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    センスのいい家族が暮らす家【vol.6 カラフルな住まい・タキ加奈子さん、柴田ユウスケさん邸】

    センスのいい家族が暮らす家【vol.6 カラフルな住まい・タキ加奈子さん、柴田ユウスケさん邸】

    大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.6では、カラフルで遊び心たっぷりの空間に暮らす、グラフィックデザイナー・タキ加奈子さん、柴田ユウスケさん夫妻のお家をご紹介。内装から間取り、家具選びまですべてが個性的! 子育ても家事もおしゃれもはかどる、理想の住まいのヒントを探ります。
    profile
    タキ加奈子さん/柴田ユウスケさん
    グラフィックデザイナー
    デザインスタジオ「soda design」主宰。エディトリアルデザインをベースにブランディングや広告、パッケージなどデザインのカテゴリを横断しながら、「視界が広がる提案と、ユーモアを。」をモットーに活動中。

    FAMILY:4人家族(パパ・ママ・長男7歳・長女3歳)
    HOUSE TYPE:一軒家/注文
    HOUSE DETAIL:築1年/約100㎡/ワンルーム+テラス
    AREA:神奈川県川崎市

    こだわりの住まいについて

    家族みんなで過ごせる空間を重視した
    ポップでユニークな住まい

    もともと家を建てる予定はなかったというタキさん、柴田さん夫妻。2年前、柴田さんが偶然見つけたこの土地の見晴らしのよさが気に入って、マイホーム計画が動き出したそう。ならばと設計を依頼したのは、以前から憧れていた「suzuko yamada architects」。

    平日は仕事で子どもと一緒にいられない分、家ではできるだけ同じ空間で過ごしたいこと、デザイナーという仕事柄が表れるユニークな住まいにしたいということを伝え、このワンルームのカラフルな住まいが出来上がった。

    家の中に階段が3つあったり、個々の部屋の仕切りがなかったり。ユニークなしつらえに、はじめは不安な気持ちもあったけれど、暮らしてみればしっくりと馴染んだそう。「家族みんなが自然と同じ空間で過ごすようになり、今はそれが暮らしに合っています。いずれ子どもが大きくなれば、リビングやベッドルームの場所を変えるなど、間取りを調整できる余白があるのもワンルームの魅力。あと部屋がカラフルだと、ものが多くても気にならないことも住んでみて気付いたメリットです(笑)」(タキさん)

    「妻は古道具が好きで、僕はモダンなデザインの家具が好き。好みはバラバラですが、この家では不思議とどちらもよく馴染み、お互いの好きなものが共存した住まいになりました」(柴田さん)

    LIVING & DINING

    自然の中にいるような
    大きな窓が主役の食卓

    大きな窓に面した食卓。窓の外には、ビワや夏ミカン、梅などの木々が生えた庭があり、四季ごとに違う景色が楽しめる。カーテンはあえてつけず、まるで外で過ごしているような開放的なリビングに。「窓の外に木々のグリーンが広がるので、床は空や海を連想させるブルーに。建築士の山田さんのアイディアで、リビング全体で自然を感じられるカラーリングにしました」(タキさん)

    部屋に合わせてイスもカラフルに。フィリップ・スタルクの〈AIチェア〉や、名古屋のセレクトショップ〈Dhal Homes〉で扱う竹内友有生さんの木のイス。「もともとインテリアにはあまり頓着しないほうだったのですが、この家に越してから家具選びが楽しくなり、イスも合うものを買い揃えました」(柴田さん)

    〈無印良品〉のベンチやテレビボードは、以前の家で使っていたもの。シンプルな見た目だったので、ペンキを塗って今の家に馴染むようアレンジ。

    食卓の照明は、この家に越したタイミングで購入した〈TOUMEI〉のもの。カラフルな配色と個性的なフォルムが、インテリアによく合う。

    KITCHEN

    “吊る収納”で、すっきりまとめる
    コンパクトで動きやすいキッチン

    ステンレスの業務用キッチンは、カラフルなインテリアを引き締める存在。キッチンの背部に同じステンレス素材の〈無印良品〉の収納棚を置き、生活空間とキッチンの仕切りに。ここも大きな窓に面していて、外の景色が楽しめる。「ワンルームでも圧迫感がないよう、キッチンは壁付けで、冷蔵庫も突き当たりの壁沿いに置き、作業スペースをできるだけ広く確保しました」(柴田さん)

    食器は〈無印良品〉の収納棚に。器もカラフルなものを取り入れるようになった。作家ものから〈TRICOTÉ〉や〈ideaco〉など、子どもが使っても安心な割れない素材のものも愛用。

    使いかけの袋入り調味料は、〈Amazon〉でまとめ買いしたワイヤークリップで挟み、タオルバーに吊り下げて収納。「収納が少ないので、掛ける収納を多用しています。ワイヤークリップは、細々したものを吊り下げるのに便利です」(柴田さん)

