フワフワドームが想像していた何倍もの広さに驚きました! 大人も一緒に遊びたくなるくらい楽しそうで、これは家族でまた来たい!  そして公園内に駄菓子屋さんがあるなんて! 子どもにとっては1日中いられる夢の国ですね(笑)。隈研吾特有の木組みがかっこいいカフェは、穏やかな時間が流れる素敵な場所でした。広大な広さの公園でしたが、レンタルサイクルを利用して、一周するのも気持ちがよくてとっても楽しかったです!
    つくもちゃん:ボヨンボヨンするところと、トゲトゲの場所がいちばん楽しかったよ! なが〜い滑り台も好きだった!! お菓子屋さんは、いっぱいあって悩んじゃったけど、チョコとかラムネとか、いろんな色のグミがおいしかった♡ 自転車はママの後ろに乗れたから楽しかった!
    CHECK
    【国営昭和記念公園】
    住所:立川市緑町3173
    開園時間:9:30~(みどりの文化ゾーンを除く公園施設)※閉園時間は季節によって異なる
    休園日:年末年始(12/31、1/1)、1月の第3月曜日から金曜日
    TEL:042-528-1751
    入園料:一般¥450、中学生以下は無料
    国営昭和記念公園 HP

    Lunch →→→ 園内には手軽に利用できる合計14ヵ所の売店やカフェ、レストランが。荷物は少なめにしてぜひ利用しましょう。

    心が動くところが学びの場
    歩いて、見て、感じて

    いかがでしたか? 閑静な住宅地に広々とした学校、豊かな自然環境を有する公園。とかく子育てしやすい武蔵野エリアですから、すでにお馴染みかとは思いますが、未訪なスポットがあれば足を運んでみてください。
    子どもは乾いたスポンジみたいなもの。見たもの、聞いたもの、感じたものをどんどん吸い込み成長しています。せっかくなら一流なもの、心地よいものに接する機会を、さりげなくつくってくださいね。子どもが子どもでいてくれる時間は本当にあっという間なのですから。

    photography/Masaharu Arisaka text/Misato Oka
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