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    センスのいい家族が暮らす家【vol.12 人が集う家・徳 瑠里香さん邸】

    センスのいい家族が暮らす家【vol.12 人が集う家・徳 瑠里香さん邸】

    大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.11では、新築なのにどこか古民家のような懐かしさが漂う、編集者・ライターの徳 瑠里香さん家族の住まいへ。76㎡とそれほど広くはない都内の一軒家で、徳さんはのびのび豊かに子育てを楽しんでいるよう。さっそく理想の住まいのヒントを探ります!
    profile
    徳 瑠里香さん
    ライター/編集者
    ライター・編集者。出版社で書籍・WEBメディアの企画・編集・執筆、著者の会社でブランドの編集(PRや店舗運営)などを経て独立。著書には『それでも、母になる 生理がない私に子どもができて考えた家族のこと』(ポプラ社)がある。
    Instagram:@rurikatoku

    FAMILY:3人家族(パパ・ママ・長女6歳)
    HOUSE TYPE:一軒家/注文
    HOUSE DETAIL:約1年2ヵ月/76㎡/3LDK+バルコニー
    AREA:東京都

    こだわりの住まいについて

    家族をひらいて、
    子育てをもっとラクに楽しく

    「夫婦それぞれが生まれ育った実家像をアップデートして育む『実家2.0』がわが家のコンセプトです。“娘がいつでも安心して帰って来られる実家をつくりたい”、そんな想いがベースにあります」。大黒柱、太い梁、床の間、踏み石、土間など、古き良き日本家屋の佇まいが心をホッと和ませてくれる、徳さん家族の住まい。建築家の友人である〈AHA 浜田晶則建築設計事務所〉の浜田晶則さんと佐塚有希さんと二人三脚でつくり上げた。「私たちが彼らに伝えたことは、ここでどんな暮らしを重ねたいか。間取りやデザインについては基本お任せしたことで、想像以上に素敵な家ができあがりました」

    この家に引っ越してきてから、近所で頼り合える関係性ができたことで、子育てがラクに楽しくなったと語る徳さん。「わが家は共働きで、さらに夫は出張が多め。私はいわゆるワンオペ育児に音を上げてしまい……。それから、自分たちだけで子育てをしようとせず、つながりのある人たちとともに子育てができたらと、“家族をひらくこと”を実践。わが家の1階を仕切りのないオープンな空間にしたのも、地域のつながりがつくれるように、友人たちが集いやすいようにという思いがあったから。実際に暮らし始めて、『ごはんをつくるから遊びに来て〜』、『一緒にごはんを食べよう!』と声をかけると、毎週末のように誰かが遊びに来てくれて、おしゃべりしながら一緒に食卓を囲んでくれます。娘もきょうだいのように遊べる友だちやいい距離感の大人の友だちに囲まれて、いろんな価値観に触れながら豊かに育っているように感じますね」

    LIVING & WORKSPACE

    大黒柱を中心に、
    働いて、料理して、食べて、くつろいで

    1階は家を貫く大黒柱を中心に、仕事場(土間)、キッチン、ダイニング、リビングと、田の字型にゆるやかにエリア分けされていて、ほどよくひとりの時間も楽しめる。土間兼仕事場は、昔ながらの商店のようにご近所さんがふらっと立ち寄りたくなる、そんな場所をイメージした。

    ツルツルなのに子どもたちがよじ登る、吉野檜の大黒柱。皮を剥いて自然のなかに寝かせることでカビをつけた『錆丸太』というもの。「はじめてこの木を見たときは独特な模様で少し不安を感じましたが(笑)、実際家に入れてみたらすんなり馴染んでくれて、今ではこれしか考えられないほど気に入っています」

    来客があればすぐ対応できる、玄関土間のワークスペース。デスクチェアは長時間座っても疲れにくい〈エルゴヒューマン〉のオットマン付きモデル。「普段は家で仕事をすることが多いのですが、“土間に降りること=出社”のような感覚で気分の切り替えになっています。空いているところは、今後娘の勉強スペースとして活用予定です」

    家づくりのはじめに、新しい家でどんな暮らしをしたいか、建築家宛てに綴った文章。「“休日の朝はみんなで掃除をする”、“娘と夫で絵を描く”、“家族と友人と季節の食卓を囲みたい”など、イメージする暮らしの情景をしたためました。私はすっかりこの存在を忘れていたのですが、建築家の友人は設計中に何度もその暮らしが叶うか、立ち返って考えてくれたそう。実際に暮らしはじめて読み返してみたら、確かにきちんと叶っています」

    結婚当初から愛用しているソファは、中目黒のヴィンテージ家具屋〈Sonechika〉で購入。「子どもに『自由に遊んでいいよ』と言える、おおらかな気持ちを忘れないように、ソファは買い替えずに使い続けています(笑)」。職人さんの技が光る造作のスケルトン階段は、足を垂らして子どもたちの遊び場に。

    セカンドリビングとしても楽しめるように室内から地続きにこだわったウッドデッキは、なんと旦那さんのお手製。「気持ちのいい季節はここで朝ごはんを食べたり、夕日を眺めながらボーッとしたり、サウナでととのうことも」。サウナの燃料は煙が気になる薪ではなく、排気が無色透明のバイオエタノールを使用。「休日はよく友人たちを呼んで、サウナとごはんを楽しみます。みんな『コテージに来たみたい!』と喜んでくれます(笑)」

    格子天井を取り入れることで光を通わせて、空気を循環。冬は土間で炊いている石油ストーブの熱が2階まで届いて、家全体がポカポカに温まる。1階から2階に貫く、家の正面の大きな窓は“街にひらかれた家”を象徴する。

