Instagram:@_mariko_kawabata_
FAMILY:2人+3匹家族(ママ・娘12歳・猫3匹)
HOUSE TYPE:分譲マンション/リノベーション
HOUSE DETAIL:築約55年/居住歴3年半/53㎡/1R
AREA:東京都多摩エリア
こだわりの住まいについて
おおらかな団地で
小さく暮らす
「近所を散歩していたとき、この古い団地と出会いました。敷地内には大きな公園があって、そこには大きな木がたくさん生えていました。今は娘と猫たちと、その公園へ行くのが家族団らんの時間です」。川端さん家族が暮らすのは、築50年以上経つ古き良き住宅団地。部屋の目の前には広々とした植栽エリアが広がり、裏手には大きな桜の木がそびえ、団地の棟と棟の間には贅沢な広さの芝生が広がる。東京であることを忘れてしまうほど、自然が充実した気持ちのいい場所だ。「昔、住人の方が植えたという栗や柿、あけび、ざくろ、びわなどの果樹もたくさん生えていて、よくお裾分けもいただけるんです」
部屋は風が心地よく抜けるように、2DKからワンルームへリノベーション。設計・施工はご近所の建築事務所『on』が担当し、できるだけ古い柱や梁を残しながら、温かみのある空間に仕上げた。「建築士さんがいくつかリノベアイディアを提示してくださったなかで、娘が選んだ家の真ん中にベッドがあるプランにしました」。ベッドは“スリーピングボックス”と呼称する箱型の二段ベッド。寝床以外にも、ベンチやワークデスク、靴箱、キャットウォークなど、複数の機能を備えており、ベッドを囲むように回廊があるのが川端さん家の特徴だ。
さらに目を引くのが、本棚の中央を飾るカラフルな壁画。友人の壁画ペインター・すまあみさんに依頼して、大好きな絵本『おやすみなさい おつきさま』の一場面を描いてもらった。「“おやすみなさい”の本なのに、床が赤で壁が緑など、やたら派手なお家が舞台なんです。ウサギの家にトラの毛皮があったり、ペットがネズミだったり、なかなかシュールな世界観(笑)。こんな家で暮らせたらおもしろいなと、騙し絵のような感覚で大胆に飾ってみました」
SLEEPING BOX
寝る・働く・くつろぐ・しまう
すべてが叶う、多機能ボックス
家の真ん中に佇むスリーピングボックス(箱型ベッド)は、娘さんが好きな絵本『スウェーデンの変身する家具』からインスピレーションを得て取り入れた。「冬がとても寒い北欧では、家を小さめにつくって、暖炉やかまどの熱を部屋全体にまわし、温かく暮らす文化があったそうで、折りたたみ式の家具や、複数の機能を持たせた家具が盛んにつくられていたといいます」。ベッドスペースには、ブラインドやカーテンを取り付けて、人が来たときはサッと目隠しできるよう工夫している。
KIDS SPACE
二段ベッドの上は、
“好き”が詰まった秘密基地
屋根裏感が楽しい、娘さんのおこもりスペース。壁には韓国のアイドルグループBTSのポスターも。「もともと自分のスペースはいらないと話していた娘。とはいえ、後々あったほうがいいだろうと、狭いですがベッドを二段にし、上は娘のスペースにしました。今は大きくなって使っていませんが、カウンターデスクも造作。コスメを収納したり、好きなものを飾る場所として活用しているようです」
ENTRANCE
家と外をゆるやかにつなげる
ゆとりのある玄関土間
自転車や傘立て、愛猫たちのトイレも置ける、広めの玄関土間。スリーピングボックスの玄関側の壁面には、コートやバッグを掛けられるフックが取りつけてあり、靴箱としての機能も兼ね備える。
BOOK CORNER
間仕切りとしても機能する
収納力ばっちりの本棚兼ハンガーラック
本好き親子の、高さ1.8m×横幅6.4mの造作本棚。背面にはハンガーポールが設置され、裏は巨大なウォークインクローゼットとして機能する。床の90cm角のグリッドがちょうど本棚の格子の位置とリンクしてすっきり気持ちがいい。絵本『おやすみなさい おつきさま』をモチーフに描いた壁画は、壁画ペインター・すまあみさん親子と、川端さん親子、みんなで色塗りをした思い出も。
KITCHEN & DINING
自然と会話が生まれる
バーカウンターダイニング
ダイニングテーブルは置かず、広めのカウンターテーブルで食卓を囲むのが川端さん家スタイル。「私がカウンターの中に立ち、ごはんをつくりながら、子どもや遊びに来た友だちとおしゃべりできるバーカウンタースタイルにしています。昔バーテンダーをしていたこともあって、このスタイルが落ち着きます」
まるで秘密基地のように、ワクワクする仕掛けが詰まった川端さん家族の住まい、いかがでしたか? リノベーションアイディアや、コンパクトに暮らす工夫など、ぜひ参考にしてみてくださいね。