    古道具の食器棚はヴィンテージショップ〈HYST〉で購入。カラフルなインテリアに馴染むよう、棚の一部に色を塗り、壁紙を貼ってアレンジ。

    KIDS ROOM

    “場所”をあえてつくらずに
    子どもが自由に遊ぶ場を見つける

    リビングや寝室の一角など、オモチャ置き場が部屋のあちこちに。キッズスペースは特別につくらず、子どもたちは好きな場所にオモチャを持って行って遊ぶ。「ワンルームで見通しがよいので、どこで遊んでいても子どもの姿が目に入り安心です。特定の遊び場がない分、家全体を使って自由に遊んでいるのも、のびのびしていていいなと思います」(タキさん)

    ベッドの横にも〈IKEA〉の棚を置いて、子どものオモチャを収納。ベッドと棚の間の小さなスペースも、子どもの遊び場になっている。

    子ども用キッチンは、オーダーメイドでつくれる〈サザンツリー〉のもの。兄妹とも小さい頃から大好きで愛用。

    〈ブルーナ ボンボン〉のミッフィーのバルーン遊具は、床のブルーに映えるブラウン色が気に入って購入。今は娘さんの大のお気に入り。

    家の中には3つの階段があり、ひとつは屋上へ繋がっているが、残り2つは行き止まり。実はこの先に、将来的には兄妹の子ども部屋を増築する予定があるそう。「子どもが幼いうちは個々の部屋は必要ないので、最上階は自由に駆け回れる屋上に。年頃になったタイミングで、子ども部屋をつくろうと思っています。成長に合わせて家の形も変えていけるように、という設計士の山田さんのアイディアです」(タキさん)

    BEDROOM

    ポップで可愛い寝室は
    カーテンで仕切りをつくり快適に

    リビングの奥にあるベッドルームは、セミダブルベッドをふたつ並べた広々とした空間。ここに、家族4人で眠っている。奥には夫婦の衣類が収納されていて、海外ブランドのクローゼットカバーをつけて目隠しにした。「寝具は〈IKEA〉で購入したもの。海外ブランドならではのポップな色合いが、家の雰囲気によく合い、気に入っています」

    ベッド全体を囲む大きなカーテンで、子どもが寝たあとはリビングとの間に仕切りをつくり、灯り漏れを防いでいる。「ベッドルームとバスルームは、外側に大きなカーテンレールを取り付けて、カーテンで仕切れるように。これだけでワンルームの中にも間取りが生まれ、快適に過ごせます。家のカーテンはすべて、日暮里の布地屋で購入した布で仕立てたもの。インテリアに合うよう、柄やサイズを吟味したオリジナルです」(タキさん)

    BATHROOM

    個性的なタイルが目を惹く、
    海外風のおしゃれなしつらえ

    部屋の真ん中にある、ブルーの入り口が可愛らしいバスルーム。四方はすりガラスのような半透明の壁で、どこか海外風のおしゃれな雰囲気。浴室内には細かなタイル、外側は赤やグリーンの個性的なタイルを貼った。「外のタイルのデザインが気に入っていて、CDのコレクションや絵を飾り、まるでお風呂ではないようなインテリアにしました。ここの一角は部屋の中でも特に好きな場所です」(柴田さん)

    タイルの模様に合わせて、ランドリーバスケットも格子柄に。〈IKEA〉で購入したランドリーバスケットは大容量で家族分の洗い物がおさまり、軽くて持ち運びもしやすく便利。

    洗面所も部屋の真ん中に独立して置かれた個性的なつくり。壁付けではない分収納が少ないので、歯磨き粉は吊り下げて収納。正面右上に小さな手鏡を設置して、洗面台の鏡代わりに。

    WORK SPACE

    階段の裏側を
    作業スペースに活用して

    自宅で仕事をするときは、階段の裏がタキさんの作業スペースになる。家具の置き方ひとつで“居場所”をつくり、ワンルームの繋がった空間を自在にアレンジした。「はじめはリビングで仕事をしていましたが、この場所にデスクとイスを置いたらちょっとした個の空間になって、より集中できるようになりました」(タキさん)

    コンパクトなデスクとスツールも〈IKEA〉のもの。デスクはノートパソコン一台がちょうどよく置けるサイズ、横にはドリンクカップホルダーも付いていて便利。スツールは下に雑誌が収納できて一石二鳥。


    今が完成系ではなく、家族と暮らしの変化に合わせて少しずつアレンジし、住み替えていきたいと話していたタキさん&柴田さんの住まい。限られた空間に快適な居場所をつくる工夫や、〈IKEA〉など身近なアイテムを活用した収納のアイディアも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    photography/Eri Kawamura text/Kaoruko Seya illustration/Chika Osawa
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