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    絵本で楽しく数字に触れる【算数が好きになる絵本 9選】

    絵本で楽しく数字に触れる【算数が好きになる絵本 9選】

    算数の導入として、絵本を通して楽しく、自然に数字を学んでみるのはいかがでしょうか? 数を数えるところから、足し算や引き算、掛け算や割り算、時計の読み方まで学べる絵本を、モデルで絵本ソムリエのアンヌさんにピックアップしてもらいました。勉強だと思うと堅苦しいけど、絵本なら子どもも親も負担なく、数を覚えたり計算を自然と楽しめるはず!

    算数が好きになる絵本 01 絵を見て数えてみよう 『1 2 3 かずのえほん』

    1 2 3 かずのえほん』作:トム・スローター(西村書店)対象年齢:0歳くらいから

    「赤ちゃんから親しめる1から10までの数の絵本です。登場するのは、リンゴやメガネ、花や魚といったわかりやすいもの。はっきりとした色使いで描かれているので、小さい子が認識しやすく、ひとつずつ指で確認しながら数えるのにぴったり。何よりも本全体がポップなスタイルでセンス抜群です。良質なデザインに小さいうちから触れることも大切でしょう」

    算数が好きになる絵本 02 乗り物好きな子にぴったり! 『くるまはいくつ?』

    くるまはいくつ?』作:渡辺茂男 絵:堀内誠一(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから

    「車の数を数える、カウンター絵本。扉のページを開くと、やさしく質問が投げかけられます。『知ってるかい?』と。車の形はどんなか、車がひとつあるものはなにか、ふたつだとどうなるか、3つでは……。車の数から乗り物をイメージしてゆく展開です。5つ、6つとだんだん難しくなり、発見やワクワク感が。シンプルな線と鮮やかな色使いも魅力のロングセラー。裏表紙も必見。乗り物好きにはぜひ! 」

    算数が好きになる絵本 03 主人公と一緒に足し算をしてみよう 『わたし たしざん できるの』

    わたし たしざん できるの』文・絵:ディック・ブルーナ 訳:まつおか きょうこ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから

    「メガネをかけた女の子が、『足し算できるの』と言って見せてくれます。まず、赤いポット。それは1。赤いマグカップひとつ+赤いマグカップひとつ。それは2。つぎはハサミが並んで、3。というように、10までの初歩的な足し算を、お馴染みブルーナの絵で学べます。この本を開けば、足し算ってすごいでしょ、そしてあなたもできるよ、とやる気と自信を持たせてくれるでしょう」

    算数が好きになる絵本 04 アナログ時計の練習に 『とけいのほん1』、『とけいのほん2』

    とけいのほん1』『とけいのほん2』作:まつい のりこ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから

    「アナログ時計を目にする機会が減ってきている子どもたち。でも時間の感覚はアナログ時計が読めなければ身につきにくいでしょう。ここでは、時針のちびと分針ののっぽが、数字と板のブロックを積んで散歩に出かけます。するとどんぐり坊やが、時間を教えてと通せんぼ。そこで丸いお花に数字を並べ、ちびとのっぽがコラボで12と7を差し7時を教えます。坊やたちが歩いて進めばちびとのっぽも動き、ちびは7から8、そして9へ。何時になったかな? ページをめくりながら視覚的に学んでゆける、納得のロングセラー。2冊目ではさらに細かく分単位も。時間が読めればスケジュール管理にも役立ちますよ」

    算数が好きになる絵本 05 海賊が減ると何人になるかな 『ちっちゃなかいぞく いまなんにん?』

    ちっちゃなかいぞく いまなんにん?』作:マイク・ブラウンロウ 絵:サイモン・リカティー 訳:ふじしまけいこ(潮出版社)対象年齢:5歳くらいから

    「10人の小さな海賊たちが宝探しに大海原へ。大冒険の始まりと思いきや、アホウドリにひとりがさらわれてしまいます。そこで、『ちっちゃなかいぞく いま なんにん? 』。ページをめくると『いまきゅうにん』との答えが。すると今度は雷にひとりが打たれてしまいます。さて、8人になったところで、はたまたトラブル。こうしてひとりまたひとりと減っていくという、簡単な引き算が学べる展開です。世界中で大ヒットの明るく元気な作品。リズミカルな文章も楽しく、親子で一緒に声に出してみるのもおすすめです」

