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    センスのいい家族が暮らす家【vol.21 モダンとぬくもりが融合する家・小松岳さん、木綿さん邸】

    センスのいい家族が暮らす家【vol.21 モダンとぬくもりが融合する家・小松岳さん、木綿さん邸】

    大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.21では、東京のリバーサイドに建つマンションをリノベーションした、小松さん家族の暮らし。建築・インテリア好きなふたりがこだわった住まいは、空間はもちろん、大好きな家具たちがより引き立つ世界が広がっていました。
    profile
    小松岳さん/木綿さん
    プロダクトデザイナー/マーチャンダイザー
    水の循環システムを提供する会社でプロダクトデザイナーとして活躍する岳さんとECサイトを運営する会社でマーチャンダイザーとして働く木綿さん。2歳になる長男・白くんのマイブーム は、働く車。
    Instagram:@gac_69

    FAMILY:3人家族(パパ・ママ・長男2歳)
    HOUSE TYPE:マンション/リノベーション
    HOUSE DETAIL:居住歴3年/72.09㎡/1LDK+WIC
    AREA:東京都

    こだわりの住まいについて

    ニュートラルな空間に
    大好きな家具たちが映える

    学生時代にデザインを学んでいた岳さんと木綿さん。ふたりとも建築やインテリア好きで、さまざまな場所を一緒に訪れては、想いを膨らませていたそう。「間取りやインテリアまで自分たちで決めたいという希望があったので、家を買うなら“中古マンションをリノベ”で意見は一致していた」という。

    「リノベーション会社はいくつかリサーチして〈nuリノベーション〉にお願いしました。僕たちが目指していたのは、自分たちの色に染めていける空間。それが実現できるフラットなデザ インを提案いただけそうだと感じたんです。あと、パンフレットのグラフィックもとてもきれいでした」(岳さん)

    運命的なタイミングで、木綿さん憧れだったというリバーサイドの物件に出合い、即決。3LDKを1LDK+WICに変更し、理想を詰め込んだ。
    「ベースとして提案したモデルは、日本橋兜町にある、銀行をリノベーションした〈K5〉というホテルです。集めた家具が映える空間にしたいけど、スタンダードから少しだけ変化をつけたい。そこで壁と天井をすべてグレージュに染めました」(岳さん)。「予算の関係ですべてを 職人さんに塗装してもらうのが難しく、一部は自分たちで塗ったんです」(木綿さん)

    アールに仕上げた壁の角、各所に設けたニッチ、オーク材で統一した床や棚。ふたりのこだわりをとことん詰め込んだ空間は、ナチュラルとは一線を画す、穏やかなスタイリッシュさが漂う。そこへご夫婦で収集したデザイナーズ家具が彩りを添えている。「北欧をベースにしながら、無機質なスチール素材や工芸品も取り入れて、私たちらしくミックス感のあるインテリアを楽しんでいます」(木綿さん)

    LIVING & KIDS SPACE

    将来を見据えたセレクトで完成する
    空間に馴染むキッズスペース

    テレビを壁掛けにし、極力スペースを確保したリビング兼キッズスペース。白くんが生まれてからは、クッションマット代わりに敷畳をセット。「私の実家でも使用していて馴染みがあったので、畳を選びました。子どもに使うグッズは、大きくなってからもインテリアとして活躍することを念頭に選んでいます。植物が心配だったので、ベビーサークルも検討しましたが、きちんと最初に言い聞かせたら、そのあとは触らないようになりました。でもたまに、鉢の土を掘り起 こしてミニカーのトラックに載せています(笑)」(木綿さん)

    リビングではさまざまなグリーンがいきいきと葉を伸ばす。「近所にグリーンショップも多く、気がついたらいろいろな種類が集まっていました。葉の形も多様でおもしろいですし、鉢とのコーディネートも楽しいですね」(岳さん)

    リビングには大きなニッチを設置し、収納スペースに。「ものが多いので、備え付けの収納を確保したいというのが、リノベーション当初からの希望でした。息子の絵本は一番下に置いて、自分で選べるようにしています」(木綿さん)

    効率的にお世話が済むように、キッズグッズは一箇所に集約。「ハンガーラックはメリーとしても使える〈HOPPL〉のベビージム。保育園グッズやタオル、スキンケアアイテムなどをまとめているのは、長年愛されている〈BOBY WAGON〉です。大きくなってからもインテリアとして馴染むことを考えて、妊娠中に購入しました」(木綿さん)

    大学時代の友人でプロダクトデザイナーの石垣純一さんが手掛ける〈Array Polar〉のストレージテーブルをオモチャ入れに。再生フェルトを使用しているため軽く、床を傷つける可能性も低いそう。

