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一週間の学校&寮生活
生活がガラっと変わり、学校での寮生活の始まりです。行ってみたかった17歳以降なら誰でも入学できる、試験や成績もないフォルケホイスコーレの一週間のプログラムに参加しました。
私と息子が行ったのはAVONO OASISという食やウェルビーイングを学べる学校になります。
まわりには何もない自然豊かな場所でした。
AVONOでは動物性のものを一切取らないので、軽食など食べられるものを隠し持って行きました。
こちらを選んだ理由は、3人の子どもをここで育てながら働いている方がいて、その方の娘さんが息子と歳が近いので一緒に遊んだり子どもにもやさしい環境なんじゃないかとおすすめしていただいたから。
授業は息子ではなく私が参加するので、その間息子をどうしようと相談したところ、シッターをお願いしてみてはどうだろうと提案してもらいました。紹介してもらったのは、デンマーク在住の日本人で元生徒だったカナ。カナは長年、日本で保育の仕事をしていたので、とても心強かったです。
授業スタイルは半円のように生徒が座り、その中に先生がいるスタイル。
先生ははじめから、「先生じゃなくてあなたと同じ生徒よ」と。だからディスカッションを大切にすると。みんなどんな体制で授業を受けてもいい。食べても飲んでもいい。ソファみたいなものに座っているので何度か途中寝かけてしまったりもしました。毎日体にとって何が大切かなど、体や食物のエネルギーの授業を受けて、その学んだことを踏まえて午後はクッキングをする、という流れでした。お庭でたくさんハーブを摘んできて、料理に使ったりもしました。
クッキングしているのを外から見ているふたり(笑)。
驚きだったのが、日本の食材が崇拝されていて、日本のお米や玄米、味噌、醤油、梅酢、麹など毎日使われていました。なんだか誇らしく思いました。
デンマークの体にいい料理を教えて欲しいと言うと、「ない!」と言われたり(笑)。
こんな感じで毎日ヘルシーなごはんを先生に教えてもらいながらつくって、みんなで食べました。
とても腸にやさしく毎日快便でした。
息子もまったく食べなかったらどうしようと不安でしたが、野菜は好きなので割と食べていました。
というより余分に補助食を持っていくのを忘れたのもあり、「お腹すいた!」と言われては困るので、たくさん食べさせました。
すると早朝、急に嘔吐。玄米が消化不良になってしまったかなと、焦って不安になりましたが、先生たちには「あんなに口に放り込んで、食べさせすぎじゃないか」と言われました。
確かに(笑)。すぐよくなり食べないと不安になってしまうのはありますが、そんなにたくさん食べなくても成長するし、子どもの意思を尊重させてあげることは大切だなと思いました。
こんな感じで毎日みんなで食卓を囲みました。
こちらは朝ごはん。
玄米、味噌、カボチャの種。みたいな組み合わせですが意外に? おいしいんです。
塩分もあまり摂らない、お酒もまったく飲めない、たまに夜にポテチをこっそり食べる日もありましたが、とても健康的な生活を送りました。
そしていつも一重の息子が、体に健康なものを毎日食べていて塩分をあまり摂取してないからか、滞在中は二重になっていたのです(笑)。
私が授業に出ると毎日シッターのカナがたくさん遊んでくれました。
気づいたら、息子だけじゃなく職員さんの娘も見ていたカナ(笑)。
そして授業はディスカッションを大切にしている、個人を尊重していることをとても感じました。私は疲れも溜まってきて、授業中何度もウトウト寝てしまいます。すると先生が「疲れているなら休憩を長くしましょう!」と。
体調もですが、心の調子もすぐれない人はいつ退出してもいいですし、何よりも自分の心と体を大切にしましょうという感じでした。調子が悪いということをちゃんと言えること、とても大切だなと感じます。
何も恥ずかしいことではないし、そしてみんな違っていることが当たり前という前提。個人を認めようとする姿勢がすごくあるなと思いました。
私は自分の意見を言うことにも慣れていない&聞いたことのない単語もたくさん飛び交い、英語で伝えないといけないことに疲れが溜まっていて、ゆっくり3時間ほど休ませていただくことに。
最初の3日くらいは何も言えず、ただみんなが話しているのを聞いているだけでした。
だんだん慣れてきて途中から発言ができると楽しくなってきました。
楽しくなってきたところで帰る日が近づいてきます。
変わらず、夜9時頃まで明るいので息子はまったく寝ません!
