寒い時期の子どもの
肌トラブル事情を調査!
肌トラブルと一言で言っても、症状や対処法はさまざま。子どもの肌トラブルの実態について、HugMug読者のみなさんにアンケート調査(HugMug編集部調べ)を行いました。
寒い時期、子どもの肌トラブルはありますか?
90%以上のママが「肌トラブルがある」と答える結果に。肌にトラブルがあると、患部の炎症による不快感だけでなく、機嫌が悪くなったり、十分に睡眠が取れなかったりなど、子どもの生活全体に影響が出がちです。
子どもの肌トラブル、どうやって対処していますか?
「皮膚科の処方を受けている」と答えたママが60%以上いて、肌トラブルへの意識の高さがうかがえます。一方、ドラッグストアが身近な存在であるにも関わらず、「市販薬を使用している」のはわずか7%ほど。市販薬の購入にハードルを感じているママが多いことがわかります。
お家ケアで子どもの肌トラブルをケアするとき、
どんな薬を選んだり、どんなケアをしたらよいか迷うことはありますか?
お家でのケアに「迷いを感じる」と答えたママはなんと90%以上。「一刻も早く治してあげたいけれど、家庭でのケアがよくわからず、とりあえず病院に連れていく」というママが多いようです。
HugMugママのお悩み相談室
テーマ「子どもの肌トラブル」
ここからは田辺三菱製薬の柴 純久さんを迎えて、お家で肌のトラブルを対処する際に知っておきたい知識についてHugMugフレンズの3人が教えていただきます。
教えてくれた人
柴 純久さん
田辺三菱製薬
ヘルスケア事業部に所属し、一般用医薬品(市販薬)の学術・商品企画・マーケティングを担当。
お悩みママ#01
まいこさん
3歳・女の子のママ・現在妊娠9ヵ月
自身が幼少期から現在までアトピー性皮膚炎に悩まされている。長女も季節の変わりめに肌トラブルを起こしやすく、親子で皮膚科処方の保湿剤や薬のケアが欠かせない。
お悩みママ#02
ゆいなさん
2歳、1歳・男の子のママ
敏感肌の子どもたちは、小児科処方の保湿剤を使用中。長男は湿疹などを繰り返しかきむしるのでなかなか完治しないのが悩み。次男は太腿や頭皮などが乾燥しがち。
お悩みママ#03
ありささん
4歳・女の子のママ
大きな肌トラブルはないものの、肌のかぶれや乾燥による湿疹などの細かなトラブルは日常茶飯事。現在専門医にはかかっていないので、家庭でのケアに興味津々。
子どもは常に敏感肌!?
悩めるわが子の肌トラブル
冬になると、肌が乾燥してトラブルを起こしやすくなりますよね。みなさんのお子さんはどうですか?
長男は以前に小麦アレルギーがあった影響からか、今でもトラブルを起こしやすい気がします。次男は秋生まれで、生後少し経ってから乾燥には悩まされました。
私は自分がアトピー性皮膚炎で今も通院していることもあり、季節の変わりめや冬場の乾燥はとくに気になりますね。子どもは乾燥する部分と汗をかきやすい部分が混ざっているので、ケアの方法が難しくて……。
うちの娘はそんなに大きな肌トラブルはないのですが、乾燥すると赤くポツポツとした湿疹が出ることがありますね。
冬は気温が下がることで、空気中の水分が減り、皮脂の分泌や汗の量が減っていきます。肌の皮脂膜や角質層(セラミドや天然保湿因子を含む)が乱れやすくなり、肌の水分が逃げてしまうことで肌の乾燥が起こるんです。人間の皮膚は本来、肌の水分の蒸発を防いだり、刺激やアレルゲンなどの異物の侵入を防ぐバリア機能という働きをもっていますが、子どもはそのバリア機能が未成熟。赤ちゃんの皮膚だと大人と比べて1/3〜1/2程度の厚みしかありません。そのため、常に敏感肌の状態なんです。
生後3ヵ月ごろまでは皮脂の分泌が盛んですが、3ヵ月を過ぎたころからニキビができやすくなる思春期ごろまでは皮脂の分泌が減るのでずっと敏感肌の状態が続きます。ただし、大人に比べて皮膚が薄いということは、薬の成分が浸透しやすいということでもあります。適切なケアをすれば、効き目を実感しやすいんですよ。
かゆみ、湿疹には
ステロイド入りの治療薬が有効
冬の時期、いつもお家ではどのようなケアをしていますか?
親子でお風呂上がりのケアは欠かせません。必要であれば皮膚科で処方されたステロイド薬も使っています。定期的に皮膚科に通ったり、毎日娘のケアの後に自分のケアもしたり……肌のケアは本当に大変だなと日々実感しています。
私も小さい頃にアトピーだったので、子どもにはそうなってほしくないと思い、小児科から処方されるクリームで保湿を徹底していますね。
みなさん、保湿のケアはかなり意識して行っているようなので、ぜひこのまま続けてください。ここでひとつ覚えていてほしいのは、肌トラブルにも違いがあって、かゆみや発疹のない乾燥肌なら保湿剤を塗れば乾燥は治まるのですが、かゆみや湿疹がある場合にはかゆみを抑えるかゆみ止めや炎症を抑えるステロイドが入った治療薬を使う必要があるんです。
かゆみや湿疹は、薬を塗らないと治らないんですね。湿疹ではないのですが、友人の子どもが虫刺されをかきむしってしまい、蜂窩織炎(ほうかしきえん)で入院した話を耳にしました。娘も湿疹をかきむしることがあるので、肌のトラブルは安易に捉えずきちんと薬で治さなきゃいけないなと思いました。
子どもはかゆみを我慢できませんからね。治療の基本は2つあって、『かくと悪化するのでかかないこと』『かゆみのもとの炎症を抑えること』です。そのためにも、炎症を抑えるステロイドが入った塗り薬を適切に使うことが重要なんですよ。
市販のステロイド入り軟膏を
小さい子どもに使って大丈夫?