    KITCHEN

    お気に入りの道具たちが並ぶ、
    広々アイランドキッチン

    複数人でも料理ができる、広めのアイランドキッチン。「賑やかな食卓を眺めながら、料理や食器洗いをする時間が好きなんです」。キッチンカウンターのダイニング側の棚には、食にまつわる本やお気に入りの器を収納。ペンダントライトは、キッチン・ダイニングともに、奈良のショールームまで見に行って決めた〈NEW LIGHT POTTERY〉のもの。

    おばあさまからの結婚祝いで購入した食器棚は、栃木・益子の古道具屋〈あらい〉で購入したもの。「この食器棚に合わせてキッチンのアイランドの幅と高さを決めました。また、部屋全体の壁や天井、床に塗る塗料の色もこの棚に合う濃いめの色を選びました」

    グリーンオリーブのタイルがレトロで可愛い壁面。壁付け棚には、岡本渓壽さんの銅のミルクパンや、〈ARABIA〉のヴィンテージのティーポット、〈東屋〉の急須など、普段からよく使い、美しいお気に入りの道具をディスプレイ。

    造作でつくってもらったキッチン台の引き出しは、食器や調理道具に合わせて高さを算出。カトラリーを入れる引き出しは、小さなカゴで細かく仕切り使いやすく整えている。

    DINING

    大人数の来客も安心!
    床の間ダイニング

    ダイニングテーブルは10年以上使っている無垢の木が心地いい〈MOMO NATURAL〉のもの。「インテリアを選ぶときは、デザインや佇まいに自分の心が沸き立つもの。永く大事にしたいと思えるものを選んでいます」。風合いを感じる白い壁は、カビや劣化の原因になる樹脂を含んでいない『シリカライム』という左官材を使って、旦那さんがセルフで塗り上げた。「左官は下地からきれいに塗れていないと美しく仕上がらなかったり、塗る際の室温や室内酸素量の条件も厳しくて、夫も何度か心が折れかけていましたが、どうにか最後までやり遂げてくれました!」

    ダイニングの一角には、床の間をイメージしたスペースも。収納にもなっているベンチは、大勢で食卓を囲む際に大活躍。「ここは間接照明もつけることができて、子どもたちの歌やダンスのステージとしても機能します(笑)。真っ白な壁は誕生日やハロウィンなど、イベント時の装飾を楽しめたり、なにかと役に立っています」

    カーテンはテキスタイルデザイナーの堤有希さんにオーダー。白い生地をいくつか組み合わせてつくってもらった。

    BEDROOM & BATHROOM

    ミニマルで動線のいい、
    寝室とバスルーム

    天井の高い1階に対し、ギュッとコンパクトでおこもり感がある2階には、バスルームとトイレ、寝室、子ども部屋、ゲストルームが動線よく凝縮。寝室は〈unico〉のベッドと、大阪のライフスタイルショップ〈ANTRY〉で購入したサイドテーブル、〈アルネ・ヤコブセン〉の置き時計、〈IDÉE〉の青いランプだけが佇む、ミニマルな空間。「今はまだ娘も一緒に寝ています。寝る前、娘は天井を見上げると、木の模様に潜む何かを見つけて遊んでいて、そういえば自分も小さい頃やったな〜と懐かしくなりました(笑)」

    寝室と扉ひとつでつながるバスルーム。寝室の雰囲気とも馴染むクリーム色の壁と床は、防水のFRP塗料で塗装。お風呂上がり、すぐ布団に入って眠れる動線も嬉しい。「バスルームの扉はガラスなので、先に眠る娘の様子を見守りながら、焦らずゆっくりお風呂に浸かれるのがとてもいいです。窓を開けると風が気持ちよくて、夜は月が見えます。春は桜も楽しめて最高です」

    KIDS ROOM

    秘密基地感がたまらない、
    屋根裏の子ども部屋

    秘密基地のような屋根裏感がワクワクする子ども部屋。「子ども部屋はオモチャが散らかっていてもOK。娘に一任しています。大人が1階でおしゃべりしているときは、子どもたちは2階の子ども部屋やフリースペースで遊んでいることが多いのですが、壁や扉は天井までなく完全な密室ではないため、1階まで声が聞こえて安心です」

    娘さんが0歳の頃から愛用している本棚は子ども家具専門店の〈なかよしライブラリー〉のもの。持っている絵本のなかには、徳さんが小さい頃に読んでいたというおさがりも。娘さんの洋服は、今日着ているスカート含め、徳さんの妹さんが手づくりしているものも多い。「娘がこんなの欲しいとスケッチしたものをつくってもらうこともあります」

    娘さんお気に入りの絵本は、じっくり悩んでお年玉で買った『そらの100かいだてのいえ』いわいとしお作(偕成社)と、自分で色塗りして完成させた『わたしだけのはらぺこあおむし』エリック・カール作(偕成社)。

    子ども部屋の前にあるフリースペース。洗濯物を干したり、畳んだり、子どもたちの遊び場として使ったり、扉を閉めて客間にすることも。飾っている大きな絵は自粛期間中に家族で描いたもの。「ダミアン・ハーストの展示に行ったとき、絵の具を飛ばして大きな桜の絵を描いている作品があって、娘もやってみたいとリクエスト。わが家では“花火”をモチーフに家族みんなで製作しました」


    理想の暮らしから、あるべき家の姿を導き出した徳さん家族の住まい、いかがでしたか? 家づくりや子育ての考え方など、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    photography/Eri Kawamura text/Runa Kitai illustration/Chika Osawa
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