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    【お金がテーマの絵本10選】学校や園では教えてくれないお金のことを絵本で学ぼう

    【お金がテーマの絵本10選】学校や園では教えてくれないお金のことを絵本で学ぼう

    「日本の教育はお金について学ぶ機会が少ない」と言われていますが、ではどうやって教えてあげればいいのでしょうか。子どもの頃に学んできていない親世代の私たちにとって、わかりやすく子どもに教えるのは難しいですよね。そんなときはお金がテーマの絵本を親子で読んでみるのはいかがでしょうか。モデルで絵本ソムリエのアンヌさんに、投資や稼ぎ方、使い方など、さまざまな視点から描かれたお金にまつわる絵本を10選ピックアップしてもらいました。可愛い絵と楽しいストーリーで楽しく学んでみましょう!

    お金がテーマの絵本 01 小さな子でも理解できる投資のお話 『ポーチとピース とうしについてかんがえるえほん』

    お金・投資がテーマの絵本10選

    ポーチとピース とうしについてかんがえるえほん』 作:倉橋隆行 絵:ふゆはる (プラチナ出版) 対象年齢:4歳くらいから

    「日本の教育に金融について学ぶ機会が、欧米に比べて圧倒的に少ない。そのことに疑問を感じた著者は投資の専門家。『お金って?』『投資って?』小さいうちからお金の運用について考えてもらいたいとの思いでつくられた本作品。登場するのは可愛いリスのピースとタヌキのポーチです。2匹はクリが大好きですが、『少し食べて取っておく』リスさんと、『全部一気に食べてしまう』タヌキさんとでは、そのあとの暮らしぶりに差が出ます。同じ森に住むのに、片方は豊かに。もう片方は貧しい。どうしてでしょう。そのプロセスもなるほど納得の興味深いお話です。続巻をテキストにしたボードゲームもあるので、絵本を読んだあと家族で遊んでみるのはいかがでしょうか」

    お金がテーマの絵本 02 身近にあるものでお金を稼ぐ方法とは? 『レモンをお金に変える法』
    『続・レモンをお金に変える法』

    レモンをお金にかえる法』 作:L・アームストロング 絵:B・バッソ 訳:佐和 隆光(河出書房新社)対象年齢:9歳くらいから

    「子どもが本格的にお金に興味を持ち始めたら、この本を。始まりは至ってシンプル。あるのはタネも仕掛けもないひとつのレモン。これを絞って水と砂糖を加えるとレモネードの出来上がり! と主人公の女の子は誇らしげ。それに『価格』を付け、『消費者』に『製品』を売ることに。友達が大勢買いにくると、『市場価格』が決まります。そして『初期投資』、『自己資本』、『資本貸付』という一見難しそうなキーワードに触れてゆきますが……。的確な文とコミカルな絵で、堅苦しさはゼロ。お金の循環システムに楽しく親しめること間違いなし。経済学入門のバイブルとも言えるほどのつくりで、大人の方のおさらいにも」

    続 レモンをお金にかえる法』 作:L・アームストロング 絵:B・バッソ 訳:佐和 隆光(河出書房新社)対象年齢:9歳くらいから

    「続編は、そのレモネードがとびきりおいしいと評判になったところからスタート。子どもたちは上手いこと『利益』や『賃金』を稼いでいます。ところが、異常寒波に見舞われ原料のレモンが不作に。『値上げ』を余儀なくされると、『賃金と物価の追いかけっこ』が始まり、『インフレーション』につながる。そして『不況』から『景気回復』までを、愉快な絵とともに簡潔に追って行く展開が見事です」

    お金がテーマの絵本 03 “仕事のやりがい”と“お金”の関係がわかる! 『ありがとうのおかね』

    ありがとうのおかね』 作:さない ごう 絵:なかむら まちこ(リーブル出版)対象年齢:3歳くらいから

    「そもそもお金はどうしたらもらえるのか。小さなゾウのカイルくんは、パパに聞きます。すると『ひとから”ありがとう”といわれるしごとをすれば』という返事。そこでカイルくんはお友だちとそれぞれのパパの仕事を見にいくことに。バスの運転手さん、ケーキ屋さん、本屋さん。みんなに『ありがとう』と言われ、お金を受け取っています。人が喜ぶことをするのはとても嬉しい。その気持ちも伝えたくなります。稼ぐことの本当の意味とは。ポップな絵で小さい子に伝わりやすい楽しさがあり、お金に対してポジティブなイメージが持てるようになるでしょう」