    算数が好きになる絵本 06 割り算に触れてみよう 『おまたせクッキー』

    おまたせクッキー』作:パット・ハッチンス 訳:乾 侑美子(偕成社)対象年齢:4歳くらいから

    「お母さんがクッキーをたくさん焼いて出してくれました。兄妹ふたりでわけるには、6つずつということに。いよいよ食べようとしたそのとき! ピンポーンとベルが鳴り、ふたりの友だちが入ってきます。そこで、3つずつにしようと決めたところで、またベルの音。こうして次々に仲間が加わります。みんな同じ数になるよう、その都度数えてゆくと自然と割り算に。小学算数のひとつの壁といわれる割り算ですが、要はわけ合いっこ。実際におやつを分割する感覚で覚えると、クリアできるかも。繰り返しが愉快な展開もしかり、洋服やテーブルクロスのデザインも見どころの傑作です」

    算数が好きになる絵本 07 ケーキを使って掛け算も割り算も! 『王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし』

    王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし』作・絵:マシュー・マケリゴット  訳:野口絵美(徳間書店)対象年齢:5歳くらいから

    「1匹のアリが、王さまライオンの食事会に招待されます。行ってみると、大小さまざまの動物たちが。デザートには四角い大きなケーキ。王さまは各自自分の分をとって回すよう言い渡します。まずゾウは、考えた末、半分取って残りをカバへ。カバは同じように半分をゴリラへ。そうこうするうちに半分の半分の半分の、と減っていき、アリに回ってきた頃には……。そこでアリはあることを思いつきます。分数や倍数がとてもわかりやすく描かれている楽しい一冊。高学年からの算数もスムーズに学べるよう、こんなお話から親しむのも手。裏表紙や見返しの部分の絵も見逃せません」

    算数が好きになる絵本 08 美しい絵にも注目したい! 『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』

    1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』作:デミ 訳:さくま ゆみこ(光村教育図書)対象年齢:小学校低学年くらいから
    One Grain of Rice A MATHEMATICAL FOLKTALE
    Copyright ©︎1997 by Demi.

    「昔、インドのある地方に、偉そうな王様がいました。困ったことに人々が収穫したお米のほとんどを仕舞い込んでしまうのです。みんなが食べるものに困っても、飢饉が訪れてもなにもしてくれません。そこに、賢い村娘が。王様にお米を一粒もらい、翌日は前日の倍の数を30日間もらえないかと申し出ます。一見大したことないようですが……。金をあしらったレースのような繊細な絵、圧巻のパノラマ画など、伝統的な『インド細密画』の技法を用いた絵も美しい。そして驚きの展開が、掛け算や倍数の魅力を存分に伝えてくれる作品です」

    算数が好きになる絵本 09 時計の針を動かしてみよう 『ペネロペ いまなんじ?』

    ペネロペ いまなんじ?』文:ひがし かずこ 絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから

    「お馴染みペネロペの仕掛け絵本。ペネロペの1日を追いながら、右上のプラスチック時計を手動であわせていく仕組みです。朝、ペネロペは幼稚園に行くために7時に起きます。時計を合わせられるかな? お絵描きは10時。お昼ごはんはお外で、12時です。1分刻みでカチカチ音が鳴るので感覚を掴みやすい。さらに分針に凹みがあり回すのも楽です。可愛いだけでなく、時計の読み方をしっかり学べる実用的で安心の一冊です」

    PROFILE
    アンヌさん
    モデル・絵本ソムリエ・JPIC読書アドバイザー。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
    photography/Chiharu Fukutomi text/Anne
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