ジェンダーレスがテーマの絵本 01 色と性別は無関係! 『ピンクはおとこのこのいろ』
「ピンクは男の子の色? 女の子の? いいえ。ピンクは男の子も女の子も好きなんです。青だって、黄色だって同じです。おしゃれ着のリボンやボータイ、野球のユニフォーム、王冠も、性別を選ばずに迎えてくれます。好きな色を抵抗なく好きになれますように。小さなお子さんも色の名前を覚えながら、ジェンダー平等の意識が当たり前に。大人も『らしさ』を押し付けないよう気をつけたいですね」
ジェンダーレスがテーマの絵本 02 周囲の目を気にせず“好き”を楽しもう 『ハナはへびがすき』
「友達が大好きなお人形もリボンもピンク色も可愛いけれど……。そう言うハナは生き物が好き。カエルとトカゲ、ミミズやコウモリ。なかでもヘビはいちばん! みんなには気持ちが悪いと言われながらも、自分の好きを貫きます。きっとどこかに気持ちを分かち合える仲間がいるはず。豊かな視点とポップなデザインで、生き物たちがとてもおしゃれに描かれているのも魅力的。女の子だからって、好きになるものまで決められたくないという思いをあと押ししてくれそうな一冊です」
ジェンダーレスがテーマの絵本 03 おめかし好きな男の子のお話 『ぼくのスカート』
「いつもはだかんぼで家のなかを元気に走り回るフレッド。あるとき、ふとクローゼットに入ってみます。お父さんの服を着てみましたが、なんだかしっくりきません。お母さんのクローゼットを見てみると、さあどうでしょう! 家族みんなでおめかしをトライするシーンは、ユーモアもありながらとても寛大です。どんな服を着るか、アクセサリーをつけるのか、お化粧をするかどうか。ひとりひとりが自由に決められますように」
ジェンダーレスがテーマの絵本 04 自分らしさってなんだろう? 『Red(レッド)あかくてあおいクレヨンのはなし』
「レッドは赤いクレヨンです。でも赤く塗るのが得意ではありません。お母さんクレヨンには驚かれるし、鉛筆先生にはもっと練習すればと。お手本を見せてもらっても、黄色とコラボしてみても、結果は思うようにいきません。あれこれ試行錯誤し、自分らしさに気づくまでのささやかな感動物語。多様性をクレヨンに例えた、ユニークなアイディアが光ります。アメリカではLGBTQ推薦図書にも」
ジェンダーレスがテーマの絵本 05 ジェンダーギャップに親はどう寄り添う? 『色とりどりの ぼくの つめ』
「マニュキュアに夢中の僕。元気な色を塗った爪を見るのが大好きなのです。ところが学校にしていくと、『やーい、女の子!』と男の子たちがはやしたてます。悲しくなった僕は、やっとのことでパパとママに気持ちを打ち明けます。するとパパもマニキュアを爪に。僕の気持ちをさりげなく励ますその素敵な姿は、子どもの寄り添い方のお手本にも。性別にとらわれず、好きなこと、楽しいことを追求すれば、いつかきっと周りも変わるはず。多様な世の中へ、扉を開いてくれる一冊です」
ジェンダーレスがテーマの絵本 06 大人も共感! 社会的役割についてのお話 『たかく とびたて 女の子』
「夢はパイロット、バイオリン弾き、作家、なんだったら火星人にだってなれるかも? でも『ソレハムリ』、『カタハメ』、『ガイケンビジン』などの悪の軍団が、夢に向かって飛びたとうとする女の子たちを妨げます。でも、大丈夫。どうしたらやる気の翼くを持てるようになるのか、わかります。思い込みや従来の社会的役割から解放されて、自由に羽ばたいて! そんなエールをもらえる作品。見返しに描かれた一面の翼も色彩豊かで美しく、象徴的です」
ジェンダーレスがテーマの絵本 07 ユニークなストーリーでジェンダーを楽しく学ぶ 『だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?』
「ぼくとまきちゃんがいつも行くだがし屋には、おっちゃんがいます。筋肉ムキムキでガニ股歩き。ガハハ笑ってちょっと下品。豪快になんでも教えてくれる人柄です。ところがある日『はるこちゃん』と呼ばれているのを見かけ、びっくり。男らしさや女らしさ、心のジェンダーなどのテーマを、ユーモアを散りばめながらダイナミックに描いた作品。昭和な世界観も愉快ななか、おっちゃんの過去を知るうちに胸が熱くなりますよ」
ジェンダーレスがテーマの絵本 08 美しい絵にもご注目! 『ジュリアンはマーメイド』
「プール帰りの男の子ジュリアンはおばあちゃんと電車に乗っています。そこに乗り込んできたのは、人魚の衣装を着た3人組。見惚れたジュリアンは自分も同じような姿になりたいと思います。家に着くなり、身近なものを長い髪や美しい下半身に見立てて変身! その姿を、おばあちゃんに見られてしまいますが……。舞台はNYのマーメイドパレード。マーメイドはトランス・アイコンとされているのだそうです。自分の気持ちを大切にというメッセージが、夢のような展開と繊細な水彩画で読み手に伝わり、うっとりする作品です」