でも、ステロイドは副作用が出ると耳にするので、子どもの肌に使うのを少し躊躇してしまいます。
確かに、飲み薬や注射剤などは全身に効くようにステロイドの量が多いのですが、患部だけに効く塗り薬はステロイドの量も少なく、正しく使えばステロイド特有の副作用を心配する必要はありません。
うちも医師から子ども用にステロイド薬を処方してもらっているのですが、皮膚用の薬でもステロイドの強さの違いはあるんですか?
病院では5段階の強さの薬を重症度や部位で使い分けています。それに対して市販薬は、その5段階中で下から3段階までの強さのものを扱っています。たとえば、小さな子どもやデリケートな部分には弱いランク、かきむしってしまったらより強いランクというように使い分けてみてはどうでしょうか。
市販薬にも強さの段階があるんですね。皮膚科はいつも混んでいて、子どもを連れて行くのも大変なので、市販薬という選択肢が増えるのはとても安心ですね。
市販薬は成分がよくわからなくて、今までかゆみ止めしか買ったことがありませんでした。わが家は今は皮膚科には通っていないので、しかも仕事をしているとすぐに病院に連れて行くのも難しいときがあるので、身近で薬が手に入れられるのは助かります。
ちなみにこの『コートf MD軟膏』は赤ちゃんにも使えるいちばん弱いランクのステロイド成分『プレドニゾロン』を配合した市販薬です。ワセリン主体の軟膏タイプなので、乾燥した患部はもちろん、ジュクジュクした患部に塗っても低刺激なのでしみて痛くなりません。また無香料、無着色、防腐剤・アルコールフリーなんですよ。
余計なものが入っていない無添加というのはさらに安心ですね!
効果的な塗り方を
知っておこう!
塗る時の注意点はありますか? 今まで意識したことがなくて……。
一般にフィンガーチップユニットと表現されるのですが、わかりやすく言えば、人差し指の第一関節にのるくらいの薬の量で、手のひら2枚分の広さの患部が適量です。炎症を起こした部分に刺激を与えないようにやさしく延ばしてくださいね。
湿疹ができている箇所と乾燥している部分が混在している場合、乾燥しているところにも塗った方がいいのでしょうか?
かゆみを伴う発疹がない場所にはステロイド剤は使わないでください。風邪薬も予防では飲みませんよね? それと同じで、予防的には使わないこと。塗る回数は朝晩2回、お風呂上がりに保湿をした後に塗るのがおすすめです。塗る期間は塗り方さえ間違えばければ、数日塗り続ければ炎症は治ります。5〜6日塗っても治らない場合は医師に診てもらいましょう。
ステロイド入りの市販薬を
正しく選んで、正しく使おう
今日は市販薬も処方薬と同じように安心して使えることがわかったので、家庭できる健康管理はきちんと行っていきたなと思いました。
そうですね。市販薬は正しい知識をもって使えば、しっかり自分で治せるんです。何より大事なのは症状が悪化する前に薬でいち早く治してあげることなので、市販薬を適切に使ってみてください。
早速、ドラッグストアの薬売り場をチェックしてみたいと思います! ちなみに、外用薬にステロイドが入っているかどうか、店頭で簡単に見分ける方法はありますか?
パッケージに『第2類医薬品』と書いてあるのですが、この2が四角や丸で囲まれていたらステロイドが入っているということです。四角や丸のない2や3類の塗り薬はステロイドが入っていません。注意して選んでくださいね。
なるほど。今日はとても勉強になりました! ありがとうございました。
HugMugママたちが
実際に使ってみました!
お悩み相談に参加した3人のママたちに田辺三菱製薬の「コートf M D軟膏」をお家で使ってもらいました。
「それほど重いテクスチャーではないので、少量だけ指先に出して広範囲に広げられるのがとてもよかったです。においもなく、娘も嫌がらずに塗ることができました。ドラックストアなどで手軽に購入できるので、今後も使い続けたいですね」(まいこさん)
「子どもの虫刺されや首の赤いかぶれ部分に試しました。使用感は処方箋でいつももらうステロイド薬とほとんど違いもなく、塗布しやすかったです」(ゆいなさん)
「今まで市販のかゆみ止めはメントール入りを使っていました。でも娘がかきむしったあとに塗ることが多く、傷にしみて痛いらしくなかなか塗らせてくれなくて……。でもこの軟膏はメントールが入っていないので、嫌がらずに塗らせてくれました!」(ありささん)
田辺三菱製薬 コートf MD軟膏
薄くデリケートな赤ちゃん(生後6ヵ月以上)の肌にも使えるステロイド外用薬。効き目がやさしい外用ステロイド「プレドニゾロン」を配合し、香料、着色剤、防腐剤、アルコールが無添加。さらに抗炎症成分「グリチルレチン酸」も配合しているので、「プレドニゾロン」とともにかぶれ、あせもなどの炎症を抑えます。皮膚炎やかぶれ、あせも、しもやけなどの疾患におすすめです。
photography/Masaharu Arisaka text/Shino Suzuki