夜、息子を寝かせるために散歩に出かけます。
美しい景色にどこまでも歩いて行きたい気持ちになります。
息子はベビーカーでウトウト、あー寝るかも! ヨシ! と思ったところで、
突然目の前にウシが現れます。
わ!!!! と驚いて見ていたら、急にウシたちが集まってきて、
迷ったけれど息子を起こすことに。「ウシさーん!」とキラキラした目で見ています。
20頭くらい集まってきてこちらを見ています。ふと見ると細い紐の境界線しかないので、あれ? 突進してきたりしないよね??(笑)と急に不安になり後退り……(ウシさんは好奇心が旺盛なんだそうですね)。
でもあまりの美しい光景に感動でした。
ウシさんにバイバイをして帰りました。
さて帰る日です。
慌ただしく帰る準備をしていたら、息子と毎日遊んでいた女の子のお母さんが、ビーガンのおやつを息子に持たせてくれました。
これがとってもおいしくて、息子も早速バクバク食べていました。
大荷物なのでここで働いている職員さんに送ってもらうことに。
帰りも車でいろいろ話していました。
この一週間を通して感じたのが、みんなとても自分らしく生きていてがんばりすぎない、感情の起伏もあまりないように感じ、それはやはり動物性をとらない食事が関係しているように思いました。
日本に帰ったら動物性を使わない食事を心がけてみようと思いました。
「すごく五感が磨かれた感覚があって、脳がクリアになっている気がする」と言ったら、目が大きく開いていると言われ、まさに余分なものがなくなった感覚でした。
そして「あなたの心が穏やかだと子どもも穏やかになるよ。しっかり深呼吸してね」と。
きっとまた日本に帰るとすぐ忘れてしまうかもしれない、でもこの感覚を忘れないようにしようと思いました。
空港に到着、すごい荷物の私。
友人のまゆこが最後見送りにきてくれました。心強かった~。
デンマークに来るきっかけをくれたまゆこ。
何から何までたくさんありがとう。
悪天候でフィンランド行きの飛行機がかなり遅延。
息子、リンゴジュースを飲んですぐ寝てしまい飛行機の中で起きました。
テンションは低くグズグズしているので抱っこすると、私の胸の中でぐったりしていました。
するとムクっと起き上がり急に嘔吐。
え?? とびっくりも束の間、止まらず私の胸で3回嘔吐……!
後ろに座っていたおじさまがすごく上品に「HELP!」と手を挙げてくれます。
慌ててやってきた客室乗務員。
もう私は放心状態になるくらいゲロまみれ……。
頭の中では私着替えないよ……?
息子もさっきうんち漏らしたから……パンツないよ……?
「着替えある?」と客室乗務員。
「ない!」
「乗り換えで買う時間ある?」と聞くと、走らないといけないのでないと。
でも冷静にトイレで服を脱ぎ考えていたら、バッグにぴちぴちのスパッツが入っていることを思い出しました。
下着のパンツまで染み渡るゲロまみれだったので、ノーパンになりキャミソールにぴちぴちスパッツスタイルの私、息子はオムツにトップス、足は薄手のブランケットぐるぐる巻きスタイルです。
後ろのおじさまがずっとやさしくて、「次の飛行機まで荷物を持って行ってあげるよ」とリュックを背負ってくれて、そのやさしさに泣きたくなる気持ちが救われました。
とっても気持ちは急いでいるけれど、おじいさんなので走らせるわけにもいかず、乗り遅れないかドキドキしながらおしゃべりをして(笑)、無事乗り継ぎ日本へ。
飛行機が離陸した途端安堵しました。
ネットで調べて、席はいちばん後ろのトイレが近い席がいいとレビューしている方がたくさんいて、飽きてもうろうろトイレまわりを散歩できたり、後ろの方にも迷惑かけることがないので正解でした。
3人席の隣には誰も来なかったので息子は足を伸ばして寝ることができました。
一度もぐずることなく、事前にダウンロードしていた動画を見放題でした。
嘔吐してしまったのはリンゴジュースを飲んだ後にすぐ寝てしまったことや、飛行機の気圧が理由だったのかなと思います。
私が眠すぎて横になっていると、食べている干し芋を何度も口に運んでくれました(笑)。
長時間の飛行機よくがんばりました◎
空港に到着すると旦那が迎えに来てくれていました。
会って開口いちばんに、「おかえりー! あれ服装変わった?」と言われ。
「あー、このぴちぴちスタイル?(笑)」
私はLAスタイル、息子はオムツで帰ってきたのがおもしろかったそうです。
いろいろありましたが無事に帰って来れたこと、感謝したいです。
あと小さい子連れだと大人の着替えも必要と学びました。
デンマーク人はみんな英語が話せるのですが、それは映画でもなんでもデンマーク語翻訳はあまりなく、英語がわからないと観ることはできないですし、デンマーク語だけでは生活がしづらいと。
日本は日本語だけで文化や社会を発展させているのですごいと言われました。
英語が生活する上で必要じゃなかったから喋れる人が少ないんだなと。
帰ってきてより気づく日本のよさがあり、そして真似したいデンマークのよさがあり、日々、気持ちにゆとりのある豊かな時間を送りたいと思いました。
子育ても、3食しっかりごはんを食べさせないと、お風呂に毎日入れないと、など勝手にルールをつくっているだけで、もっと自分の時間や心を大切に、常に余白のある生活をしていきたいと思いました。
また来年、次はどこに行こうかなと考えながら。
とても長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Instagram:@ayamurakami__