FAMILY:4人家族(パパ・ママ・長女8歳・次女6歳)
HOUSE TYPE:一軒家/注文(構想期間2年強)
HOUSE DETAIL:居住歴1年10ヵ月/92.97㎡(延床面積)/1LDK
AREA:東京都
こだわりの住まいについて
家族とのちょうどいい距離を保ちながら、
自分らしい暮らし方を発想する
「小さな頃から建物が好きで、これまで10回以上引っ越しを経験しました。そして、今回はじめて注文住宅に挑戦したんです」(邦生さん)
設計を依頼したのは子育て世代の建築家、山田紗子さん。細かな要望は出さず、以前住んでいた家を見てもらい、大きなコンセプトだけを伝えたという。「わが家は子育ても家づくりも『人間は食べたものと読んだものでできている』という価値観が軸にあります。キッチンは家族が自然と集まり、一緒に料理ができるオープンな設計に。また、どこでも読書を楽しめるように、家のあちこちに本棚を配置してもらいました」
家の間取りはどこにいてもなんとなく家族の気配を感じられるようにほぼワンルーム。空間は壁や扉で仕切るのではなく、床材や壁材の違いでゆるやかにゾーニング。アルミシートや青のPタイル、ウィリアム・モリスの壁紙、白タイルなど、多彩な素材を用いることで、どんなジャンルのインテリアも受け入れる寛容な空間に仕上がった。
また、『ここは◯◯をする場所』とあえて位置づけないことで、暮らしの自由度も広げている。「たくさんの居場所をつくりたくて。娘たちは庭やバルコニーで遊んでいることもあれば、階段で本を読んでいることもあるし、お風呂場でおしゃべりするのも好きみたいです。彼女たちにはどんな状況でも楽しめる人に育ってほしくて、衣食住のすべてをあらゆる角度で楽しんでほしい。そんな思いを込めて、暮らしに自然と関心が向くような家づくりを心がけました」
DINING
お気に入りのソファでくつろぐ、
ブルーが癒しのダイニング
ブルーのPタイルが印象的なダイニングエリア。空間をキリッとしめる黒天板の3本脚テーブルは、デザイナー・長大作さんの作品。椅子は〈artek〉の「ルッキチェア」と「69チェア」、子ども用のハイチェアは〈STOKKE〉の「トリップ トラップ」を色違いで合わせる。窓にはロールスクリーンを設置。プロジェクター投影し、家族で映画を見たり、ゲームをすることも。
KITCHEN
お手伝いがしたくなる、
ゆとりのあるオープンキッチン
家族みんなが料理に参加しやすい、オープンスタイルのキッチン。〈ekrea Parts〉のキッチンユニットを導入し、食洗機は大きめの3段式をチョイス。「わが家は私も夫も料理をします。娘たちも一緒に参加できればと、大きな業務用の作業台も置いて作業できる場所をたくさんつくりました」(薫さん)
WORK SPACE
仕事も勉強もその日の気分で。
フリーアドレス制のワークスペース
キッチンダイニングからゆるやかにつながるワークスペース。約40cm床を下げて土間のようなエリアに。「夫婦ともに週の半分以上は在宅ワークです。3つのデスクがありますが、どこが誰のスペースというのは決まっておらず、自由に使っています。もうすぐ次女が小学生になるので、デスクをもうひとつつくる予定です」(邦生さん)
BATH & WASHROOM
他の空間とシームレスにつながる、
新感覚の洗面所とバスルーム
家のほぼ真ん中に位置するむき出しの洗面スペース。「玄関入ってすぐの場所にあるので、娘たちは家に帰ってきたらすぐに手洗いする習慣が身につきました」(薫さん)。ペンダントライトは福岡のガラスウェアブランド〈TOUMEI〉、ミラーはコペンハーゲンを拠点に活動する〈MOEBE〉のアイテム。洗面は両側から使えるのが便利。「娘がもう少し大きくなったらワークスペース側にもミラーをつける予定です」
KIDS SPACE
使い方次第で楽しみいろいろ!
2階の広々キッズエリア
2階に設けたスキップフロアはキッズエリアに。入り口の床にはFRPのグレーチングを採用することで1階にも声が抜けて安心。2段ベッドとして使っているのは〈IKEA〉のKURA。「ロフトベッドの下にマッドレスを敷いて2段ベッドとして使っています。まわりは部屋の雰囲気に馴染むように夫が塗装しました」(薫さん)。現状、キャンプ道具などの物置きになっているはしご上の屋根裏スペースは、今後寝室にしたり、遊び場にしたり、勉強部屋したり、使い方は娘さんたちに一任している。
自由な発想で家族とのつながりを大切に建てられた眞野さんのお家、いかがでしたか? 固定概念にとらわれない家づくりの考え方や、暮らしをより楽しくしてくれるアイテムなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。