    ニッチの本棚を照らすのは、〈LIGHT YEARS〉のMORE LIGHT。「溶岩製なので同じ空間にあるグリーンとも相性がよく、気に入っています」(岳さん)

    偶然お店で見つけたアフリカ雑貨のつるし飾り。「メリーではないのですが、カラフルな色使いなので、赤ちゃんの頃は息子が反応していました」(木綿さん)

    アールの曲線を取り入れた角が印象的な壁面。「カーブのパーツをなかに入れて、このデザインに仕上げてもらいました。家全体のグレージュカラーは、僕たちの希望を聞いた〈nuリノベーション〉のデザイナーさんがおすすめしてくれた色です」(岳さん)

    新婚旅行で訪れたメキシコで、ひとつ20円ほどで購入したという人形が、ニッチに並ぶ。「持って帰れることを基準に選んでいると、つい小さい人形を買いがちです。息子はこれをスイカと呼んでいます(笑)」(木綿さん)

    ソファは福岡の家具ブランド〈HIRASHIMA〉のもの。「息子が生まれる前はテレビの正面にソファを配置して夫婦でよく映画を観ていたので、リラックスして寄りかかれる背もたれの高さが気に入って購入しました」(木綿さん)

    スウェーデンのインテリアメーカー〈String Furniture〉のサイドテーブルは、簡単に高さの調整が可能。「映画を観るときはここにコーラとポップコーンを置いていました」(木綿さん)

    壁面で時を刻むのは、〈Lemnos〉が日本を代表するプロダクトデザイナー・渡辺力とともに制作した〈RIKI CLOCK〉。DIYで取り付けた棚の上には、〈SowdenLight〉のポータブルライトがアクセントを添える。「ポップな色使いが気に入って購入しました。読書灯として活躍しています」(岳さん)

    圧迫感を回避するために、収納はすべて見せる収納に。全造作棚は同じ規格の板材で統一されている。「ここはジャンル問わずにいろいろ置いてみよう!という棚です。上段にはこけしもいますし、一番下には〈BISLEY〉の小さなキャビネットも。手前にある黄色いステップツールは〈IKEA〉で購入しました」(岳さん)

    岳さんの出身でもある、秋田の伝統工芸の棚には細々としたものを収納。「結婚祝いに親族からいただいたものです。しっかりと家に馴染んでくれています」(岳さん)

    〈Plumen〉のペンダントライトは、光量の少ないものを選び、照明というよりは空間のアクセントとして取り入れているそう。

    KITCHEN&DINING

    空間を最大限に活かすことで
    アクセス良好なキッチンとダイニングに

    広々としたリビングを確保するために、キッチン、ダイニング、リビングをシームレスにしてひとつの空間に。壁一面に広がるキッチンは、岳さんのワークスペースまでつなげた天板と壁面タイルが個性を発揮。小松邸のシンボル的な存在となっている。ダイニングには、〈Vitra〉のテーブルを中心に、デザイナーズチェアが並ぶ。「好みが似ているので、インテリアで揉めることはないのですが、このテーブルだけは意見が対立しました。夫はスクエア派でしたが、家のなかはどうしても直線が増えてしまいがちなので、丸いデザインは入ることでやわらかみが出るのではないかと説得しました」(木綿さん)。「四角だと空間が狭く感じていたと思うので、説得してもらえてよかったなと思っています」(岳さん)

    ダイニングテーブルと同じデザイナー、ジャン・プルーヴェが手掛けたチェアが一番のお気に入り。チェアのジャパニーズレッドとの相性を考えてオーク材やフローリングを選んだという。クッション代わりにイラン製のギャッペをオン。「サイズも色合いもぴったりで、お尻も痛くならないので気に入っています」(木綿さん)

    コンクリート製なのにぬくもりを感じる不思議なペンダントライトは、イタリアブランド〈FOSCARINI〉のAPLOMB。最近加わったというテーブル上の小物トレイは、ジャスパー・モリソンがデザインしたもの。「普段は息子が食べるふりかけが乗っています」(岳さん)

    キッチンのブランケットライトは〈toolbox〉のミルクガラス製をチョイス。「壁付けの照明はあとからつけられないので、慎重に考えながらレンジフードを挟んで対称に配置しました」(木綿さん)

    木綿さんのアイディアで取り入れたタイル。その寸法に合わせてキッチンのサイズを調整。飾り棚もレンジフードの高さも、気持ちのよい位置に収まっているのは、リノベーションだからできたデザイン。

