引っ越しがテーマの絵本 01 引越しのなんとも言えない寂しさを表現 『クマくんのひっこし』
「住み慣れたお家を離れるのは、ちょっと寂しいものです。引っ越しのためクマくんは、お父さんとお母さんと一緒に荷物をすべてトラックに積み込みます。でも何か忘れてたような気持ちになります。そこで、もう一度家の中を見て回ることに。けれども、どこのお部屋にも何も残っていません。忘れ物は一体なんだったのでしょう。新しい場所に移り住むのには、気持ちの切り替えが必要です。きっとこの一冊が、小さな子の気がかりに寄り添ってくれるでしょう」
引っ越しがテーマの絵本 02 集合住宅の魅力が詰まったお話 『くすのきだんちへ おひっこし』
「新居は集合住宅。ほかの住人たちと仲良くなれるかな。そんなときこの作品でリラックスしてみてはいかがでしょうか。カエルくんが見惚れたのは、大きなクスノキの団地です。早速管理人のモグラが中を案内してくれました。キツネ、ウサギ、サル、いろいろな動物が一緒に暮らしています。空き室もありますが、上下階にはカエルくんの天敵が! 帰ろうとしたところ、なんと滑ってケガをしてしまいます。それを思いやる住人たち。カエルくんは次第に安心してゆき……。団地のあまりの魅力に読み手のこちらも憧れてしまうでしょう。春の風も感じる気持ちのいい作品です」
引っ越しがテーマの絵本 03 お別れのときにするべき3つのこととは? 『いつだってともだち』
「アフリカの大草原で暮らす子ゾウのベノ。仲良しのフレディとは毎日何をするにも一緒でした。ところが、フレディが別の草原に行ってしまうことに。すっかり元気をなくしてしまったベノに、物知りフクロウが3つの『できること』を教えてくれます。一体どんなことでしょう? 仲良くしていたお友達が、遠くへ行ってしまうのは誰にとっても寂しいものです。そんなときの心の支えになる一冊。一生大切に覚えておきたい宝物のようなアドバイスは、大人にも響きます」
引っ越しがテーマの絵本 04 美しい水彩画と繊細な友情物語 『またあえるよね』
「かなとなつきちゃんは、大の仲良し。お花見に行けば、ブランコに替わりばんこで乗ったり、おにぎりを分け合ったり、公園を裸足で冒険したり。ふたりでいるのがあんまり楽しいので、ずっと一緒がいいと思っています。ところが、春休みが終わってかなが園に行ってみると、なつきちゃんの姿がありません。かなの、溢れんばかりの哀しみを、桜の美しさに乗せた描写が愛らしく素晴らしい。こみねゆらさん初の水彩画。別れの季節にぴったりの、大変繊細な作品です」
引っ越しがテーマの絵本 05 ネズミ一家のお引っ越しを覗いてみよう! 『14ひきのひっこし』
「大人気のロングセラー『14ひき』シリーズの第1巻。おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして兄弟たち。14ひきのネズミ一家は、心地いい場所を求めて森の奥へ。崖をのぼったり、天敵から隠れたり、川を渡ったり。大冒険の果てに見つけるのは素敵な根っこ。暮らしやすいように、みんなで竹を細工して寝床をつくり、水を引いてきたり、食料を集めたりします。その様子が、余す所なく繊細に描かれていて、何度見てもワクワクします。住処が変わる楽しみが見つけられそう!」
引っ越しがテーマの絵本 06 お友達とのお別れの日にクマさんがしたこととは? 『ぼくとクッキー さよならまたね』
「小さい子が初めて経験する『別れ』はとりわけ悲しいものです。クマのぼくは、クッキーと大の仲良し。いつも遊んでは『さよなら、またね』と言い合っていました。でもある日突然、引っ越しを告げられます。『またね』はないの? 寂しい気持ちをどう表現したらいいのか戸惑うぼく。嫌いになってみたり、悩んでみたり、ため息をついてみたり。そしていいことを思いつきます。小さなぼくが悩み抜く健気な姿に心打たれる感動作です」
引っ越しがテーマの絵本 07 新しい街を楽しもう! 『げんくんのまちのおみせやさん』
「新しい街に引っ越してきたげんくん。一軒家になったので犬が飼いたいと思っています。家のそばの商店街に出かけてみると、いろいろなお店が。八百屋さん、魚屋さん、お蕎麦屋さん……。お肉屋さんでコロッケを買ってみます。食べようとしたとき、足元に子犬が! 少し分けてあげると、懐いてあとからついてきました。どこのお店の子なのでしょう。街の様子を隅々まで描いていて、人々との交流が楽しい作品。引っ越しが待ち遠しくなりそうですよ」
引っ越しがテーマの絵本 08 子どもならではの想像力が素敵! 『ふしぎな ともだち』
「レオンは新しい街にママとやってきます。でも寂しくはありません。だって、ボブっていう友達がいるから。ボブは誰にも見えないけれど、いつでも一緒。ところが、ある日お隣に男の子が引っ越してきて……。子どもの気持ちを巧みに表現した物語で、サプライズも。読み終わったあとには不思議な安心感に包まれます。場所が変わっても、大丈夫。そんな気持ちになるでしょう」