地震がテーマの絵本 01 小さな子でも理解できる防災のお話 『一生つかえる! おまもりルールえほん ぼうさい』
「災害が起きたらどうしますか。子どもも大人も、何となくイメージできていても、具体的な対応策について問われると戸惑ってしまいませんか。まずは自分を守る方法は押さえておきたいですね。この本は35の防災ルールを紹介しています。第一段階に、準備のルールや心構え、やっておくべきことが簡潔に描かれています。次に行動のルール。そのときいる場所に応じた対応策。すべてが絵本感覚で楽しくまとめられていて、大人も見入ってしまうほど。とてもためになる一冊を、常備してみては」
地震がテーマの絵本 02 3.11を背景にしたストーリー 『もりのきでんしゃ ゆうきをもって』
「地震です! すぐに津波を心配したもりのきでんしゃの『リン』。キツネのこっこさんがとがめるのも聞かず、生き物たちを助けようと海沿いの町に出発します。必死でみんなを乗せようとしているうちに……。津波の第二波、さらには原発事故と被害は拡大していきます。リンは悲しさでいっぱいに。やわらかなタッチのやさしい問いかけに、天災や人災について深く考えさせられる作品です」
地震がテーマの絵本 03 大人もためになるもしものときの解決策 『じしんのえほん こんなとき どうするの?』
「突然地震が起きたとき、ひとりだったら? 適切に行動できるよう、いくつかのパターンを描いて必要な行動を説明してくれる内容です。下校途中ならランドセルを頭に、ブロック塀から離れましょう。リビングなら、クッションで頭を押さえて丸く。教室では? 公園では? スーパーマーケットでの頭の守り方も、なるほど納得。一度はしっかり親子で確認したい例が、簡潔にまとめられています。子どもに持たせたいサバイバルカードも巻末に。コピーして使えますよ」
地震がテーマの絵本 04 地震をリアルに想像できる 『地震がおきたら』
「地震が起きたら『お、は、し、も』を守りましょう。それは、おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない。そのように避難訓練で教わって、お家に帰ってきた小学生のけんちゃんとゆうちゃん。するとお母さんは、自分が経験したことを話してくれました。昔、この町に起きた地震のこと。そのとき建物の下敷きになってしまったこと。もし同じことが起きたらどうしたらいいか、一緒に考えます。火事や津波の心配、それに避難所での過ごし方も丁寧に描かれています。親子の『心の備え』になる一冊です」
地震がテーマの絵本 05 地震の仕組みを知ろう! 『じめんがふるえる だいちがゆれる~地震のはなし』
「かこさとしさんによる自然を読み解く絵本シリーズから6冊を抜粋して新装したうちの一冊。小さい子でも読みやすいように工夫され、2022年までの大きな地震情報もアップデート。とても科学的な内容ですが、理解しやすいようやさしい言葉と絵で示されていて、さすがです。地震とは、いつか来るかもしれないものという感覚から、地震は起こるものという考え方に塗り替えてくれる作品」
地震がテーマの絵本 06 やさしい絵と言葉で恐ろしい地震を表現 『はなちゃんの はやあるき はやあるき』
「小さいお子さんにもちゃんと地震について説明したいもの。ここでは、主人公はなちゃんの保育園で避難訓練があります。テーブルの下に隠れて、落ち着いたら高台へ。真っ直ぐ早歩きです。でも、はなちゃんはちょっとのんびり。先生に注意され、練習をするようになります。とある冬の日。突然地震が! 東日本大震災のときに、保育園児たちの実際にあった経験をもとにした絵本。ほのぼのしたタッチのなかにも、津波から逃げる緊迫感が描かれていて、心打たれます」
地震がテーマの絵本 07 避難所での出来事を描く 『あのとき、そこに きみがいた。』
「2016年4月16日の未明。熊本で巨大地震がありました。被災した作者が向かった先は避難所。その様子をドキュメンタリータッチで追います。途方に暮れる人々。知人の安否を確認する携帯の光。一夜が明けても余震は続き、体育館は人で溢れてきます。そこにボランティアが。黄色いビブスを来た中学生たちです。元気に活動する彼らの姿はたくましく、生きる勇気と希望を運んでくれる感動作です。イラストもリアルで素晴らしい。少し大きいお子さんに」
地震がテーマの絵本 08 シンプルな絵と表現が特徴! 『にげましょう』
「災害で命をなくさないためのハウツーが、テンポよく描かれています。韻を踏むひと言は『にげましょう』。身を守るには、まずこの行為です。地震、津波、噴火、台風、竜巻、それに広域豪雨、集中豪雨、ゲリラ豪雨など……近年多発している気象状況にも対応して、逃げ方の説明も実用的です。なにより、地形を横から捉えた図は、危険の全体像を把握しやすく、色合いもスタイリッシュで美しい。大人にとっても読み応えのある一冊です」