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    センスのいい家族が暮らす家【vol.17 たくさんの居場所がある家・眞野邦生さん、薫さん邸 】

    センスのいい家族が暮らす家【vol.17 たくさんの居場所がある家・眞野邦生さん、薫さん邸 】

    大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.17では、東京郊外の見晴らしのいい高台に建つ、眞野さん家族の住まいへ。間取りはほぼワンルームで、玄関を入ると大きな洗面台がお出迎え。自由な発想でつくられた、ユニークなお家です。さっそく子育ても家事もおしゃれもはかどる、理想の住まいのヒントを探りましょう。
    profile
    眞野邦生さん/薫さん
    編集者
    夫婦ともに出版社に勤める編集者。邦生さんは株式会社JTBパブリッシングに勤務し、「るるぶ情報版」の編集長を務める。薫さんは出版社で実用書の編集を手がける。

    FAMILY:4人家族(パパ・ママ・長女8歳・次女6歳)
    HOUSE TYPE:一軒家/注文(構想期間2年強)
    HOUSE DETAIL:居住歴1年10ヵ月/92.97㎡(延床面積)/1LDK
    AREA:東京都

    こだわりの住まいについて

    家族とのちょうどいい距離を保ちながら、
    自分らしい暮らし方を発想する

    「小さな頃から建物が好きで、これまで10回以上引っ越しを経験しました。そして、今回はじめて注文住宅に挑戦したんです」(邦生さん)

    設計を依頼したのは子育て世代の建築家、山田紗子さん。細かな要望は出さず、以前住んでいた家を見てもらい、大きなコンセプトだけを伝えたという。「わが家は子育ても家づくりも『人間は食べたものと読んだものでできている』という価値観が軸にあります。キッチンは家族が自然と集まり、一緒に料理ができるオープンな設計に。また、どこでも読書を楽しめるように、家のあちこちに本棚を配置してもらいました」

    家の間取りはどこにいてもなんとなく家族の気配を感じられるようにほぼワンルーム。空間は壁や扉で仕切るのではなく、床材や壁材の違いでゆるやかにゾーニング。アルミシートや青のPタイル、ウィリアム・モリスの壁紙、白タイルなど、多彩な素材を用いることで、どんなジャンルのインテリアも受け入れる寛容な空間に仕上がった。

    また、『ここは◯◯をする場所』とあえて位置づけないことで、暮らしの自由度も広げている。「たくさんの居場所をつくりたくて。娘たちは庭やバルコニーで遊んでいることもあれば、階段で本を読んでいることもあるし、お風呂場でおしゃべりするのも好きみたいです。彼女たちにはどんな状況でも楽しめる人に育ってほしくて、衣食住のすべてをあらゆる角度で楽しんでほしい。そんな思いを込めて、暮らしに自然と関心が向くような家づくりを心がけました」

    DINING

    お気に入りのソファでくつろぐ、
    ブルーが癒しのダイニング

    ブルーのPタイルが印象的なダイニングエリア。空間をキリッとしめる黒天板の3本脚テーブルは、デザイナー・長大作さんの作品。椅子は〈artek〉の「ルッキチェア」と「69チェア」、子ども用のハイチェアは〈STOKKE〉の「トリップ トラップ」を色違いで合わせる。窓にはロールスクリーンを設置。プロジェクター投影し、家族で映画を見たり、ゲームをすることも。

    ソファは〈ニトリ〉で購入したスモールシングルのベッドフレームに、あきる野市の〈FUJITAKE WORKS〉でオーダーしたソファクッションを合わせた。「2年ほど探したのですが理想のものに出会えなかったのでオリジナルです。ソファクッションの生地は何千種類とある中から家の雰囲気に合う、とにかく汚れにくいものを選びました。居心地がよくて、3日に1回はここで寝落ちしています(笑)」(邦生さん)

    KITCHEN

    お手伝いがしたくなる、
    ゆとりのあるオープンキッチン

    家族みんなが料理に参加しやすい、オープンスタイルのキッチン。〈ekrea Parts〉のキッチンユニットを導入し、食洗機は大きめの3段式をチョイス。「わが家は私も夫も料理をします。娘たちも一緒に参加できればと、大きな業務用の作業台も置いて作業できる場所をたくさんつくりました」(薫さん)

    お酒が大好きな眞野夫婦おすすめの〈HOSHIZAKI〉ドリンク用冷蔵庫。「箱ワインを導入してからさらにお酒時間が充実しています(笑)」(邦生さん)。上に飾っている絵はモロッコ・カサブランカの路上でどうしても買ってほしいとせがまれ迎えたもの。「足の動きが妙ですが、意外と気に入っています」

    〈釜浅商店〉の「こども包丁」。刃の大きさは三徳包丁よりも少し小さく、子どもが扱いやすいサイズ。大人になったらペティナイフとして使い続けることができる。「名前も彫ってもらいました。自分の包丁があれば積極的に料理に参加してくれるかなと。大人もけっこう使っています」(薫さん)