    造作キッチンにぴったり収まるようにスペースを確保した〈BISLEY〉のキャビネットが、岳さんのワークスペースとの境目。引き出しのラインまで揃う美しさは圧巻。

    キッチンは家電を極力隠すことを意識し、小さなパントリーの奥に冷蔵庫を配置。ここにも曲線デザインが加わることで、やさしい空気が流れる。粘土屋・陶芸家として活躍する日置哲也さんのウォールピースが、もともとそこにいたかのように空間に馴染む。

    WASHROOM

    お気に入りを起点に設計した
    清潔感のある洗面スペース

    キッチンと同じタイルを取り入れて、統一感を持たせた洗面所。「洗面台を長めに確保できたので、洗濯の整理や身支度も整えやすく、助かっています。息子の沐浴もここで行っていました。丸鏡は、デンマークの〈FRAMA〉のもので、自分たちで取り寄せて取り付けました」

    洗面台収納のサイズを決めた〈TOU〉のバスケット。「家を購入する前から気になっていたアイテムで、このバスケットが4つぴったりに収まるサイズで洗面台をつくってもらいました」(木綿さん)

    木綿さんがとても気に入っているという、タオルウォーマー。「中のオイルが循環して、かけているタオルをじんわりと温めて乾かしてくれます。使用するときにタオルがふかふかあったかになっていて、特に寒い季節は小さな幸せを感じます」(木綿さん)

    しっかりシワを伸ばしてくれるという噂を聞いて購入した〈D.B.K.社〉のスチーム&ドライ・アイロン。ドイツらしい機能美は、置いておくだけでアクセントに。

    ENTRANCE&DOMA

    自分たちの趣味や特性を考えた
    収納力の高い玄関&土間

    小松邸に入ってまず目を引く特大のシューズラックにも、緻密な計算が施されている。「手持ちのシューズの高さを測って、ぴったり収まるように一段ずつの高さを調整してもらいました。コンバースのハイカットだけが並ぶ段もあります」(岳さん)

    玄関の正面では、〈FRAMA〉のオブジェがあたたかく出迎える。流線的なアウトラインや存在感のあるオレンジカラーが、不思議とグレージュの空間に溶け込む。

    自転車やキャンプグッズが並ぶ土間は、早い段階で設計をお願いしていた部分。「寝室に抜ける道を確保して、玄関にも光が入るようにしました。ベビーカーを折りたたまずに置くことができたので、つくってよかったなと感じています」(木綿さん)

    木綿さんはイタリアの老舗バイクブランド〈MASI〉、岳さんは〈tokyobike〉で購入したスポーツバイクをそれぞれ通勤時に愛用中。

    BEDROOM

    朝日が気持ちよく差し込む
    クリーンなベッドルーム

    2部屋だった空間の壁を取り除き、寝室、土間、WICに。なるべくスペースが確保できるように調整した寝室は、ブルーのポイント使いでホテルライクな佇まい。東側に位置しているため、遮光カーテンを開ければ朝から明るい日差しが差し込む。「せっかくの朝日ですが、息子が生まれてからは夜泣き対策として暗幕を張っています」(岳さん)。「ベッドサイドには、憧れだった〈Santa&Cole〉のウォールライトを壁付けしています」(木綿さん)

    寝かしつけ時に活躍しているという〈FLOS〉のMAYDAY。オレンジカラーがインテリアのアクセントにもなり、キャンプもこなせる万能ライト。

    ベッドルームに贅沢な余白を生むのが、枕元のニッチ。「ベッドまわりはすっきりさせておきたいと考えて、配置しました。携帯が充電できるよう、コンセントも整えています」(木綿さん)

    お互いのワークスペースに物理的な距離を取るため、木綿さんは寝室にデスクを設置。〈HAY〉のデスク下からのぞく〈BISLEY〉のブラックキャビネットが、グレージュのやさしい空間を引き締める。時計はリビング同様、渡辺力さんがデザインを手掛けた〈Lemnos〉のRIKI STEEL CLOCK。

    寝室の床はすべてホワイト調の絨毯。そこに白くんが生まれる前にヴィンテージショップで購入したという小さな椅子がインテリアの一部として並ぶ。「まだ足が届かないのですが、ときどき息子も座っています」(木綿さん)


    賃貸で過ごしていた時期から、理想の住まいについてアイディアを出し合っていた小松さん夫妻。息子さんが生まれたあとも固定概念にとらわれすぎず、自分たちのペースで子育て期間を楽しんでいます。

    「僕たちが気に入るポップなデザインを息子用に選ぶことも多いですね」(岳さん)。「子どもがいるからこうしなくてはいけない、と考えすぎずに、インテリアを楽しむようにしています。息子が幼い期間も長い目で見れば短いだろうと感じているんです」(木綿さん)。

    photograpy/Yuki Nasuno text/Hiroko Ishiwata illustration/Chika Osawa
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