    お金がテーマの絵本 04 お金をもらうことは嬉しいこと! 『ひゃくえんだま』

    ひゃくえんだま』 作:ねじめ 正一 絵:荒井 良二(鈴木出版)対象年齢:2歳くらいから

    「百円玉をもらった男の子。とっても嬉しくてたまりません。じっと見つめて、それから見上げて。お尻にのせてみたり、ポケットにしまったり。絶対に手放したくないからギュッと握って眠ってみると……。リズム感あふれる詩にのせて、喜びの世界が広がり、とてつもない百円玉の大冒険が繰り広げられます。その展開が奇想天外でおもしろい! お金をもらうことはなんといっても嬉しい。そんな素直な気持ちが尊重される人気の作品です」

    お金がテーマの絵本 05 目的を持ってお金を貯めよう 『かあさんの いす』

    かあさんの いす』 作・絵:ベラ B.ウィリアムズ 訳:佐野 洋子(あかね書房)対象年齢:5歳くらいから

    「食堂で働くかあさんとおばあちゃんと三人で暮らす『わたし』は、お仕事を手伝ってお金をもらうと、半分だけ大きな瓶に入れます。かあさんも仕事から帰ってくると小銭を。おばあちゃんも安売りで得をしたときに。みんなが協力をして瓶をいっぱいにしようとします。火事でなくしてしまったふわふわのイスを買うことを夢見て。そこへ行き着くための経緯が心をやさしく揺さぶります。隅々まで描かれた水彩画も微笑ましく、あたたかみのある素敵な貯金の物語です」

    お金がテーマの絵本 07 お金で買えるものを考えよう 『買い物絵本』

    買物絵本』 作:五味太郎(ブロンズ新社)対象年齢:5歳くらいから

    「お金で何を買うことができるでしょうか? お菓子だとおいしい、楽しい、嬉しい。でも、虫歯も買うことになるかもしれません。そこで、歯の治療を買うことに。また、嫌な仕事は人に任せれば、ラクチンやのんびりが。つまり暇が買えて、自分の仕事をする時間も……と展開してゆきます。もの以外にもどんなものが手に入るのか。『やさしい心の満足感』、『強い意思の充実感』、『みずからの可能性の追求』など、ちょっと哲学的なテーマも。五味太郎さんならではの絵と文が魅力の長年愛されてきた作品。新装版で復活しました」

    お金がテーマの絵本 08 2冊を通してお金の稼ぎ方と使い方を理解できる 『おかねをかせぐ!-生きるのにかかせないお金のはなし』
    『おかねをつかう!-生きるのにかかせないお金のはなし』

    おかねをかせぐ!-生きるのにかかせないお金のはなし』 作・絵:シンダーズ・マクレオド 訳:田中 靖浩、大加瀬 裕美(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから

    「『お金のごく基本的なことを教えるのに、早すぎるということはありません』という筆者。その言葉を映し出すように、ごく小さな子どもに向けたお話です。歌うのが大好き。お金持ちで人気者になりたい。素直な欲望を実現させるには……。稼ぐことの目的とプロセスを、ウサギのバンちゃんがお金の代わりのニンジンを集めて、出世を目指そうと頑張る姿が可愛い。お子さんにもきっと夢があるでしょう。バンちゃんの考えをお手本に、一緒にどうやったら叶えられるか考えてもいいですね」

    おかねをつかう!-生きるのにかかせないお金のはなし』 作・絵:シンダーズ・マクレオド 訳:田中 靖浩、大加瀬 裕美(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから

    「ウサギと考えるお金の話の第2弾は、サニーが登場します。ウサギの国ではお金がにんじん。お小遣いで貯めた3本を、さてどう使おうか。もちろん、あれもこれもは買えません。ものにはどんな価値があるのかを知り、自分に必要なものを適切に選んでゆくサニー。その考え方のプロセスをシンプルに描いていて、算数の感覚も培えます。お金のことを考えるのは生きるのに欠かせないことだと伝えたいですね」

    PROFILE
    アンヌさん
    モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。

    photography/Chiharu Fukutomi text/Anne
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