    右が沖縄の作家・山田真萬さんのやちむんで、左が鳥取の作家・石原幸二さんの器。修復家・河合菜摘さんの金継ぎ教室に通っていたという邦生さんが自ら修復した。

    河童橋で購入したアイスクリームセットは、子育て家庭にイチオシの逸品。「買ってきたカップアイスをディッシャーで盛り付けるだけで子どもたちのテンションが違います。また、ひとり1カップは多いなというときも、ディッシャーで盛り付ければ半分の量でも意外と満足してくれるんです。お友だちを招いたときは、チョコスプレーやナッツなどトッピングはセルフで任せると1イベントになっておすすめです!」(薫さん)

    WORK SPACE

    仕事も勉強もその日の気分で。
    フリーアドレス制のワークスペース

    キッチンダイニングからゆるやかにつながるワークスペース。約40cm床を下げて土間のようなエリアに。「夫婦ともに週の半分以上は在宅ワークです。3つのデスクがありますが、どこが誰のスペースというのは決まっておらず、自由に使っています。もうすぐ次女が小学生になるので、デスクをもうひとつつくる予定です」(邦生さん)

    2階の天井から垂れ下がる薄手のカーテンでワークスペースをゆるやかにゾーニング。妹さんは螺旋階段が大のお気に入りなのだとか。「『うちには螺旋階段があるんだよ!』と友だちみんなに自慢しています(笑)」(邦生さん)

    吊り棚で本に紛れて整列するのは、イギリスのぬいぐるみブランド〈LITTLE THINKERS〉の偉人たち。右からシェイクスピア、ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ダーウィン、アインシュタイン、ピカソ、エドガー・アラン・ポー。

    ワークスペースの壁は好きなものを気軽に飾れる有孔ボード。魚のモチーフはフィンランドの陶芸家、カーリナ・アホ氏作のカッティングボード。その他、モロッコのベルベル人のお面や、ガラス作家として有名なエリック・ホグランの絵などを飾る。

    娘さんたちからもらったラブレターや、家族で近代美術館に行ったときに購入したという、ベルギーの作家・ジェームズ・アンソールのポストカード、前に住んでいた家の写真なども飾られている。

    BATH & WASHROOM

    他の空間とシームレスにつながる、
    新感覚の洗面所とバスルーム

    家のほぼ真ん中に位置するむき出しの洗面スペース。「玄関入ってすぐの場所にあるので、娘たちは家に帰ってきたらすぐに手洗いする習慣が身につきました」(薫さん)。ペンダントライトは福岡のガラスウェアブランド〈TOUMEI〉、ミラーはコペンハーゲンを拠点に活動する〈MOEBE〉のアイテム。洗面は両側から使えるのが便利。「娘がもう少し大きくなったらワークスペース側にもミラーをつける予定です」

    玄関のすぐ真横には、トイレとランドリーも兼ねたバスルームが広がる。1階はバスルームも含めてワンルームと捉える。「娘ふたりはお風呂に入って話したり、水中眼鏡をつけて遊ぶのも大好き。キッチンダイニングとほぼ同じ空間にあるので目も離れず安心です。私はお風呂に入りながらお酒を飲む時間が至福です」(邦生さん)

    KIDS SPACE

    使い方次第で楽しみいろいろ!
    2階の広々キッズエリア

    2階に設けたスキップフロアはキッズエリアに。入り口の床にはFRPのグレーチングを採用することで1階にも声が抜けて安心。2段ベッドとして使っているのは〈IKEA〉のKURA。「ロフトベッドの下にマッドレスを敷いて2段ベッドとして使っています。まわりは部屋の雰囲気に馴染むように夫が塗装しました」(薫さん)。現状、キャンプ道具などの物置きになっているはしご上の屋根裏スペースは、今後寝室にしたり、遊び場にしたり、勉強部屋したり、使い方は娘さんたちに一任している。

    地続きでつながる2階のリビングも子どもたちの遊び場に。

    〈天童木工〉のロータイプソファは包み込まれるような座り心地が魅力。ひとりでも持ち運べるほど軽く気軽に移動できる。

    ベッドに敷いているのは、〈崎陽軒〉の公式グッズである「シウマイ弁当」がプリントされたブランケット。「もともとはシウマイ弁当好きの私に妻がプレゼントしてくれたものですが、トリッキーなものに目がない次女が自分の布団に持ち込んでしまいました……。その後、枕や別のブランケットなども買い足して、いまや次女の寝床は崎陽軒まみれになりました(笑)」(邦生さん)

    娘さんふたりのぬいぐるみコレクション。高尾山さる園のさるくじで当たったサル、八景島シーパラダイスの白イルカ、多摩動物公園のライオン、すみだ水族館のペンギンなど、お出かけしたときの思い出まで大切な宝物。「毎年、娘たちの誕生日はパパとのデートが恒例です」(薫さん)

    娘さんはともに読書好き。「小学館の図鑑NEO」はラインナップ豊富で、岩石・鉱物・化石や、まどあけずかんのいきものもお気に入り。

    外からもはしごを登ってアクセスできる、見晴らしのいい2階のバルコニー。「過ごしやすい季節は外でごはんを食べることもあります。夏は花火を見たり、秋はお月見をしながらお団子を食べることも。夜はモノレールの明かりだけがスーッと動いてきれいです」(薫さん)


    自由な発想で家族とのつながりを大切に建てられた眞野さんのお家、いかがでしたか? 固定概念にとらわれない家づくりの考え方や、暮らしをより楽しくしてくれるアイテムなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    Photography/Takanori Sasaki text/Runa Kitai illustration/Chika Osawa
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